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読書記

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2010.06.22
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ぼんくらで書いていたように、ものの見事に『日暮らし』を読むにあたり『ぼんくら』を再読することになった、罪な作家ですね、宮部さんという人は。

『ぼんくら』の結末は行き着くところ『世間とは清濁併せ持つ』ということで、この結末になんとなく腑に落ちずにモヤモヤで終わってしまっている。
自分自身を客観的に見つめれば、私が物語に求めているものの一つに犯行者は裁かれるべきだし、善人には幸せをもたらすべきだという勧善懲悪が挙げられる。
(腑に落ちないだけで不満に思っているわけではない)

さて、この日暮らしでは。
上巻、まず4編の短編が連なる。
『おでこ』こと三太郎が大人の汚い世界の洗礼を浴び、そこから再生するもの
佐吉の母『葵』と佐吉の継母『おふじ』の因縁が『佐吉』と『お恵』の夫婦愛にヒビを入れるが、妻は事実と憶測を取り違えから再び夫婦の愛を再生させるもの
ストーカー被害に悩むお六と二人の娘の暮らしを佐吉の母『葵』が再生させるもの
前作ぼんくらで最も深い心の傷を負ったであろう『お徳』が彼女らしいたくましさを取り戻すもの。
(私の中で『お徳』は森三中の村上サンがもう少し年増になったイメージなのだ)
そう、下巻の解説で書かれているのだが、この四編ともキーワードは『再生』にあるんだろう。
つつましく生きる庶民(それは自分自身の姿に置き換えて読む人ばかりではなかろうか)が他者の悪意から遠いところで毎日を過ごせればいいナというなんてこともない願いを再確認しながら、読み手の日常を再生させることに繋がるのだろうではなかろうか。

そして同時に烏の官九郎がアッサリ死んでしまっているのを筆頭に、取り戻したくても取り戻せない『命』の尊さを高らかに謳いあげ、命の素晴らしさが散りばめられているように感じる。


・おまんま
・嫌いの虫
・子盗り鬼
・なけなし三昧

【お薦めしたい方】
  (1)おせっかいを焼くことが大好きな方
  (2)平々凡々な毎日のありがたさを忘れていらっしゃる方
【お薦めしない方】
  (1)ストーカー被害に悩んでいる方
  (2)男に貢ぐ人生を送っていらっしゃる方







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最終更新日  2010.06.23 00:23:22
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