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楓&ヒカリの双子ちゃんフィギュア! どっちがどっちでしょう♪(言うまでもないか^^) 金木犀の噎せ返るような香りがどこからともなく漂う頃になると、ふと、そうだ、恋をしよう──などと思ったこともありました。 金木犀って、大陸では雄株と雌株があるのですが、日本には雄株しか入ってきていないんですって。だから、日本の金木犀は花を咲かせても実を結ぶことは決してないのです。木犀と書くからには、その花がどんなに香り豊かでも、木肌はきっと犀のようであるのでしょう。 さまざまに切ない金木犀──新しいおうちは金木犀の植わる公園に接しているので、今もそのそこはかとない香りに包まれています。 あらためまして本日、第二回目楓祭です☆ (「かえでまつり」と読みます) 思い返せば、二年前の2005年の同じ日は、連載の内容が違っていたので、そ知らぬ顔をして(心ではベソをかきつつ)『鳥取物語─四年生編─』などを更新していたんだなぁ…しみじみ。でも、かろうじて四年生編の始まりという節目にはあったようです。懐。 そして去年の2006年の同日、『ワンダフル・ワールド』刊行の三ヵ月後ということで、第一回楓祭を開催し、多くの皆さまに遊びに来ていただきました。 さらに今年、おかげさまでめでたく『青木学院物語』が発売され、今日という日を胸をはって迎えることができました。去年にはお互いが知らないまま、今年、楓の結んでくれたご縁でお友達になった方に、不思議な愛しさを覚えます。 長きにわたって応援してくださっている皆さまには、家族のような懐かしさを覚えます。心から感謝しております。 さて、本日のラインナップとして、ヒロ、さとらん(楓の主治医の先生)、松丸が三部構成で「楓祭」を盛り上げてくれることになり、私も強力な助っ人たちに支えてもらって嬉しいです。 皆さまにぜひ読んでいただきたいエピソードやゲームが盛りだくさん。 今日は“楓の日”なので、コメント欄のお返事は私からは差し控えます。 皆さま、ぜひ自由に楓にメッセージを送ってあげてください^^ みんなぁ! 遊んでいってね☆ 第一部── ◆誇り高き君へ◆ 僕はペットを飼ったことがありません。 犬や猫、小鳥などを飼っている友人はいまして、お邪魔した時などはよくじゃれたりもします。結構可愛いもので嫌いではないのですが、自分の家で飼おうと思ったことはありません。家族全員そうだったのか、何かを飼おうという話になったことさえ一度もありませんでした。 愛玩動物を飼うのに及び腰になるのは、はやり繋いでおくことや籠に入れておくことを僕が勝手に「監禁」のように考えてしまうからではなかろうかと思います。それから、自分の寿命よりも長寿に恵まれるペットがおそらく存在しないことも。もうそれだけでペットを飼うのは逃げたくなってしまいます。 1985年の僕の誕生日に、そんな僕の性質を知ってか知らずか楓から熱帯魚の形の風船をもらいました。口からボンベに入った餌(ヘリウムガスなのに、「餌」と書いてあるのが粋なものです)を入れると、空中に浮いて室内を優雅に泳いでいるように見えます。 これが意外と手間のかかる奴で、きちんと浮いているようにするために、重さの調整をしてやらなければいけません。軽すぎると天井に貼り付いたままで動きませんし、重すぎると地べたで寝ているだけです。いろいろな大きさのシールを貼っては剥がしして重さを変えて、空中数メートルで浮かんでいるようにしてやるのは大変な作業です。 うまく浮くようになると、ゆっくりながら、なかなか活発にあちこち動きます。人間の感じないようなわずかな空気の流れに乗って動いているのでしょうが、端からは自力で泳いでいるように見えます。特に僕の部屋は木造平屋の離れなので、微妙な風通りが都合良いらしく、なおさら元気に熱帯魚は上へ下へ、こちらの部屋からあちらの部屋へ、あちこち泳いでいました。その様はまるで意志のある生き物のようで、ペットが家の中にいるとこんなものかな、という感覚を味わえたような気がします。 しばらくテレビを見ていて、ふと気がつくといなくなっていて、探してみると押入れの中に入り込んでいたりします。夜にはいつも押し入れに入る“習性”があるようでした。台所でお湯を沸かしていると、隣の部屋にいたはずなのに、突然背中にぶつかってきてびっくりしたこともありました。僕が何をしているのか気になってわざわざまとわりついてきたみたいで、なかなか可愛らしい奴です。よく考えれば、ガスの炎で上昇気流が出来て、周りから空気が吸い寄せられているので、熱帯魚はそれに引かれて動いてきただけなのですが。 そうこうしながら、何度も“餌”を買ってきては与えているうちに、熱帯魚はなんと20年以上が経った今年の夏まで僕の部屋に居ついてくれたのです。そして今年、僕の誕生日のあったある朝も、いつものように熱帯魚は押入れの中に入っていました。