お笑いタレントのビートたけし さんのエピソードですが、自分がまだまったく売れない芸人だった頃、それこそ爪に火をともすような生活をしていた時に「いつか銀座の高級クラブで一晩に100万とか使って豪遊してやる」という夢を持っていて、そして売れっ子タレントになり、実際に大豪遊した帰り道、タクシーでちょっとコンビニで買い物をしたときに、そこに売っていたホウレンソウのおひたしが一パック300円という価格に「こんなのぼったくりだろう!」と激怒した、というエピソードがあるそうで。
この話を聞いたときに、本当の価値観のわかる人というのは案外こういう人かもしれない、と。この人は下から上にそれこそ苦労と実力で這い登った。だから100万円の豪遊の価値も、300円のおひたしの価格も知っている。
別の芸人エピソードで、極貧で毎日カップラーメンをすすっているような生活をしている若手芸人にも、普段は貧乏しろ、そして、その中でも10円、5円という小銭を溜めて半年とか一年に一回でいいからいい鰻とか、一流のすき焼きを食べろ。それが芸の肥やしになるし本当の贅沢ってことだ、という話が。
贅沢というのは非日常です。だから、普段から高い食べ物を食べていたり、よい家に住んでいる人にはその価値がどれほどすごいのかわからない。だからこそ、他人の贅沢を羨んでひがんでみても変わらない、年に一回でもいいからそういう贅沢を味わえることをするのが、贅沢を堪能出来る人なんだと。
本当の贅沢とは価値のわかるものにしかわからない
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