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カテゴリ:営業マン必読小説:どん底塾の3人
■小説「どん底塾の3人」029:客単価を上げる
3人の報告を受けて、亀さんはホワイトボードに結果を記録した。 ――利益高 加納:売上金54680円ー在庫88x22円=52744円 大河内:売上金33150円ー在庫287x22円=26836円 海老原:売上金50000円ー在庫0x22円=50000円 「大河内は、加納の半分しか利益を上げていない。何かいうことはあるか」 「弁解の余地もありません。反省しています」 「どう、反省しているんだ?」 「ファストフード・チェーンの本部をねらいました。結局、安く買い叩かれて、それからは空回りの連続でした」 「なぜ、そこに目をつけた?」 「大量に販売できると思いました」 「楽をして売ろうとすると、必ずそのツケが回ってくる。営業は地道にやらねばならん。利益を上げろという指示が出たら、そんなターゲティングはするな」 「海老原は、この結果をどう思う?」 「全部売ったのに、利益で加納さんに負けてしまいました。単価の設定が安すぎたのだと思います」 「おれはおまえたちに、できるだけ利益を上げろといった。おまえたちは、そのことを忘れたのか。おまえたちは、1個いくらで売ったんだ。計算して書いてみろ」 ――販売単価 加納:59円96銭 大河内:46円50銭 海老原:50円 「海老原はなぜ、1個50円がふさわしいと考えた?」 「4色をセットにして販売しましたので、200円くらいが妥当だと考えました」 「セット販売は、アイデアだった。その点はほめてやる。ただし、値付けが安直すぎだ。おれが原価を22円といったから、5割くらいを利益として1個50円を設定した。なぜ、100円じゃダメなんだ。 50円の必然性はどこにある?」 「ありません。安直でした」 「加納はいちばん高い値をつけたが、どうして中途半端な単価になっているんだ?」 「4個だけ50円で売り、あとは60円に修正しました」 「どうして修正したんだ?」 「まとめ買いをして、値引きを要求するお客さんが多かったものですから、それを前提に単価を70円にしました。4つ買ってくれたら、1個60円としました」 「好かん売り方だが、加納がいちばん高い価格設定をしたことは事実だ。売れ残りがあっても、利益率が高いのは当然の結果だよな。いいか、客単価を上げることを考えろ。営業は何個売ったかの世界ではない。大事なのは、売上額でありその利益だ」 ※ダントツ営業の知恵 会社が求めているのは、売上額なのか利益率なのかを掌握しておくこと。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016年02月16日 01時19分20秒
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