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フリーバード・時価旅スタッフの何でも旅行記Part.2

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[スイス] カテゴリの記事

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スイスの夏休み(13)　ビジネスクラスで帰国

　楽しかった旅もいよいよ大詰め。　スイスインターナショナルエアラインズで、ジュネーブ空港から、チューリッヒ経由で帰国します。　ジュネーブ空港は、ジュネーブの駅から列車で10分程度の距離です。チューリッヒ同様、街に近くて便利です。こちらは終着駅なので、乗り過ごしてしまう心配もありません。　帰りはビジネスクラスを利用しました。　スイスインターナショナルエアラインズの航空券は、片道エコノミー、片道ビジネスで購入することもできます。　ビジネスクラスのシートは、170度のほぼフラットのリクライニング。旅の疲れを残さず、ゆったりと過ごすことができます。パーソナルテレビもありますが、あまりの寝心地のよさに、テレビの必要性すら感じませんでした。　スパークリングワインも、チョコレートも、エコノミークラスよりもずっとリッチな感じで出てきます。エコノミーでも満足だったのですが、やっぱり違いますね…。しかしスイスインターナショナルエアラインズにはファーストクラスも。上には上があります。　食事はコース料理なので、もちろん1皿ずつ出されます。うーん、ビール飲んでる場合じゃないな。　おなかいっぱいなので、デザートへ。　この日のメニューはこちらです。　朝食は、ワゴンから好きな物を選びます。起き抜けにはあまり食べられないので、これぐらい。ガッツリいけるひとは、もっと食べてくださいね。　ゆったりした座席でぐっすり眠っているうちに、あっという間に成田に着きました。　さぁ、次は、いつ、どこに行きましょうか。　ヨーロッパのどこかの街でお会いしましょう！　

2009.07.19

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スイスの夏休み(12)　スイスの美味しいもの

　今回は、スイスで食べた美味しいものを紹介します。　まずは定番、チーズフォンデュです。日本のお店では、パン以外にいろんな野菜をつけて食べることが多いですが、スイスではパン一本勝負。ワインでも飲みながら、ゆっくり楽しみましょう。でも、あまりゆっくりしてるとチーズが焦げてしまうので…。なんとなくせわしなくなってしまいます　赤いほうはトマトフォンデュ。トマトフォンデュのほうは、丸ごと蒸したホクホクのジャガイモをつけて食べます。　基本的に、最初から最後まで、ずっと同じ味が続くので、このように2種類ぐらいの味を用意しておくのがよいかも。　なお、一人前だけで注文できる店は少ないので、一人旅の時はパートナーをみつけて店に入りましょう。「一緒にチーズフォンデュを食べませんか?」で新たな出会いがあるかも。私も、こうして今の妻と出会いました。（嘘）　スイスといえば、やっぱりチーズ。こちらはツェルマットのホテルの朝食の一部です。いろんな種類のチーズの中から、自分で好きな物を切って食べます。朝からワインを飲みたい気分に。　こちらは、アヌシーで食べた、ムール貝のワイン蒸し。日本で言うところの、あさりの酒蒸しみたいなもんです。ムール貝とか、カタツムリとか、ややもすると悪趣味に思えるものを、美味しく出してくれるフランスは、やっぱり美食の国。素材勝負のスイスとの違いがクッキリ。　こちらは、ジュネーブのスパゲティ専門店「スパゲティファクトリー」。以前の旅行で見つけたお店なのですが、もうすっかりお気に入りです。サン・ピエール大聖堂の近くにあります。　スイスでスパゲティを食べると「ゆで過ぎ」に出会ってしまうことが多いのですが、ここのお店はほどよい硬さ。メニューも豊富で、毎日昼と夜に通ってもいいぐらい。　ヨーロッパに行くと必ず食べたいのが、このスープ、「グラーシュ」です。パプリカのきいたビーフシチューといった感じのスープです。ハンガリー生まれの味ですが、ハンガリーだけでなく、オーストリア、ドイツ、スイス、チェコなどでは、だいたいのお店に置いてあります。「これを食べるためにヨーロッパに行く」と言っても過言でないぐらいの美味しさなので、これがない国にはなかなか行けません。スイスだと、ちょっと塩辛いのを出すお店が多いので、パンを多めにもらって、グラーシュとパンとビールだけで食事を完結させるぐらいがちょうどいいかと思います。　そして主食はやっぱりビール！　コメがない国では、やっぱり栄養を麦芽からいただかないといけませんよね。　ハイネケンの缶ビールに、UEFAチャンピオンズリーグのシリーズがありました。各年度ごとの決勝のスコアがプリントされています。　次回は最終回、日本への帰国便です。　

