【缶コーヒーのおまけ】ロータスコレクション LOTUS Elise SC
LOTUS Elise SC (2008~倒産の危機に瀕したロータスが社運を賭けて開発したエリーゼは、画期的なアルミニウムシャシーを掲げて1995年のフランクフルトショーで華々しくデビューした。慣習的なリベット止めを用いないシャシーは大いに注目を集め、翌1996年のデリバリー当初より大量のバックオーダーを抱えることとなる。初期ロットで実に690kgと軽量なことに加えF1コンストラクターとしても活躍した技術を随所に散りばめられたエリーゼはハンドリング面で非常に高い評価を得、順調に生産を重ねた。エンジンのバリエーションやエキシージと呼ばれるクローズドクーペクーペモデルの追加などを受けつつ2001年ビッグモデルチェンジ マイナーチェンジを果たし、フェイズIIへと進化した(海外では、Mk1/Mk2やS1/S2等と呼称される)。また2004年にはトヨタよりエンジンの受給を開始し、さらなるグレードの拡大を図っている。更に2010年には再びフェイスリフトを行い、またトランスミッションを5MTから6MTに変更した。エスプリの生産が終了した今、名実共にロータスの屋台骨となるモデルであるとなっている。エリーゼはEで始まるロータス伝統の名前が付けられているが、その出自は当時のロータス株主であったブガッティの会長ロマーノ・アルティオーリの孫娘の名前「エリーザ」に由来している。アルミニウムシャシーは慣習的なリベット止めとはせずに航空機製造用のエポキシ系の接着剤で固定されており、剛性確保や組立て精度向上とともにシャシー単体で68kgと軽量化にも寄与している。初期ロットのエリーゼは軽量化のためエンジンベイ、リヤハブキャリアもアルミで作られている。またブレーキローターまでも量産車初のアルミ(メタルマトリックス)ディスクを使っていた。1998年以降のロットにおいてはアルミディスクの供給会社が倒産したため通常のスチールに変更されたほか、その他のアルミ部品も鉄もしくはFRPに変更され少なからず重量が増加しているエンジンはリアに横置きミッドシップマウントされ、後輪を駆動する。サスペンションはフロント/リアともにスポーツカーの王道とも呼べるダブルウィッシュボーン。ボディは総FRP、幌は布製で折り畳み式ではなく手動での脱着式。オープン時はタルガトップ形態となる。二座式。基本となるのはローバーが供給する1.8LNA直列4気筒(DOHC、形式名は18K。Kシリーズと呼称される)。1998年にVVCと呼ばれる可変バルブタイミング機構を備えたラインナップが加わった。さらに2004年には同じく1.8Lの排気量を持ち米国のをクリアするトヨタ製のトヨタ・2ZZ-GEエンジンVVTL-i搭載)を追加、3種類のバリエーション展開となった。基本グレードをスタンダード、VVC付きを111、2ZZ-GE搭載型を111Rという名称にしている。外見上の識別点はマフラーがKシリーズはサイドツイン出し、2ZZ-GEがセンターツイン出しとなっていることである。またリアディフューザーがスタンダードはシングルピース、111以降のモデルはスリーピース構造となっている。ローバー破綻の影響を受け従来のKシリーズエンジンの供給が打ち切られたことから、次期スタンダードエンジンとしてトヨタ・1ZZ-FEエンジンが選ばれた。可変バルブタイミング機構はVVT-i。マフラーは2ZZ-GEと同じくセンターツイン出し。ディフューザーはスリーピースのみとされている。2ZZ-GEが高回転志向なのに比し1ZZ-FEは低回転重視となっているため、そのスペック差は常用域では表れない。これにより、現行エリーゼシリーズに搭載されるエンジンは全てトヨタ製となった。スペック 18K4F供給元/ROVER 90kw(122ps)/5,600rpm 168Nm(16.8kg/m)/4,500rpm18K4K(VVC付)供給元/ROVER 116kw(156ps)/7,000rpm 174Nm(17.7kg/m)/4,500rpm 可変バルブタイミング機構付き1ZZ-FE供給元/TOYOTA 100kw(136ps)/6,200rpm 172Nm(17.5kg/m)/4,200rpm 可変バルブタイミング機構付き2ZZ-GE供給元/TOYOTA 141kw(192ps)/7,800rpm 181Nm(18.5kg/m)/6,800rpm 連続可変バルブタイミング・バルブリフト機構付き2011年モデルとしたマイナーチェンジにともなって1.6Lエンジン、トヨタ製1ZR-FAE型(136ps/6800rpm、16.3kgm/4400rpm)が追加された。バルブマチックシステム(可変バルブリフト機構)とデュアルVVT-i(連続可変バルブタイミング機構)を備える、従来型1.8Lエンジンに比べて、燃費は23%以上も向上(欧州の複合モードで16.2km/リッター)しているという。2007年10月から開催されている東京モーターショーで2008年モデルとしてプレミアされた、エリーゼのハイパフォーマンスグレード。かねてよりエリーゼシリーズに搭載されている2ZZ-GEをロータスが設計しイートン製ローター(M45ユニット)を使用するスーパーチャージャーで過給しており、220psを発揮すると謳われている。最大の特徴は過給器を備えながらもインタークーラーを持たないことで、これにより後方視界がスポイルされることなくエキシージSに迫る加速を味わえることになる。外観上の特徴は、新たに設計されたリアスポイラーとアロイホイール。出力の向上に対応するべく、リアタイヤは8Jへとサイズアップされる。車重は903kg、0~100km/h加速は4.6秒であり最高速度は242km/hとなる。こう見てみるとエリーゼはロータスの中では最も息の長いクルマのひとつなんですねーー他のスーパーカーに比べると、ボディも小さくシャープなラインですし、その中には200ps前後のエンジンがミッドマウントされるのですから、こんなに動力性能の優れた車は他にないでしょう。アクセルオン・オフでクルマの向きが変わるなんて爽快でしょーね。