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2016年02月17日
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■小説「どん底塾の3人」030:長屋の造り
ああ・どん底塾の3人.jpg
 加納百合子は娘の綾乃を連れて、母親とその友人たちをすし屋「夢」に招待した。予約電話に対し、若い主人が「自分へのご褒美かい?」と質問してきた。加納は「違う」と答え、「お世話になった感謝の席だ」と告げた。
 店に入ると、窓際のいちばんよい席が用意されていた。今日も満席だった。ビールとオレンジジュースが運ばれてきた。何も注文はしていない。
「本当にお世話になりました。ありがとうございます」
 加納がグラスを上げた。
「楽しかったわよ。お礼をいいたいのは、こちらの方です」
 母親の親友・博子が仰ぐように右手を振りながらいった。自動的に船盛りが運ばれてきた。前回と同じ進行である。中央には黄色い棒の代わりに、大根で細長い建物が作られていた。加納には、意味がわからない。大将の方に視線を向けた。
「官舎だよ、感謝の印」
 周囲から笑いが起きた。
「ママ、官舎って何?」
 綾乃は官舎を知らないようだ。加納が説明する。
「昔はJRのことを国鉄と呼んでいたんだけど、駅の周りにはこんな長屋がたくさんあったの。それが鉄道官舎といわれていたわけ。お礼の感謝と、長屋の官舎をかけ合わせたダジャレよ」
 大根にはコンブの屋根が乗り、窓はガリで作られていた。頭が下がった。この店には楽しさがある。博子たちが、腹を抱えて笑っている。
 
 母親たちは加納が説明した「どん底塾」と、この店の名前「夢」とのギャップで盛り上がっている。
「綾乃ちゃんくらいのときかな、海水浴で溺れかけたことがあるの」
 博子が笑いながら話しはじめた。
「足が海底についたから、上を見上げたわけ。7色の光の帯が海面までつながっていた。水面には、マーブルチョコレートみたいな水泡が無数にあった。はじめて経験した神秘的な世界。あそこへ戻りたいと思った。必死に海底を蹴ったわ」
「それでどうしたの」と母親。
「死んでいたら、ここにはいないわ。どん底で思い出したわけ。あれはまさに、どん底から見たと夢の世界だったわ」
 どん底と夢を、博子は巧みな思い出でつないでくれた。
「これは、店からのプレゼントです」
 店主が運んできたのは、不思議な形のノリ巻だった。
「綾乃ちゃん、これなんだかわかるかい?」
 店主は娘の名前を覚えたらしい。これぞプロフェショナル、と加納は驚嘆する。
「蟻さんみたい」と綾乃が答える。
「大当たり。では数を数えてご覧」と店主。
「全部で10匹」
「そう、蟻がトゥ(10)」
 再び大爆笑。

※加納百合子の日記
 母親たちへのお礼を兼ねて、すし屋「夢」に行ってきた。この店には「楽しさ」がある。なにやら、仕事の原点が凝縮されている感じがする。店の主人たちも楽しそうだし、お客さんも愉快にやっている。もちろん、おすしも新鮮でおいしい。
 豪華な料理だったので、料金は覚悟していた。「お1人さま、
3900円」といわれた。あまりにも安いので聞き返すと、「今日は感謝の日でしょう。だからサンキュウ」だって。どこまでも笑わせてくれる。

※ダントツ営業の知恵
 感謝の気持ちをどういう形で表現するのか。それもタントツ営業の大切な要件である。






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最終更新日  2016年02月17日 03時27分30秒
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