2009.07.17

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スイスの夏休み(11) アヌシー

　旅行開始7日目。今日はスイスからすこし飛び出し、フランスの小さな街、アヌシーへの日帰り旅行をします。　アヌシーは、ジュネーブからバスで約1時間半のところにあります。列車でも行けなくはないですが、乗り換えの効率が悪過ぎて、ちょっとおすすめできません。　バス代は、往復で33フラン。ユーロで支払う場合は22ユーロでした。　ジュネーブのバスターミナルの建物は改装工事中で、オフィスは仮設のコンテナ倉庫みたいなところにありました。ここで切符を買います。　バスの運転手は、お客そっちのけで、出発前までずっと窓の外の女性とおしゃべりをしていました。みんな、「切符は見せなくても大丈夫かな?」という表情で、おそるおそる席についていきます。　出発時刻になると、運転手さんは「みんな、アヌシーまでの切符は持ってるかい? それじゃあ、行くよ。」みたいなノリでバスを発車させました。　アヌシーは、アヌシー湖という湖に面した街です。アヌシー湖は、「ヨーロッパで最も透明度が高い湖」と言われています。エメラルドブルーの湖水、あちこちに飾られた鮮やかな花、フランスにもこんなにいい所があったんだ!　このおねえさんの呼び込みに負けて、遊覧船に乗ることにしました。船の名前のL'ARC EN CIELも気になったので。なお、L'ARC EN CIELというのは、空のアーチ、すなわち虹のことだそうです。　遊覧船で、さぁ、出発。遊覧船と言っても、モーターボートのようにかなりのスピードが出ます。見どころではスピードを落としてくれます。時間はたっぷり1時間。お兄さんの生解説つき。フランス語と英語なので、何を言ってるのかはよくわかりません。時々聞こえる「キャッスル」とか「シャトー」とかの単語に頷くぐらい。　わーい、お城だー! …と、思わずはしゃいでしまう楽しさです。お揃いの帽子は、船から貸し出しされたもの。私もかぶりました。　遊覧船の後は、運河に沿って散策します。　運河沿いの美しい景色は、「フランスのベニス」と言われるほど。もう「ナントカのベニス」とか「ナントカのローマ」は聞き飽きた、とおっしゃるかたもいるかもしれませんが、狭いエリアに限れば、なるほど、確かにそう呼べる美しさを持っています。　花があちこちに咲いているのを見ると、この季節に来てよかったと思います。　次回は、スイス・フランスで出会った美味しいものを紹介します。

2009.07.15

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スイスの夏休み(10)　ジュネーブ

　ツェルマットで4泊した後、列車でジュネーブに移動しました。　駅から外に出ると、喧騒にびっくりします。パリやミラノに比べれば、ずっと小さな街ですが、山から下りてきた身にとっては、あまりに人が多く、車が多く、体がなかなか順応してくれません。　山にいた時は、シャツを2枚着て、フリースを着て、セーターを着て、アウターを着て、ヤッケを着て、手袋をはめて、毛糸の帽子をかぶっても、まだ寒いことがあったのに、急に真夏になり、半袖でも暑いぐらいです。　街のメインストリートを歩き、モンブラン橋を渡ります。この橋は、ちょうどレマン湖からローヌ川が流れ出る場所にかかっています。ローヌ川はフランスに入り、リヨン、ヴィエンヌ、アヴィニヨン、アルルなどを経て、地中海に注ぎ込みます。あの「アヴィニヨンの橋」ことサン・ベネゼ橋のところを流れている川と同じ川というわけですね。…こうして、上流の街や下流の街に思いを馳せ、「次回はあそこに行きたいな」と思うことで、旅は果てしなく続くのです。　レマン湖には、巨大な噴水が上がっています。しぶきの横には虹がかかっていました。　ジュネーブといえば、やっぱりこれですね。夏は、ちゃんと花壇が整備されていてきれいですが、オフシーズンは緑一色だったり、模様がグダグダだったりします。　では、サン・ピエール大聖堂に入ってみましょう。　ヨーロッパ旅行といえば、教会の見学は欠かせません。建築、美術の粋を集めていて、土地の文化を体験できて、入場料はタダ。暑い日は涼をとることもできるし、喧騒から一時逃れることもできます。　教会に入る時は、次のことに気をつけましょう。(1)お祈りをしているの人の邪魔をしない。私語はつつしむ。(2)飲食物は持ち込まない。ペットボトルもかばんにしまっておく。(3)露出の多い服装をしない。（肩、脚は隠しましょう。）(4)フラッシュ、三脚は使わない。撮影自体も禁止されている場合は、それに従う。(5)同行者が興味を持っているのに、自分はたいして興味を感じない場合は、黙って入口で待つ。　うーん、萌え。この柱と壁と天井の感じが何とも言えません。　4フラン払って塔の階段を登ることもできます。テラスからの眺めはこんな感じ。レマン湖も遠くまで見えます。　右の写真の丘のような山（サレーブ山）のはるか向こう側には、モンブランがあります。空気が澄んでいる日には、ジュネーブの街からもモンブランが見えます。（たぶん夏は無理です。）　次回は、ジュネーブからの日帰り旅行で、フランスの小さな街を訪れます。

