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2013.04.16
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 私はプロレスファンではありません。が、仕事でプロレスゲームに関わった期間が長かった、という特殊な立場からの意見なのですが。

山田邦子の「ギブUPまで待てない」 の収録に行った

 この番組は私も見た経験がありません。知っているのは「最狂超(スーパー)プロレスファン烈伝」という、当時すでに下火であったプロレスとそれを強烈に愛するファンの日常を描いたギャグ漫画で。その中で「プロレスファンにとっては屈辱的な番組」として語られていたのを知っている、というものです。

 このリンク先のお話では、中でかかわった熱心なプロレス好きにとってもやはり「こういうものがプロレスをダメにする!」と憤りの激しいものであったのだと思います。

 で、思ったのは「こういうファンが多い、だからプロレスというのがあれほどメジャーだったジャンルからマイナージャンルに転落したのではないか」ということ。

 少なくとも「プロレスファンにとっては屈辱的」な番組であったのに対し、プロレスに関心がない、よく知らない人間を取り込もうと作った番組にさえプロレスファンが「愛ゆえに」ダメ出しを続ける。こういうものが広まってはいけない!と。

 しかし、マニアが喜ぶことが一般人についていけないことを理解していないと、マニアの楽園を作ること=最高の環境 となり、結果初心者が全く入ってこられない、興味すら持たれない状態に陥る。

 これは何年か前にゲーム市場で任天堂が「このままでは市場が縮小されるばかり」という危機感を持ち、DSやWiiといったもっと気軽に、わかりやすいゲームを打ち出したことで国内のゲーム市場が盛り返したことにも似ていますが。その際も「こんなのゲームじゃない!」という意見は旧来のゲームファンからたくさんあげられました。それに近いことはソーシャルゲームの台頭とそれに対する反発にも言えますが。「(娯楽産業にとって)最大のライバルは無関心」という岩田社長の言葉が響きます。

 以前、国内プロレスをもっと盛り上げるには?という社内での雑談をした際に「アメリカのWWEのようにドラマ形式の面白さを取り入れては?」という意見に対してプロレスマニアのスタッフが「それでは国内プロレスの良さがなくなってしまう、日本の真剣勝負的なストイックさが~」を聞いたとき、「あれ?たしか人気があったころのプロレスってそれまで悪役にやられていた善人レスラーの怒りが8:45に爆発して大逆転が起きるよね」と思ったことがありまして。

 熱心なファンが壁を作り、それが本来求められる「ファンの新規拡大」を阻害しているんじゃないかと、そう思う次第。





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最終更新日  2013.04.16 12:51:07
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