2010年5月3級学科試験 (2) ライフ「6つの係数(資本回収係数)」
独学 3級FP技能士 試験 解説 中野克彦 なかじまともみ 田中尚実(2) 資本回収係数は,現在保有している資金(元金)を一定の利率 によって複利運用しながら毎年一定金額を一定の期間にわたり 取り崩していくときの,毎年の取崩し金額を計算する際に利用 することができる。 解説者:田中尚実 (キャリアコンサルタント、CFP(R)、1級FP技能士)(2) 正解:○ 【6つの係数(資本回収係数)】現在の資金を一定の利率で複利運用しながら、一定の期間にわたり取り崩していくときの金額を計算するには、「資本回収係数」を使います。【過去の出題】2010年1月3級学科試験 (31) 「6つの係数(終価係数)」2009年9月3級学科試験 (31) 「6つの係数(年金現価係数)」2009年1月3級学科試験 (31) 「6つの係数(年金終価係数)」2008年9月3級学科試験 (31) 「6つの係数(終価係数)」2008年5月3級学科試験 (32) 「減債基金係数」2008年1月3級学科試験 (34) 「年金終価係数」2007年9月3級学科試験 (2) 「年金現価係数」2006年9月3級学科試験 (3) 「資本回収係数」「係数」には次の6種類があります。 1.終価係数 2.現価係数 3.年金終価係数 4.減債基金係数 5.年金現価係数 6.資本回収係数今回出題されたのは6番目の「資本回収係数」です。資本回収係数とは、現在の金額を一定の利率で複利運用しながら、一定の年数で取り崩した場合、取り崩し額はいくらになるか、という計算をするときに用いるものです。例えば、現在手元にある1,000万円を利率2%で複利運用しながら、5年間で取り崩した場合、毎年の取り崩し額はいくらになるのか? というときに使います。 1,000万円 ÷ 5年間 = 200万円ですが、「利率2%で複利運用しながら」なので、1年あたりの取り崩し額は200万円よりは少し多くなりますよね。それを簡単に計算するために「資本回収係数」を利用するのです。各係数ごとに、運用利率、運用年数からなる係数表があり、もとになる数値に乗じて計算します。資本回収係数の係数表を抜粋すると以下の通りです。 <資本回収係数表> ┌──┬───┬───┬───┬───┬ │ │ 1%│ 2%│ 3%│ 4%│ ├──┼───┼───┼───┼───┼ │1年│1.0100│1.0200│0.0300│ │ │3年│0.3400│0.3467│0.3535│ │ │5年│0.2060│0.2121│0.2183│ │ │7年│0.1486│0.1545│0.1605│ │ │9年│0.1167│0.1225│0.1284│ │ │10年│0.1055│0.1113│0.1172│ │ │15年│ │ │ │ │上記に上げた例は、「2%で5年間」運用しながら、なので「0.2121」を使います。計算式に代入すると次のようになります。 ┌──────────────┐ │ 1,000万円 × 資本回収係数 │ └──────────────┘ ↓ 1,000万円 × 0.2121= 約212万円2%の利息が5年間つくことになるので、200万円より12万円増えた金額が取り崩し額になるわけです。6つの係数に関する問題は、「こういう場合には、どの係数を使うか」?という聞かれ方をします。試験直前にはそれぞれの係数につき、しっかり暗記しておくことが必要です。6つの係数については頻繁に出題されるので、確実に正解できるようにしておきましょう。────── COPYRIGHT (C) 2010 Naomi Tanaka All Rights Reserved. ──────