2009.07.14

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スイスの夏休み(9)　「逆さマッターホルン」を撮る

　運が悪ければ、滞在中ずっとマッターホルンは完全に雲の中…ということもあるので、「ちょっとでも見られたら満足」と思って行くのですが、やはり人間とは欲深いもので、ちょっと見えるだけでは満足できなくなり、雲に全く邪魔されていない姿を見ないと気が済まなくなってきます。　やがて、雲に隠れていないマッターホルンの完全体を見られたとしても、今度は普通の姿では満足できなくなり…。　そんなわけで、人気の高い「逆さマッターホルン」と「朝焼けのマッターホルン」の撮影に挑んでみることにしました。　「逆さマッターホルン」は、水面にマッターホルンをうつしたもの。撮影できるのは夏から秋にかけてです。冬～春は、池が雪に閉ざされてしまうので、見ることができません。　有名なスポットは、スネガ～ブラウヘルト間のハイキングコースの途中にある、ライゼー、グリンジゼー、シュテリゼーの3つの湖。（名前は湖ですが、実態は池です）　そして、ゴルナーグラートの登山列車のローテンボーテン駅の近くにあるリッフェルゼーです。グリンジゼーとシュテリゼーは、そこそこ歩かないといけませんが、ライゼーとリッフェルゼーは、乗り物の駅に近いので、より手軽に訪れることができます。　まずは、スネガの展望台から少し下りたところにあるライゼーから。　これがライゼー。ハイカーたちがたくさん通過していきます。　さて、「逆さマッターホルン」の撮影の条件とは…。当たり前ですが、マッターホルンがちゃんと晴れていて見えることと、風が止んでいて、水面が波立たずに綺麗に反射することです。　そのため、午前中、それもできるだけ朝早くに行くことが理想的なのですが、午後でも撮れないことはありません。もし、撮影ポイントにたどり着いた時に、風が吹いて水面が波打っていたとしても、まだあきらめてはいけません。その場でじぃ～っと粘っていると、突如として風がやみ、水面が鏡のようになることもあるのです。何事においても、成功の秘訣とは、成功するまで粘り続けるということしかないのですね。　これがライゼーにうつる逆さマッターホルンです。右は、その近所にいた羊たち。　続いて、リッフェルゼーに挑んでみます。　リッフェルゼーは、ゴルナーグラートの一つ手前の駅。標高が高いので、6月でも月が残っています。雪解けの季節はぬかるんでいるので注意して下さい。　これがリッフェルゼー。うまくうつるかな～。　最初は、水面が波打っていて、全然うつりませんでしたが、やがて少しずつ穏やかになってきて…。　うつったー！！　奥のほうが、まだ波打っているので、もう少し粘ってみたのですが、この後また風が吹いてきて、全然うつらなくなってしまいました。　続いて、朝焼けのマッターホルンです。　朝焼けのマッターホルンが見られる条件は、マッターホルンの周りが晴れている事と、太陽が出てくるところが晴れている事。そして朝寝坊をしないことです。　マッターホルンだけであればツェルマットの村からでも見ることができるので、特に展望台に上がったりする必要はありません。（朝焼けの時間帯には、まだ交通機関が動いていません）　マッターホルン以外の山々の朝焼けも一緒に見るのであれば、ゴルナーグラートのホテルに泊まるか、あるいは早朝のツアーに参加するという方法もあります。（個人旅行でも、現地で申し込めます）　早朝のツアーは、夏の間、週2回実施されています。毎週火曜日に開催されるのがロートホルンの展望台に上がって、朝食を食べて下りてくるツアー。毎週木曜日には、ゴルナーグラートに上がって、朝食を食べて下りてくるツアーがあります。いずれも朝4時半に集合。始発前の特別運行の列車やケーブルカーなどで上がります。前日の夕方までに予約すればいいので、天気予報や体調と相談して参加してみてください。　ツェルマットの村で見るなら、マッターホルンビューのホテルに泊まって、ベランダから見るのが一番ラクです。そうでない場合は、村の真ん中を流れる川のあたりに見に行くのが定番です。マッターホルンがよく見える橋があるのですが、朝焼けが綺麗に見える日は、橋の上にぎっしりと人が集まります。　さて、ツェルマットには4泊したのですが、日の出の時間帯は、太陽の方が雲に隠れてしまうことが多く、朝焼けらしきものが見られたのは1日だけでした。　山の上の方が、赤く染まっているのがわかりますか？　このあと太陽が雲に隠れてしまい、またグレーの山に戻ってしまいました。

2009.07.13

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スイスの夏休み(8)　シュヴァルツゼー・パラダイス

　乗り物で行ける場所の中で、マッターホルンに最も近づける場所。それが、シュヴァルツゼー・パラダイスです。　マッターホルン・グレーシャー・パラダイスに行く時と同じルートで、フーリまでゴンドラリフトに乗り、そこでさらにゴンドラリフトを乗り換えて、シュヴァルツゼーまで上がります。　ゴンドラリフトだけで行けるので、（行列ができていなければ）待ち時間なしでどんどん行けてしまうのがいいところ。6人ぐらいまでの少人数のグループにはおすすめです。　シュヴァルツゼーとは、ドイツ語で「黒い湖」という意味。湖というには小さすぎますが（池ぐらいの大きさです）、確かに黒っぽい湖があります。ここは山々の大パノラマを楽しむ展望台ではありませんが、湖の周りを散策して高山植物を見たり、より近くなって巨大になったマッターホルンの迫力を楽しんだりできます。マッターホルンに登る登山家たちにとっては、ここが登山のスタート地点になります。逆に、ハイキングや、マウンテンバイクでは、ここからツェルマットまで下りて行くコースがあります。　シュヴァルツゼーは魚もすんでいるきれいな湖です。冬は完全に凍って、雪に埋もれてしまうのですが、魚はどうやって越冬するんでしょうか。　湖のほとりには礼拝堂があります。ツェルマット周辺では、どんな小さな集落でも礼拝堂があったり、祠があったりして、この地方の人の信心深さが伝わってきます。　標高2584メートル。ちょうど高山植物が咲くのにいい環境なので、湖の周辺に咲く花々を見ながら過ごしました。　左のピンクの花はシレネ・アカウリス。岩場に張り付いた苔の仲間なのですが、初夏になると、びっしりと小さな花が咲くのです。苔に咲く花なんて、初めて見ました。　右は日本でもよく見るワスレナグサですが、高山のワスレナグサなので、茎も葉もほとんどなく、低い所にひっそりと咲いています。　どちらもリンドウの仲間です。左はゲンティアナ・コキアナ。別名エンチアン。アルプス三大名花のひとつにあげられています。（他の2つはエーデルワイスとアルペンローゼだそうです）　右はたぶんゲンティアナ・オルビクラリス。とっても鮮やかな青色の花です。　ちなみに、これがアルペンローゼです。アルペンローゼは、もうちょっと低い所、標高1800メートル前後あたりに咲きます。ちょうど森林限界ギリギリのあたりで、6月下旬あたりが狙い目。今年は少し開花が遅れているようで、かなり標高の低いところまで行かないと咲いていませんでした。　この写真は、別の日にトゥフテルンからツェルマットに下るハイキングコースの途中で撮影したものです。　さて、風光明媚なシュヴァルツゼーですが、ひとつ不満を上げるとすれば、湖のほとりからはマッターホルンが見えないということ。つまり、湖面にマッターホルンをうつした「逆さマッターホルン」を見ることができません。　そこで次回は、手軽に「逆さマッターホルン」を撮影できるスポットを紹介します。

