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最近読んだマンガの中で気に入っている・・・というか、正確には「後味の悪さがすごい、けど面白い」作品に
予告犯 (ヤングジャンプコミックス)筒井哲也 という作品があります。 ネット上に突如現れた新聞を仮面に被り、ネットカフェから世の中にはびこる悪を「制裁」という正義の元に放火、暴行、拉致、といった実力で私刑を加える、通称「新聞男」と称するネットテロリストと、それを追うサイバー犯罪捜査チームの警察の攻防なのですが。 この作品が非常に「リアル」に感じるのは、実際にネット上で起きた事件、例えば就職の面接に来た人間をツイッターで中継して笑い飛ばした事件、レ○プ被害にあった女性に対して「そんなのは女の方が誘ったんだろ」という暴言を吐いて炎上したケースなど、「ああ、そういえばそういう事件あったよね」と ここで行われるのは一方的な私刑:リンチです。それをネットで流すことによって、鬱屈した匿名のストレスを溜めている人間たちに「もっとやれ」と・・・こんなヤツら、社会的に抹殺されて当然だ、みたいな正義の鉄槌を目の当たりにする感覚。 しかし実際は銀紙を奥歯で噛み潰したような、嫌な後味しか残らない。 似たテイストの作品として、昔チャンピオンに連載していた「アクメツ」という作品がありました。あちらも「正義のために悪い奴ら(政治家、官僚、天下り役人など)をノリと勢いでぶっ殺す!」というめちゃくちゃなお話の中に、この手の正義感の気持ち悪さ、後味の悪さを痛感させる作品でした。 実際のネット炎上事件などを見ていても思うのですが、酷い発言をした人間をリンチで制裁する(例えば住所の特定、勤め先、学校などへの電突)行為に加担するのは、作品中でも描かれている「正義の名の下に遠方から石を投げる娯楽」行為でしかないと。そして、結果は何も救われない。一時の溜飲が下がるだけ。さらに石を投げる相手を探してウロつく野蛮人にしかならない。 何より、このマンガの犯人も実は・・・ まだ単行本1巻しか出ていませんが、非常に気になる面白さなので、ぜひ皆さんも読んでくださいませ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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