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つまずく石も縁の端くれ

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2006年08月13日
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カテゴリ:読書
深淵のガランス

絵画修復師でも花師でもある佐月恭壱が主人公の美術
界ミステリー。表題作のほうは、冒頭いきなり、村山槐多の
詩からはじまる。ガランスとは村山が愛したあかね色のこと。

ちなみに村山は大正時代、22歳の若さで夭逝した画家であり
怪奇小説家。竹橋の国立近代美術館に私の好きな一点、バラと
少女がある。

バラと少女.jpg

さて、そんなことから、かなり興味深く読むことができた。大
正時代に活躍した画家のパリ風景の絵の下に塗りこめられたも
うひとつの絵をめぐるミステリー。ただ、ケレン味たっぷりの
言い回しが心地よく感じると同時に、少々わざとらしく感じる
時もあり。

もう一作の「血色夢」は、洞窟の壁画修復と、分割された洋画
をめぐるストーリーがクロスしていく。ひとつの絵をいくつか
に分割して、複数の作品を作る贋作の方法など、美術界の裏話
も楽しい。主人公を取り巻く登場人物もそれぞれ味があって、
今後の絡みが楽しみ。お約束のタイプばかりだが。





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最終更新日  2006年08月13日 21時11分59秒
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