2009.07.12

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スイスの夏休み(7)　スネガ&ロートホルン・パラダイス

　続いて紹介するのは、ロートホルン・パラダイス。　ツェルマットから、ケーブルカー、ゴンドラリフト、ロープウェーを乗り継いで上がる、標高3100メートルの展望台です。　まずは、ツェルマットからケーブルカーに乗って、スネガに上がります。このケーブルカーは地下を走っているので、景色は全く楽しめません。　スネガは、手軽に上がってこられる展望台なのですが、高さではやはり物足りなさがあります。でも、マッターホルンは北東稜を正面に眺められるため、とても美しく見えます。スネガからスタートするハイキングコースも多く、テラス席のあるレストランなんかもあり、充実したスポットです。ここからロートホルン・パラダイスに上がらず、スネガで引き返してしまう人も多いそうです。　スネガのレストランのテラス席。鉢植えのエーデルワイスが咲いていました。　スネガからは、ゴンドラリフトに乗り継いで、ブラウヘルトまで上がります。ブラウヘルトにもレストランがあり、開店前にもかかわらず、多くのお客さんが入口の前で待っていました。…と思ったら、お客さんではなく、羊でした。どうりで毛深いと思った。　ブラウヘルトで大きなロープウェーに乗り換えると、5分ほどでロートホルン・パラダイスの展望台に着きます。　ロートホルンの展望台は、ゴルナーグラートやマッターホルン・グレーシャー・パラダイスほど整備されていませんが、マッターホルンを正面に美しく見ることにかけてはナンバーワンの展望台です。あまり整備されていない分、他よりもほんの少しだけ、山男の気分を感じる事もできます。とはいえ、頂上にはちゃんとレストランもあります。　北東稜を正面にしたマッターホルン。この角度で見るのがいちばんバランスが良くて美しいですね。　ここでは、マッターホルンの左側の山々チームより、右側の山々チームの方が魅力的に見えます。ゴルナーグラート展望台とは、逆の感じです。ぜひ両方上がってみて、見比べてみてください。　展望台のまわりには「ピークコレクション」という散策コースが設けられており、ぐるっと一周、山の名前を確認しながら歩くことができます。これであなたもピークマニア！　では、180度ぶんぐらいのパノラマ写真で山々を紹介します。ブライトホルン↑　　　↑クラインマッターホルン　　　　　　　　　　　　↑マッターホルン　　　　　　　　　　　　↑マッターホルン　　　　　　　ダン・ブランシュ↑　　　↑オーバーガーベルホルン　　　　　　　　　　　　　　　ダン・ブランシュ↑　　　↑オーバーガーベルホルン　　　　↑ツィナールロートホルン　　　　　　　　　　　　　　　↑ツィナールロートホルン　　　　　　　↑ヴァイスホルン　標高はそれぞれ次の通りです　・ブライトホルン　4164メートル　・クラインマッターホルン　3883メートル　・マッターホルン　4478メートル　・ダン・ブランシュ　4357メートル　・オーバーガーベルホルン　4063メートル　・ツィナールロートホルン　4221メートル　・ヴァイスホルン　4505メートル

2009.07.11

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スイスの夏休み(6)　マッターホルン・グレーシャー・パラダイス

　次は、最も標高の高い展望台、マッターホルン・グレーシャー・パラダイスを紹介します。　ここは、クライン・マッターホルンという、槍ヶ岳みたいな形の山の頂上につくられた展望台。富士山よりも高い、標高3883メートルの場所にあります。　ちなみに、前回紹介したゴルナーグラートは標高3130メートル。モンブラン観光で訪れるエギーユ・デュ・ミディの展望台は標高3842メートル。ユングフラウヨッホは標高3573メートルです。　まずは、ツェルマットの村の南のはずれ、シュルーマッテンのリフト乗り場に行きます。ツェルマットの駅前から歩いて10分～15分ぐらいですが、電気バスでも行けます。電気バスも、ピークパスを買っていれば乗り放題です。　まず、6人ぐらい乗れそうなゴンドラリフトに乗って、フーリという所まで上がります。フーリで、100人乗りぐらいのロープウェーに乗り換え、トロッケナーシュテークまで上がります。　トロッケナーシュテークは、標高2939メートル。もうすっかり山の上です。ここで、さらにロープウェーを乗り換えるのですが、ここは単なる乗り継ぎ地ではありません。レストランもありますし、ぜひ途中下車して景色を楽しみましょう。　マッターホルンが最も鋭く尖って見えるのが、ここです。東斜面の真正面から見る形になります。右の写真はダン・ブランシュ。4357メートル。マッターホルンの右側に見える山々チームの中で、最もマッターホルンに媚びている感じのヤツです。　（左）モンテローザ。トロッケナーシュテークから見ると、ずいぶん遠くに感じます。いちおう、ここから見える山の中では最高峰。　（右）はるか遠くに見えるドームとテッシュホルン。左がドームで右がテッシュホルンです。遠くにあるので低く見えますが、ドームの方がテッシュホルンより高いです。　さあ、ロープウェーで上に上がりましょう。　マッターホルン・グレーシャー・パラダイスは、標高が高いだけあって、あまり激しく歩き回ると頭がクラクラします。　でも、早く展望台まで登ってしまいたい。ほかの人より先に登って、誰もいない頂上を楽しみたいですよね。　ここまで来ると、完全に雪の世界。もう草もコケも生えていません。　南東側から見たマッターホルンは、まるで別の山のよう。あの美しい均整の取れた姿はどこへ…。なんだか、見てはいけないものを見てしまったような気分です。　ゴルナーグラートでは、それぞれに熱演していた脇役たちも、どこか遠い存在のように感じます。　左は、ここではマッターホルンよりもイケメンになったヴァイスホルン。ついに逆転。おめでとう。右は、はるか遠くに見えるアルプス最高峰のモンブラン。ツェルマット周辺でモンブランが見えるのはここだけです。　やたら態度がでかくなったブライトホルン。ブライトホルンの頂上を目指して、雪上トレッキングをする人たちもいます。　さて、ゴルナーグラートと、マッターホルン・グレーシャー・パラダイスの2つの展望台。どっちがいいか、比較してみましょう。(1)ゴルナーグラートのほうが移動がラク。　ゴルナーグラートは、登山列車一本で行けるので、乗り換えなしで座って行けます。マッターホルン・グレーシャー・パラダイスは、乗り換えがあるうえ、ロープウェーでは座れません。(2)ゴルナーグラートのほうが展望台ですごしやすい。　ゴルナーグラートではホテルのレストランで、ゆっくりすごせます。ホテルのショップで買い物もできます。マッターホルン・グレーシャー・パラダイスは、展望台が狭く、天候が崩れると地獄のような寒さになります。(3)ゴルナーグラートから見る景色の方が美しい。　マッターホルンの形だけでなく、他の山々や氷河のうねりが美しく見えるのは、断然ゴルナーグラート。マッターホルン・グレーシャー・パラダイスは、より遠くまで見渡せる天上の世界を味わえるものの、各山々の個性が消されている感じがします。　…ゴルナーグラートの圧勝ですね。でも、標高3883メートルというのは日本では絶対に体験できないことなので、そういう意味では行っておくべきかも。　どちらか片方しか行く時間がないというのであれば、ゴルナーグラートをおすすめします。交通費もゴルナーグラートの方が安く済みます。

