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今年のゲーム業界で個人的に衝撃を受けた事件の一つが、アメリカの大手パブリッシャーTHQ倒産、という情報で。
ちなみに日本ではこのTHQという会社、ほとんど知られていませんが、アメリカではそうですね・・・日本のコナミとか、バンダイナムコに当たるほど大きな会社です。 倒産した理由はいくつかありますが、一番大きな要因は自社で作ったタブレット(ハード)の失敗と、ソフトにかける開発費の高騰による慢性的な赤字という。 なにしろこの会社はそれこそ出せば200万本確実の人気シリーズソフトを何本も持っている、にもかかわらず赤字であったという、日本の開発規模と比べたら訳がわからない作り方をしていまして。 ちなみに、ここだけではなくアメリカで最大手のパブリッシャーと呼ばれるEAという会社も5年以上連続で赤字とか・・・これはある意味「恐竜の肥大化の果て」みたいな、進化論の歴史をなぞる形です。 アメリカの場合、日本と違ってパッケージソフト市場に1万、5万、10万という規模の作品が非常に少ない、というか、これもアメリカ型商法の弊害なのですが、大手パブリッシャーが小売店の棚を契約で買い取ってしまう、それによって話題作しか店頭に並ばせない、また、CMをばんばん打つ広告費もすさまじく、開発費以上に宣伝費がかかる、という状況。これによって小粒作品やアイデアが光る作品が出にくい、そういう状況だから開発スタンスも売れ線の、いわゆるミリタリーTPSとか、映画のタイアップ作品、人気スポーツのゲーム化作品といったものしか企画が通らない状況。しかも、その一本に莫大な開発費がかかるから、売れなかったら一発で倒産みたいな。 私はアメリカの大手の会社とも開発者として仕事をした事がありますが、聞いた話だけでも金のかけ方がちょっと異常でした。バスケットコート2面分もあるような広いキャプチャースタジオに役者の実寸に合わせたセットを作り、そこで役者を大勢使ってモーションキャプチャーの撮影とか。舞台の町をエリアごとに区切って、それぞれ別のCG会社に発注とか。 なんだか、ゲームを作る、というやり方は幾通りもあっていいと思うのですが、「そうじゃないと売れない」という脅迫概念に取り付かれた結果が、今回破綻したTHQに象徴されます・・・ 少なくとも私は、HDも携帯ゲーム機も、モバイルもそれなりに市場としてやっていけれている、そういうソフトが売れる土壌がある選択肢がある日本の方が生き残る気がします。 日本のゲーム市場を「ガラパゴスだ、閉鎖的だ、世界に通用しない」と言っていたアナリストの皆さん、日本がガラパゴスなら、アメリカは強いものしか生き残れない、その強いものもいつ倒れるかわからない「修羅の国」ですよ・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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