|
カテゴリ:2★アート・映画・演劇
今更ながら「西の魔女が死んだ」のDVDを観ました。
原作はかつて読んでいたのですが、原作の静けさをそのままに、 丁寧に画像に溶かし込んだこの作品に脱帽しました。 なんという繊細さ。 壊れやすい大切なものを、最大限に尊重してフィルムに焼き付けた、 ほんとうに素晴らしい作品でした。 tomokoが観る、数秘的映画鑑賞シリーズ、第一弾!として、 今回はこの「西の魔女が死んだ」を取り上げてみようと思います。 数秘的、数のエネルギーに、私なりに例えれば、これは「11」の映画! 繊細で豊かな感受性、直感の取り扱い、本当のしなやかな強さ、そして、 人それぞれに、本来の自分として楽に生きられる居場所を自分の意志でみつけること…。 「11」の人は、生まれながらにして繊細な感受性を持つ故に、 この荒い現実を生きにくい人々の象徴でもあると私は常々感じています。 その現実への抵抗感は、例えば、アトピー、喘息、アレルギー、 パニック障害、対人恐怖症、ひきこもりなどの現象となって、 特に、若く純粋な感性を持つ人々を苦しめます。 でも、その揺れやすく繊細な人たちにも、居心地良く生きられる場所が必ずある。 その苦しみの経験の後にやってくる“試行錯誤”にこそ、強く生きるヒントがある。 そう、私個人は感じています。 リンクする、物語の中のおばあちゃんのこの言葉。 「自分が楽に生きられる場所を求めたからといって後ろめたく思う必要はありませんよ。 サボテンは水の中に生える必要はないし、蓮の花は空中では咲かない。 シロクマがハワイより北極で生きる方を選んだからといって、誰がシロクマを責めますか?」 自分なりの居心地のいい場所は、自分で見つけるしかない。 「11」は足すと「2」になり、揺れやすく優柔不断で依存的な面も併せ持っています。 しかし「11」は「1」でできているので、“自分の足”でしっかり立って、 足掻きながらも、自分の力で模索していくしか方法はないのです。 それはおばあちゃんの、この言葉に象徴されます。 「喜びも希望も、もちろん幸せも、何でも自分で決める」 それが魔女だと。 このお話しは、繊細で瑞々しい感性ゆえに、上手く学校になじめなくなり、傷つき、 不登校になった中学1年生の主人公・まいが、西の魔女と呼ばれる祖母の森の家で、 初夏の一ヶ月を過ごす物語。 おばあちゃんが教えてくれたのは、魔法の使い方ではなく、魔女になるための基礎訓練。 早寝早起き 自分で1日の生活のスケジュールを決めること 皿洗い 掃除 洗濯 農作業 ジャム作り… 魔女の素晴らしい直感力を養う基礎となるのは“生活の足腰”を鍛えること。 数字のエネルギーで言えば「4」でしょう。 木を切り水を運ぶ、あたりまえの普通の生活を大切にすること。 焦らず、一歩一歩積み重ねること。 季節のちょっとした変化に、ゆったり心を添わせていくこと。 身体で“体感”する経験を尊ぶこと。 自分のくつろぎの居場所を、自分の内側にしっかりとつくること…。 そして、映画全体を包むのは、慈愛を表す「9」というエネルギー。 無条件に愛するということの姿を、言葉以外で見せてくれます。 そして、脚本も手掛けた、監督の長崎 俊一さん。 軌道数36/9というから納得です。 監督というのは、全体の空気感を支配する、宇宙のような働きをすると思います。 私は「9」の人が抱擁する、慈愛に満ちた世界観が好きなんだなー。 情を離れた、全体を包み込むような愛。 一見、突き放したようにすごくクールに見えるかもしれないけれど、 常に生の向こうに死を見ているから、生きる事の凄さを痛いほど知っている。 その無言の後姿に憧れます。 「11」の物語に興味のある方は、過去ブログの「マスターナンバーの物語」を、 「4」の物語に興味のある方は「4の物語」を、 「9」の物語に興味のある方は「9の物語」をお読みください。 映画に写し取られた、美しい自然や鳥の声、風の気配も秀逸。 映画のロケ地は、山梨の清里で行われたそう。 清里高原キープ協会が”おばあちゃんの家”を現在管理しているそう。 今年の公開は未定だとのこと。 キープ協会には、山梨でペンション・やすらぎを営む親友・chiakiの案内で、 星野道夫さんを偲ぶ読書会に参加させてもらったり、という想い出もあり、 あのあたりは10代から毎年何年も通い詰めている、大好きな土地です。 西の魔女である、おばあちゃんを演じたのは、サチ・パーカーさん。 静かで品のある深い佇まい、手のぬくもりが伝わってくるような表現が、 しみじみ、とても美しかった。 tomokoが観る、数秘的映画鑑賞、いかがでしたか? 素敵な映画を観たら、第二弾としてまた書こうと思います。 気長にお楽しみに! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.02.11 10:31:50
[2★アート・映画・演劇] カテゴリの最新記事
|