2009.07.10

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スイスの夏休み(5) ゴルナーグラート展望台

　ツェルマットから、登山列車に乗って、ゴルナーグラート展望台に上がってみましょう。　登山列車やロープウェーの値段は決して安くありません。ゴルナーグラード展望台の場合、ツェルマットから往復すると68フランもかかります。（1フラン=約95円）　「村からでもマッターホルンは見えるわけだし、村から歩くハイキングコースもあるし、高いお金を出して乗るのはもったいないなぁ」とか、天気の悪い日には「ちょっと天気が微妙だし、快晴の日を待って乗ることにしよう」とか、逆に天気のいい日でも「今日は天気がいいから上がったらさぞかし素晴らしい眺めだろうけど、すでに昨日上がって写真も撮ったしなぁ」とか、そういう気持ちが働いてしまう価格設定です。　今回の旅では、そんな気持ちを振り切るために、ツェルマット周辺のロープウェー、登山列車、ケーブルカーが乗り放題になる「ピークパス」を買いました。登山列車の乗り場で、すぐに顔写真入りのパスを作ってもらえます。4日間有効のものが208フランでした。　登山列車の車窓から見えるのはマッターホルンばかりではありません。近くに目をやると、ハイカーが歩いていたり、花が咲いていたり、羊が草を食べていたり…。6月ぐらいだと午前8時台でなければ車内はまだ空いていますので、右側の車窓を見たり、左側の座席に移動したりと、自由に動けます。　振り返ればマッターホルンが…。　途中、4つの駅に停車して、終点のゴルナーグラートに到着。マッターホルンの北東から東の方へと回りこんできたので、山の形が少し変わりました。　なお、登山列車の車内放送は、ドイツ語、フランス語、イタリア語、英語、日本語の順で行われます。　途中の駅にも、レストランがあったり、ハイキングコースがあったりするので、途中で乗り降りする人も結構います。それぞれ高度が異なるため、各駅ごとに違う景色や植物が見られます。　ゴルナーグラートには、ホテルがあり、そこのレストランではランチをとることもできます。好きなものを選んでレジに持って行ってお金を払う、学食形式のレストランです。　村では見られない、展望台ならではの景色。それは雄大な氷河です。　モンテローザから流れ出るゴルナー氷河。氷河は、温暖化の影響で年々短くなっているようなので、あるうちに行っておきましょう。　最後に、ゴルナーグラートの展望台を彩る、名脇役たちを紹介します。　（左）スイス最高峰、4634メートルのモンテローザ　ただし、山頂はイタリア領内にあります。ちなみにマッターホルンは4478メートル。こちらもやはり山頂部分はイタリア領です。くそぅ、イタリアのやつめ…。モンテローザは、いくつかの山の集合体で、ひとつひとつの山にももちろん名前が付いています。高い順に、白木屋、魚民、笑笑…ではなく、一番高いのが、右側に見える峰のデュフールシュピッツェです。パッと見た感じ、一番高そうに見える左側の峰は、ノルドエンド。4609メートルです。　（右）モンテローザのお隣さん、リスカム。4527メートル。ガイドブックに名前が載っているのでみんな知っているけれど、これといって華のない山。　（左）ポコポコッとした姿がかわいい双子の山。左がカストールで右がポルックス。それぞれ4226メートルと4091メートル。ツェルマット周辺で、最もラブリーな存在です。ポルックスの手前にある、ちょっと小さな山は、クライン・ポルックス。つまり、「小さなポルックス」。この子は3306メートル。ようやく富士山より低い山が出てきましたね。　（右）ブライトホルン。4164メートル。右の白いところが山頂です。山の標高は、岩石の部分だけでなく、万年雪がある場合は、氷雪を踏み固めた高さまでを測ります。ブライトホルンは、かなり雪で標高を稼いでるんじゃないかと思われる山です。人間で言うなら、シークレットブーツをはいているみたいなもんですね。　（左）あまり顧みられることが少ない、マッターホルンの右側に見える山々チーム。そのエース格が、このヴァイスホルンです。4505メートル。あえてマッターホルンから一番遠い所に陣取った彼は、「俺はヤツに比べたら鈍角かもしれないけど、これでもかなりとんがってるほうだぜ。標高だってヤツより高いしな」と、タバコの煙をふかしておりました。　（右）完全に雲の下に姿を隠してしまっている、ドーム。4545メートル。仮に晴れていたとしても、手前にあるテッシュホルン（4490メートル）の陰にかくれて、ほとんど姿は見えません。それでも「スイス国内に山頂がある山の中では最も高い」という、なんだかよくわからない称号の持ち主。彼は、ツェルマット周辺においては、脇役というよりも、エキストラの役割です。

