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テーマ:レアメタル(8)
カテゴリ:経済・ビジネス・投資
【中国は一大原産国】
中国は、レアメタル31種の中で、生産量で8種、埋蔵量で6種、対日輸出量で8種について世界第1位のシェアを持つ世界最大のレアメタル資源国である。中でもタングステン・アンチモン・バリウム・ビスマス・レアアースについては生産・埋蔵・対日輸出のいずれも世界第1位である。特にレアアースについては、生産で88%、対日輸出で90%、タングステンについては生産で79%、対日輸出で74%のシェアである。 【中国の戦略的鉱物資源政策】 中国の鉱物資源に対する政策はきわめて戦略的であり、例えばレアアースについては、海外企業の鉱山開発への参入は認めず、鉱石の輸出は、輸出ライセンスの発給抑制により制限している。一方、レアアースの精錬・加工分野については、レアアースの磁性材料や蛍光体などへの加工度向上、新素材開発を図るべく、外国企業との技術交流や投資を奨励している。 【今後の中国の出方】 中国のWTO加盟による経済の国化はプラス要因となるが、中国の資源政策が鉱種毎に区別化された方針を取っており、その動向は必ずしも透明ではないので注意する必要がある。 今後中国の高い経済成長に伴い、中国と日本の関係は生産国と消費国という関係から、将来、ともに消費国として競合する関係への変化して行くことが予想される。 【日中レアアース交流会議】 レアアースについては「日中レアアース交流会議」が毎年開かれ、レアアースの流通・貿易状況・需要動向・」技術開発動向・資源の賦存・生産状況・レアアースの開発・利用に関する日中協力などについて情報交換を行い、日中相互の認識と理解の向上を図っている。日本にとって中国はレアアースの最大の供給酷である一方、中国にとっても日本は最大の輸出相手国であり、さらに中国はレアアースの加工度向上・レアアースを原料とした新素材の開発で、日本の技術協力や投資を求めている。そこで交流会議でコミュニケーションを深めることで一定の成果が上がっている。 報道によれば、1998年のレアアース資源の過剰生産と乱売による国際価格の暴落に対して、中国は輸出総量規制を行っていたが、98年はこれがうまく出来なかったため価格が暴落したことをふまえ、1999年の会議で、日本側から価格の安定化など管理強化が要望された。 2000年の会議では日本側が中国の輸出ライセンス発給が遅れたため、円滑にしてもらいたいとの要請を行っている。中国側からは、ライセンスの発給は、現業分野に移している、98年の改革後は、国家経済貿易委員会―対外貿易経済合作部―小規模今司(数社増加)―ライセンス発給となった。機構改革が定着してくれば、発給も早くなるとしている。 このようにコミュニケーションを深めることで日中両国にとってwin-winの関係を築く事を目指している。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 30, 2005 06:37:47 AM
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