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アニメーターの金村さまとのお話の中で。
「よく、国産アニメだからいい、中国や韓国の動画じゃだめ」なんてマニアがいるけど、そういう人って多分、今は動画であれば海外の方が質が高いって事、知らないんじゃないだろうか。というか、純国産アニメなんて、まったく、といっていいほどないんだよね」 どうして海外の方が質が高いか、と言う理由を聞いて納得したのですが、日本と違って海外で日本のアニメの動画マンになる、というのはエリートなんだそうで。これは単純に動画単価と物価の違いがありますが。日本で例えば動画一枚200円だとして、日本の200円と海外の200円では貨幣価値が違う。だから高給取り、まではいかなくても生活が出来ないという日本の新人駆け出し動画マンのようなことにはならない。 しかも、大概は美大卒のいわゆる絵の基礎がしっかり出来ているエリート揃い。だとしたらレベルが上がるのが必然だそうで。これは動画だけでなく、特に背景なども同じ事が起きています。 ここ最近、アニメキャラの線の多さが顕著だと思われませんか?特に一昔前なら信じられないような髪の毛のディティールの細かいキャラがバリバリ動く。これは海外の動画の力が上がったことによる恩恵だとか。日本人が同じような細かい動画をやりたがらない(一枚の時間がかかると出来高払いのアニメーターにとって悲惨だから)ので、難しいカットは海外に回してしまうんだとか。 逆に言えば、未だに新人アニメーターが生活苦を理由に3年持たず辞めていく日本より、ちゃんとした手取りで優秀な人材がいる海外の方が技術力が上がりやすいのでしょう。 ただ、海外では自国のアニメ放送をする、というメディアや会社がまだ少ないので、原画マンやコンテ、レイアウトにまで踏み込んだ人材はあまり育っていないようで。この辺は一ヶ月に60本以上のアニメを放送している日本とは比べようがないですな。 なんだか「日本人の心」と思っている漬物の8割が実は輸入品である、というのに似ています。 妙にアニメ国粋主義者の人が日本人だけをやたらに優秀、と思いたがりますが、優秀なのは国籍じゃなくて本人の技術と、それを取り巻く環境の良さなんだろうと思います。現に金銭面で後進が育たない日本のアニメ業界なんて・・・ アニメの本数や求められる動画枚数が増えているのに、日本人アニメーターの数は増えていない現状を考えると、安くて技術のある海外スタッフに頼る比率は増えざるを得ないのでしょうなあ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.03.06 23:46:47
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