2009.07.09

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スイスの夏休み(4)　ツェルマット

　「海外旅行でリゾート」といえば、皆さんはどこを思い浮かべますか？　グアム、ハワイ、バリ島…。こうしたビーチリゾートもいいですが、私が好きなのは、断然、世界的な山のリゾート、ツェルマットです。 1865年にマッターホルン初登頂を果たした登山家ウィンパーのレリーフと、老舗ホテルのツェルマッターホフ　ツェルマットの一番のハイシーズンは、実は冬です。世界中からスキー客が集まります。　夏ももちろんハイシーズン。登山、ハイキングだけではありません。長期滞在に堪え得る、さまざまなアクティビティが用意されています。　あちこちに張り巡らされたハイキングコース。展望台までいっきに運んでくれるロープウェーやケーブルカー。夏スキー、パラグライダー、ヘリコプター遊覧飛行…。スパやジムもあれば、映画館やカジノもあります。それでいて、建物は山小屋風に統一されているので、村には素朴な味わいがあります。マクドナルドも山小屋風　なお、春と秋はオフシーズンになります。特に5月と11月は、多くのロープウェーがメンテナンスに入るため、営業しているホテルやお店はかなり少なくなります。　ツェルマットの大きな魅力は、一般のガソリン車が入ってこれないこと。村には電気自動車が走っています。おかげで騒音も排気ガスもなく、綺麗な空気が保たれているのです。バスで来る場合は、谷の一つ下のテッシュという村でバスを降り、一駅ぶん列車に乗って来なければなりません。電気で走るバスと、村の教会　なぜ、ツェルマットがここまでリゾートとして発展したのか。それはすべて、マッターホルンという魅力的な山があるおかげです。　マッターホルンが見えるリゾートは、イタリアにもあります。チェルビニアと呼ばれる村ですが、実は、ここから見るマッターホルンはたいして美しくありません。どこから見ても美しい富士山とは違い、マッターホルンは、見る角度によって、全然違う姿になります。最も美しく見えると言われるのが、北東から見た姿で、ツェルマットはまさにこの、マッターホルンの北東に位置する村なのです。村の川沿いから　/　ホテルアルファのベランダから　晴れた日であれば、村からもマッターホルンはよく見えます。一度この山を見てしまうと、他の山々は全部脇役に回ってしまいます。それほどマッターホルンは個性が強く、崇高な存在です。　とはいえ、運悪く、天気が悪い日が続くと、マッターホルンが全く見えない、なんてこともあり得ます。それを避けるためには、とにかく滞在日数を延ばして、見られる確率を上げること。これしかありません。　フィスプで列車を乗り換えて谷に入っていく時、「マッターホルンをこの目で見るまでは、絶対にこの道を戻らない」という、悲壮な覚悟を持たなければならないのです。アルプスマーモットの噴水　/　村の中でも高山植物が咲く

