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カテゴリ:営業マン必読小説:どん底塾の3人
▀小説「どん底塾の3人」049:現場で汗を流す
![]() 「亀さんはさっき、リーダーシップは現場で汗を流すことだ、と言いましたよね。それって、部下と同行するという意味ですか?」 「それ以外に何がある? 優秀な営業リーダーは、常に部下とともに現場を駆け回っている。おれは部下から『ザ・同行マシーン』と呼ばれていた。最高の称号だぜ。上司がオフイスにへばりついていて、部下は成長するか」 海老原浩二は、所長の赤ら顔を思い浮かべる。 「同行してもらいたいと思うのですが、上司にはその気がありません」 「なぜ、同行してもらいたいんだ?」 「自分のやっていることが、正しいのかと不安なんです」 「上司はいないと思え。そうしたら、叶わぬ期待はしなくてすむ。おまえの仕事が正しいか否か。その答えは、客が握っている。上司がきたところで、自慢話を聞くか、グチか小言を浴びせられるだけだ。そんなやつは、相手にするな」 「答えはお客さんが握っている、をもう少し具体的に教えてください」 「客にありがとうをいわれたら、おまえの仕事は正しい。そう判断して、さらに精進することだ」 「これから営業リーダーの2つのタイプを書く。おまえたちには、人間系の営業リーダーになってもらいたい」 亀さんはホワイトボードに、次のようなマトリックスを書く。 ――2つのマネジメント・スタイル 人間系 管理系 仕事の型 □率先垂範 □管理 仕事のスタンス □考えさせ、聞き取る □命じ、提出させる 中心となる仕事場□現場 □オフイス 部下育成 □OJT □OFF-JT 部下指導の方法 □個別 □一律 部下に求めるもの□変革 □秩序 部下との接し方 □支援 □指示 指導の目線 □未来 □現在 指導の方法 □傾聴 □命令 部下の評価 □プロセス □アウトプット 企画立案 □プロジェクト □一組織 会議の進め方 □双方向 □一方通行 自分自身への課題□自己革新 □現状維持 多用する人称 □きみ(2人称) □おれ(1人称) 「説明はいらないだろう。2つのマネジメント・スタイルは明らかに違う。最後の『多用する人称』はわかりにくいかもしれん。人間系は『きみはどう考える?』と問いかける。管理系の方は、常に『おれが、おれが』とまくし立てるという意味だ」 「確かに、亀さんのスタイルは人間系ですね。それにしても、うちの所長は完璧に管理系です」 「会議のときに、1人称と2人称の使った回数をチェックすれば、自分の上司がどちらのタイプかがわかりますね」 加納がまた笑っている。加納は吹っ切れたのかもしれないと、大河内はうれしく思う。 ※ダントツ営業の知恵 できる営業リーダーは、部下に考えさせる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016年04月09日 03時16分02秒
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