カテゴリ:カテゴリ未分類
一応、もう10年以上ゲーム開発をしていて、いろんな経験をさせてもらったのですが。
以前、ゲーム開発者になりたい、という学生さんに「ゲーム開発で一番必要なスキルはなんですか」と聞かれ、咄嗟に思いつかないで「ゲームに対する愛」とか中途半端な言葉で逃げてしまったのですが。 いろいろ考えた末に最終的には「根気と地味な努力を耐えられる精神力」じゃないかという風に思いました。 なんだか雑誌に出るクリエイターインタビューなどでは、まるで彼らの仕事が華々しい、まるで芸術家やスターのように感じられるかもしれませんが、実際は開発って90%の仕事はどの部署も「地味な作業の反復」なんです。何度も何度も繰り返し、その都度修正、変更、改善して、ちょっとづつ進む。あるいは何百、何千もあるデータを一個一個検証する・・・ クリエイティブ、というと創造性を指すのかもしれませんが、その創造性を実現するには地味な、それこそ画面に映らない部分での作業の結晶が商品であって、お客さんはその上澄みを楽しんでいる、ということなんですが。 これはゲームだけじゃなくあらゆる仕事に言えるのかもしれません。 せっかくゲーム会社に入ったのに、想像と違って地味な仕事ばかりで楽しくない、と半年ぐらいで辞めてしまう新人さんがいますが、正直ゲーム作りの楽しみと遊ぶ楽しみは違いますから。 そして、そんな苦労も発売日に店頭でお客さんが自分の開発したソフトを買ってくれたり、ネットで感想を見たり、雑誌の記事を読んだりすることで充足感が味わえる、その辺が楽しみ、と言えば一番の楽しみなんでしょうか。 と、いうわけで「地味な努力を苦と思わない人」が、もっとも開発に必要なスキルかもしれませんな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|
|