2009.07.08

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スイスの夏休み(3) チューリッヒからツェルマットへ

　チューリッヒで朝を迎え、列車でツェルマットに移動します。　スイス旅行の定番コースは、ユングフラウ（インターラーケンかグリンデルワルト、ツアーによってはミューレンやヴェンゲンに宿泊）、マッターホルン（ツェルマットに宿泊）、モンブラン（シャモニに宿泊）の3か所を回るというもので、だいたい2泊ずつ、長いものだと3泊ずつになります。（ちなみにモンブラン観光拠点のシャモニはスイスではなくフランスです）　今回は個人旅行ということで、この中で一番好きなツェルマットだけに行くことにしました。他は全部スルー。そのかわり、ツェルマットに4泊します。　スイスの国鉄のマークは、スイス国旗の十字に、左右に矢印をつけたようなデザイン。略称は、ドイツ語だと「SBB」(Schweizerische Bundesbahnen)。フランス語だと、「CFF」(Chemins de Fer Federaux suisses)。イタリア語だと、「FSS」(Ferrovie Federali Svizzere)。　なお、スイスの公用語には、ドイツ語、フランス語、イタリア語のほかに、ロマンシュ語というものもあり、お札には4つの言語が書かれています。コインや切手は、小さいので4つの言語を書くスペースがないため、ラテン語で表記する決まりになっています。　鉄道のアナウンスは、その土地の言葉が使われますが、大きな駅になると2ヶ国語、3ヶ国語で案内されます。　左の大きな時計は、スイス鉄道の名物のひとつ。スイスの鉄道は、ヨーロッパの中ではかなり時間に正確なほうです。とはいえ、日本にはおよびません。　行き先表示版は、方面別ではなく、時間順にすべての列車が掲載されています。（近郊列車は別枠）　電光掲示よりも、こういうパタパタパタパタと回るタイプの方が旅情が盛り上がりますよね。　一番端のホームにドイツの新幹線「ICE」が来ていました。チューリッヒから、バーゼル、カールスルーエ、フランクフルト、ハノーバー、ハンブルクを経て、キールまでの長旅です。ビジネスにも、観光にも、とっても快適で便利な列車ですよ～　今回乗るのは、右の二階建て列車。この列車は、チューリッヒを出ますと、ベルンまで止まりません。　さて、ベルンは、スイスの首都です。首都ですが、緑が多い美しい古都で、世界遺産にも指定されています。アーレ川の深い峡谷、そこにかかる大きな橋、崖の上の街並、大きな塔のある大聖堂などの美しい景色が、列車の中からも一瞬だけ見ることができます。チューリッヒからの列車がベルンに近づいたら、車窓左手にご注目を！　列車はベルンに到着後、少しの区間を折り返して逆向きに走るため、最初に景色を見逃してしまっても、もう一度チャンスがあります。　残念ながら、ベルンの大聖堂の塔には、改修工事の幕がかかっていました…。　ベルンからは、南に向かって走ります。ここからは、車窓左手に湖（トゥーン湖）の景色が楽しめます。湖が見えなくなると、いよいよアルプスの峠越えです。　峠越えと言っても、山を登って行くわけではありません。トンネルで一気に通過してしまいます。実は、ここの区間、2007年12月に新しいトンネルが開通したばかりなのです。この新しいトンネルのおかげで、それまで4時間半ほどかかっていたチューリッヒ～ツェルマット間を、3時間あまりで行けるようになりました。スイス鉄道の高速化は、時速300キロの新幹線を開発することではなく、トンネルで峠越えルートを短縮させることにあるのですね。　しかし、便利さと、旅の楽しさは表裏一体です。それまで使われていた旧トンネルを使うルートでは、トンネルを抜けた後に、ローヌ渓谷を見渡す素晴らしい車窓風景があったのです。新ルートでは、ここもショートカットされてしまいました。　ここの峠は自動車では越えられないため、自動車やバスは、そのまま列車に乗り込み、列車でトンネルを抜けるのです。この、「カートレイン」は新しいトンネルには対応していないため、バスで移動するツアーであれば、今でも旧トンネルの方を抜けていくことになります。　ちなみにこの「カートレイン」、列車で運ばれている間は、自動車やバスは当然アイドリングが禁止されているので、エンジンを切っておかなければなりません。もちろん車の外に出ることもできません。窓が開けばいいのですが、機密性の高い最新式のバスだと、車内は蒸し風呂のようになるそうです　なお、トンネルを抜ける前に線路の横を流れている川は、ずっと先でライン川に合流して、北海に流れ込みます。トンネルを抜けた後に線路の横を流れている川は、ローヌ川に合流して、地中海に流れ込みます。スイスには、こんな峠がたくさんありますので、「ここで降った雨は、どこに行きつくのか」を考えながら旅をするのも楽しいかもしれません。　トンネルを抜けると、すぐに乗り換え駅のフィスプにつきます。ここで、小さな列車に乗り換えて、1時間ほど谷を登っていけばツェルマットです。　線路の近くを流れている川は、上るに連れてどんどん深くなっていきます。やがて、川の高さが列車の高さに追いついてくるころ、天気が良ければ、前方の山の間から、遠くに白い雪をかぶった山が見えてきます。この山こそがブライトホルン。マッターホルンのご近所さんです。　マッターホルンはツェルマットに着く直前にチラッと見えますが、必死に窓の外を凝視する必要はありません。ツェルマットに着いてしまえば、いくらでも見えますので。　次回以降は、ツェルマットとマッターホルンを紹介します。

2009.07.07

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スイスの夏休み(2)　チューリッヒ

　直行便でスイスに行くメリット、それは目的地への到着時刻が早いということです。「最初の日は、ホテルに入って泊まるだけ」だと思っていても、やっぱり少しぐらいは街を歩いてみたいもの。6月下旬は、一年で最も日が長い時期なので、初日からゆっくり街歩きを楽しむことができました。　まずは川の近くのビューポイント、「リンデンホフの丘」に上がります。　ちょっと坂道を上がっただけで、こんなに景色が開けます。菩提樹の木陰で休んで、しばし旅人気分に浸ります。　右の写真のツインタワーの建物は、大聖堂です。大聖堂とは、ただの大きな教会にあらず。建物の大小にかかわらず、司教座がある教会が「大聖堂」です。司教座とは読んで字の如く、司教が座るイスのこと。カトリックの組織では、教会はいくつかの管区に分かれていて、そのひとつの管区が司教区、司教区を治めるのが司教、そして司教座のある建物が大聖堂というわけです。日本風にいうなら、行政のひとつの管区が県、県を治めるのが県知事、そして県知事のイスのある建物が県庁…といったぐあいです。　見下ろせば、川沿いを市電が走っています。スイスは水力資源が豊富なので、市電やトロリーバスなど、電気で走る乗り物が発達しています。観光立国なので、美しい空気を守り、美しい景色を残していくことは、国の指針なのです。　広場には、大きなチェスが。ヨーロッパの街角では、朝から晩まで、チェスを楽しんでいる老人をよく見かけます。　ヨーロッパの街では、すべての道に名前が付いています。リンデンホフの丘を少し下りたところにあったのは、「Pfalz Gasse」。地図を見るときは、建物を探すのではなく、通りの名前を探していけば迷いません。逆に言えば、通りの名前が入っていない地図に頼るのは、危険な行為なのです。　リンデンホフの丘から、川べりまで下りると、大きな時計のある教会（聖ペーター教会）が。この時計はヨーロッパ最大級だとか。分針は長さ4メートルもあるそうです。　さらに歩くと、こちらも大きな時計のある、聖母聖堂が。　チューリッヒの街には、あちこちに時計があるので、腕時計がなくても大丈夫です　特にこの聖母聖堂と、聖ペーター教会の時計は、遠くからでもよく見えます。　そのまま歩くと、湖（チューリッヒ湖）に出ます。ここから船で湖畔の他の街に行くこともできますし、1時間程度の遊覧船にゆられて帰ってくることもできます。　ちなみに、チューリッヒの街を流れている川（リマト川）は、湖に流れ込んでゆくのではなく、湖から流れ出てくる川です。リマト川をこのままずっと下って行くと、やがてアーレ川（首都ベルンを流れている川）に合流し、その後、ライン川に合流します。　遊覧船もいいけれど、そろそろおなかが空いてきたので…。　さて、スイスの唯一にして最大の欠点。それは「メシがあんまりうまくない」ということです。ここから先は私の独断と偏見になりますので、テキトウに読み流してください。　イギリス・オランダ・スイスが、ヨーロッパ三大メシがマズイ国ではないかと思います。スイスは、フランス、イタリア、ドイツ、オーストリアと、食事がおいしい国に囲まれていながら、なぜ？と思ってしまいます。その特徴は、「塩辛い」と「ゆで過ぎ」。　とはいえ、海原雄山でもなければ、普通に楽しく食べられるレベルなので、ご安心を。ただ、物価が高いだけに、「うーん、この値段でこれか…」と思ってしまうかも。　ただ、ビールやワインはとてもおいしいですし、チーズもおいしいですので、酒飲みにとっては、全然苦になりません　なお、スイスでも、ジュネーブやローザンヌ、バーゼルあたりに行くと、高確率で美味しいものに出会えます。ですから、スイス旅行は、先にチューリッヒから入って、最後にジュネーブに向かうというのが正しい日程の組み方。先にジュネーブから入ってしまうと、その後の食事で悲しいことがおこるかも…。　なんだかんだいいつつ、ビールをたんまり飲んで、食事も完食いたしました　ごちそうさま！

