8月24日か、25日に録画していたのですが、
やっと
「霧の火~樺太・真岡郵便局に散った九人の乙女達」を今頃観ました。
観たいと思いつつ、軽く観られないとは思っていたので、
かえってなかなか観られなかったのです。
でも、思っていた以上に重く、ずしんときました。
涙が出て止まらなくなってしまい、
一緒に観ていたミンミに話しかけようとしても、
涙声になってしまう。
それでも、ミーシャ(瑞江)の母や、義父、そして、
大好きだった野田さんの「死ぬな」という言葉と共に、
ミンミに「絶対死なないでね」と頼んでしまいました。
いつも言ってる言葉ながら、
今日はますます切実に哀願してしまいました。
本当にたとえ犯されてもなんでも、生き延びて欲しい。
美しく潔く死ぬより、醜くても生きた方がいいと。
あらすじは、クリックして、読んでみてください。
瑞枝を演じる福田真由子は、
「白夜行」「女王の教室」などから好きだった子役。
もうしっかり大人の女優ですよね。
彼女は田中麗奈に似たイメージがあるけど、
顔だけでなく、二人とも演技派女優だからかな。
野田を演じた向井理もいいですよね。
「はちみつとクローバー」「正義の味方」など、
いい人の役が多いけど、やはり芯が強いというか、
沈着冷静で理性的な感じが素敵です。
私は熱い人より、冷たいくらいの方が好きなのかな?
筒井道隆とか豊川悦司とか、アンニュイな感じもいいのですよね。
でも、本当は優しいとかね
このドラマは日本テレビ開局55年記念番組だけあって、
出演陣も豪華だし、戦争ものとはいえ、
ただのお涙頂戴ではなく、ちゃんと命のメッセージも込めている。
戦争成金に成り下がった野田を見て、
ミーシャは失望するけど、
照れ笑いする野田だって、必死に生き延びたのだ。
生き残って、仲間に悪いと悔いてるだけでは、
確かに英霊の慰めにはならない。
代わりに自由で新しい時代を生き抜かなければ。
でも、今の時代が果たしてそんな時代なのかも分からないけど、
戦争中よりはましなのではないかと思う。
私の高校に、特攻隊の生き残りという英語教師が居た。
戦争なんて遠い昔のような気がしてたのに、
まだ生き残りで死に損なったなんて言ってる大人が
身近に居ることが不思議に感じた。
あまり詳しく語ることはしなかったが、
やはり、自分だけ生き残って済まないと思ってるのは感じられた。
なぜそんな風に思わなければいけないの?
自分が罪悪感を持つ必要はないんじゃないかな?
戦争を起こし、人々を死に追いやったのは、
国の一部の上層部だと思う。
ただ、A級戦犯だけが悪いのかと言えば嘘になる。
何も言わずに追随してしまった国民にも責任があるのかもしれない。
「私は貝になりたい」も見たけど、
自分の意思ではなく、捕虜を殺させられた人まで
戦犯として処刑されるのは可哀想だと思うけど、
人間は命令された方が残虐になれるらしい。
自分の責任ではないと逃避できるから。
人間の本性が悪か善かなんて分からないけど、
最初なんだ?と思ってた義父が、
本当は生さぬ仲の娘を思いやり、
母の形見の指輪を体を張って
ロシア兵から取り返した。
それを見たら、また涙が止まらなくなった。
うちも主人と娘達が生さぬ仲だから、
お互いしっくりいっていないと思っていたけど、
この頃、主人が娘を車で夜遅く心配して迎えに行ってくれたり、
ラグビー部のマネジャーをやってるマッキーのこと
「大事な娘をこきつかって」なんて言ってるのを聞くと嬉しくなる。
マッキーのことは特に「どうしようもない」としか言わなかったから。
またそれに応えてか、彼氏のお弁当を作るついでに、
「パパにも『愛娘弁当』作ってあげるよ」と
マッキーが言ってくれたのも嬉しかった。
マッキーは「愛妻弁当」にひっかけて「あいむすめ弁当」と言ったのに、
私は「まなむすめ」と読めないのかと、突っ込んでしまったら、
「読めるに決まってるでしょう」と逆襲された
娘を信じ切れなかった自分が恥ずかしい
まあとにかく、親子の情も恋愛も、戦争の前では無力になってしまう。
それでも抵抗しなければまた戦争は起きてしまうんだよね。
フリーターやニートは自衛隊に入れて、戦争に行かせろなんて言う
無責任な大人?が増えてきてるだけに、きな臭い・・・
戦争月間?の8月だけでなく、1年中忘れてはいけないよね。