ヒカリが外にゴミ袋を出しに行って、僕も出勤しようと玄関から出たところ、なんと熱帯魚が外にいました。うっかり引き戸を閉め忘れていたのです。ヒカリが出て行ったその一瞬の隙に玄関先まで泳ぎ出て、入り口の軒下を漂っていたのです。慌てて駆け寄ったのですが、間に合いませんでした。一陣の風とともに、熱帯魚は上空に舞い上がり、手の届かないところまで飛んでいってしまいました。 しばらくの間、ヒカリとふたりでその姿を目で追っていたのですが、空飛ぶ熱帯魚はどこまでもどこまでも、まっすぐに大空を飛んでゆき、小さな点になって消えました。 僕は考え違いをしていたようです。彼もペットなどではなく、自由な世界を渇望する、誇り高き野生動物だったのでしょう。そして彼は僕の部屋で20年以上という熱帯魚にはあるまじき長寿を得、ついには大空へ旅立ち、今もこの空のどこかを自由に泳いでいるに違いありません。 第二部─── ◆おれをゴルフに連れてって◆──15歳のハニカミ王子へ── おれはゴルフをするにはするが、基本的に興味を持ってはいない人種なのだが、中学に入って親父に連れていってもらった途端、大人の世界に目覚めてしまった楓に、休みの日でも電話で始終誘われるようになった。 「ねえ、こういう秋晴れの日はゴルフしたいな。行こうよ、行こうよ」 「クラブを洗ったばかりなんだもん。また汚れるからイヤだ」 「おれの父親のを貸してやるよ」 「キャディさんに荷物全部持たせて歩くなんて、身分差別の臭いがして楽しめない」 「それなら自分で運べばいいじゃん」 「だいたい日本の風土に合ってない。日本みたいに狭い国土の田畑や森林をつぶして出来たゴルフ場で遊ぶなんて、罪悪感に苛まれる」 「自然破壊はゴルフ場だけじゃないよ。日本のゴルフ人口は1000万をゆうに超えてるんだぜ? その人たちがストレス解消したり、仲間たちと交流したり、鈍った身体を動かしたりするんだから、実に国民の健康と福祉に貢献している有益な営みじゃないか。あっ、さとらんも最近運動不足だって言ってなかった? それ解消するのに、ゴルフはぴったりだと思うんだけどなぁ」 という展開になって、いつも断るのに一苦労する。 ところが、ある日楓の父親が常連になっているゴルフ場にまつわる面白い話を聞かせてくれた。 そのゴルフ場は横浜の郊外にあって、入り口の近くに洒落たラウンジなど出来ている。ゴルフ場の入り口は、ちょっとした広場になっていて、ベンチがいくつか並んでいる。いつの頃からか、楓はそのベンチのひとつに風変わりな老人を見かけるようになった。 どことなく浮き世離れして仙人みたいな風貌で、釣り竿を持っていてベンチに座り続けている。ピンと張った釣り糸は、潅木の植え込みに投げ込まれている。 「気がふれているのかもしれないな。でも、なんて魅力的な容貌をしているんだろう」 そこはかとなく威厳さえ漂う老人に目を奪われた楓は、思わず話しかけていた。 「ここで何してンの?」 「見りゃあわかるでしょう。漁をしてまさ」 しゃがれた声で老人は力無く答えた。それを聞くと、楓はますます老人に惹かれた。 「へえ、漁をねえ。おれの父親があっちにいるから、ちょっと一休みして、そこの店で一杯やれば?」 「そりゃどうも」 老人は釣り糸をたたむと、いそいそと楓の後についてきて、店の敷居をまたいだ。楓の父親が酒を注いであげると喜んで飲み干し、煙草をすすめると立て続けに三本吸った。実に美味そうだ。楓は善行を施した満足感と気恥ずかしさを覚えながら、老人に尋ねた。 「おじいちゃん、漁をしてるって言ってたよね。それで、今日はどれくらい釣れたわけ?」 老人は幸せそうに煙草をくゆらせながら呟いた。 「今日は、あんたがたで三組目だよ」 「わーっ、そのおじいさんをひと目みてみたい!」 楓の話を聞き終わるなり、おれは叫んだ。 「さとらんなら、そう来ると思った」 次の日曜日は空も晴れ渡り、おれは助手席に陣取っている楓のナビでくだんのゴルフ場に向かった。 「さあ、着いたよ」 「あれ!?」 「どうしたのさ」 「お店もないし、広場もベンチもない…謀ったな! あの老人の話、ゴルフ場に連れてってもらいたいがための、ウソだったんだろ」 「まあね」 「何人引っかかったんだ?」 「さとらんで二人目」 第三部─── 奮ってご参加ください! ◆「青木学院鑑定」◆ ◆「楓くん命!鑑定」◆ ※『ワンダフル・ワールド』や『青木学院物語』を見ながらやっちゃダメだよん。 ※結果報告待ってます! ─── また一年後にな! ◆応援ありがとうございます! ありがとう。私たち、みんなのこと、大好きだから! ◆「青木学院鑑定」の答え&解説はこちら ◆「楓くん命!鑑定」の答え&解説はこちら お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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