2009.07.06

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スイスの夏休み(1) チューリッヒへの道

　ヨーロッパ大好き、フリーバードスタッフのSです。誰よりも早く夏休みをとって、6月下旬のスイスの旅を楽しんできました。今回は皆様に初夏を迎えたスイスの魅力をお伝えします。　スイスへの道は、成田-チューリッヒをノンストップで結ぶ、スイスインターナショナルエアラインズを利用しました。　スイスインターナショナルエアラインズを選んだ理由は…。・スターアライアンスのマイルがたまる。・エコノミークラスでも、パーソナルモニターの映画がオンデマンドで楽しめる。（好きなタイミングで再生・停止できる）・座席配列が、窓側から2列-4列-2列になっているので、2人旅、4人旅の時に、プライベート空間を作ることができる。…などです。　　曇り空の成田から離陸し、いよいよスイスへの旅が始まります。　窓から見えるのは、大空の景色と、航空機の主翼。主翼の先端がペキッと曲がっているのは「ウィングレット」という構造で、空気抵抗を減らして、燃費をよくする効果があります。ここの塗装は、もちろんスイス国旗のあのマーク。空の旅の間、窓の外にはいつもスイスのマークが見えるので、いやがうえにも旅の心が盛り上がります。　ドリンクワゴンがやってきました。「待ってました！」のこの瞬間　　スナック菓子をおつまみに、白ワインの小瓶をいただきました。旅のおともに選んだ本は、新田次郎の『銀嶺の人』。旅に出かけるときは、ガイドブックもいいですが、その土地を舞台にした小説を読むのが好きです。『銀嶺の人』は、世界で初めて、女性だけでマッターホルンの北壁を完登した今井通子さんをモデルとした小説。彼女がたどった足跡を少しでも…と、旅の心はますます盛り上がってきます。　　機内食は、チキンのクリームソースか、トマトのペンネを選べました。大きなチーズがついているのがいかにもスイス？　　機内食用のナイフやフォークにも、ちゃんとスイスインターナショナルエアラインズのロゴが入っています。右は、到着の2時間前ぐらいに提供される、軽食です。あたたかいコロッケサンドと、リンゴにソイジョイ。それぞれ包装されているので、その場で食べるもよし、今夜の夜食に持ち帰るのもよし。　12時間半のフライトの間に、旅の心はすっかり熟成され、気分が最高潮に達したところでチューリッヒに到着です。　スイスに入国すると、こんなスタンプをもらえます。これは、「シェンゲン協定」に加盟しているヨーロッパ各国共通のスタンプです。左上の「CH」はスイスをあらわします。フランスなら「F」、ドイツなら「D」です。右上の飛行機マークは、空路で入国したというしるし。鉄道で入ると汽車マーク、バスだと自動車マーク、船だと船マークのスタンプになります。左下の矢印は、入国をあらわします。出国の時は、矢印の向きが逆になります。　このヨーロッパスタンプ、なかなかカワイイので、たくさん集めたい!という気になるのですが、ヨーロッパ内をあちこち移動しても、「シェンゲン協定」に加盟している国同士であれば国境での審査はありませんので、スタンプは増えません。ですので、ほとんどの場合は、日本から出発して最初に入った国での入国スタンプと、日本に帰る時に最後に出る国での出国スタンプしかもらえないことになります。つまり、飛行機マーク以外のスタンプは、普通の旅行ではなかなか手に入りません。　しかも、「シェンゲン協定」の加盟国の範囲はどんどん広がっており、それにつれて「陸路で国境を越える」という楽しみがどんどんなくなっていきます。便利になるのはいいことですが、旅の目的は「非日常の不自由さを楽しむ」ことにもあると思うので、なんだか複雑な気分ですね。　チューリッヒ空港は、成田空港や関西空港と同じように、鉄道が乗り入れています。標識に従って歩けば、すぐに乗り場に着きます。　成田や関西と違うのは、空港駅が鉄道の終点ではないということ。方向を確かめてから乗らないと、チューリッヒ中央駅と反対側に行ってしまいます。表示に「ZURICH HB（チューリッヒ中央駅）」という文字があるからといって、安心するのはまだ早い。実は、「チューリッヒ中央駅には行きません」という表示だったりすることもありますよ！　空港駅から中央駅は、列車で10分ぐらい。この近さ、ヨーロッパの空港っていいですよねぇ。　次回はチューリッヒの街を紹介します。

2009.07.05

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