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かぐや姫の物語、作品として、単純に観客としての感想は「すばらしい!」の一言です。が、一緒に映画を見に行ったアニメーターの方とお互いため息をつきながら語ったのは「すごいけど・・・アレの制作にはかかわりたくない・・・」
なんというか、これは自分がゲームの作り手であり、同時にコストとか納期といったものを常に意識しつつクオリティーをコントロールする立場にあるからこそ出る感想だと思うのですが。 少なくとも他人の作品一作に7年も関わり続ける、というのは私には耐えられない気がする・・・これが自分が主導権を持っている、たとえば自分でやっている同人ソフトのようなものであれば楽しめるんです。が、生活の糧を得る仕事として、そしてそれを他人のお金(この場合は出資者のお金)を湯水のごとく使って~なんてのは私はそのプレッシャーに耐えられない。また、単なるスタッフであったとしてもあのような気の遠くなる作業を7年も延々と続けるのは怖いなんてものじゃない。自分の場合、ゲームつくりなので畑は違いますが、一本制作に2年を超えるものは相当つらい。 ジブリの鈴木プロデューサーがインタビューで「宮崎さんも高畑さんも金を湯水のごとく使う天才だ」と言っていましたが、本当にそう思う。少なくとも私にはそんな度胸も、技術も、信頼もない。 かといって自分を卑下はしません。自分のやりたい、作りたいゲームはそっちのタイプではない、歴史に残るようなものではなく、でも、買ってくれた人が一時でも楽しんでくれるものが作りたい。アニメの世界ももっと安価に作っても皆が喜んでくれる作品はいくらでもあり、むしろこの作品が「異常」であることを忘れちゃいけない。 そういう意味ではあの作品は「自分では絶対に関わりたくない」作品でもあり。他人事として客席から見ていたい、そういう天才の仕事です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013.12.16 11:16:02
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