福禄太郎の書評と時事評論

1.靖国違憲判決は「ねじれ判決」

１０月１日の産経新聞は、小泉純一郎首相の靖国神社参拝をめぐる訴訟で、大阪高裁は原告の損害賠償請求を棄却しつつ、首相の靖国参拝を違憲とする判断を示したことを「典型的なねじれ判決である」としている。産経新聞によれば「同じようなねじれ判決は、首相の靖国公式参拝を違憲とした仙台高裁（平成三年）、「参拝を継続すれば違憲」とした福岡高裁（平成四年）などの判決にも見られた。昨年四月、小泉首相の靖国参拝を違憲とした福岡地裁判決もそうだ。いずれも、主文で原告の請求が退けられているため、被告の国側が控訴、上告して争えない構造になっており、下級審判決が確定している。」としている。

２．問題点

裁判官本人は、主文で原告の請求を退けることで小泉首相の顔を立て、主文と関係ない傍論で自分の主張を展開し確定させ、うまくやったとおもっているのかもしれないがテクニックにおぼれて以下の問題を見落としている。

（１）「司法のしゃべりすぎ」といわれ、本も出ているが、国際政治に専門知識のない裁判官が法律判断を踏み出して判決文の中で政治評論家気取りをするのは見苦しい。また、拘束力のない違憲の感想であるにもかかわらず海外メディアは過剰に反応している（中国人民網（asahi.comを引用）、韓国中央日報）。したがってこのような傍論は禁止させるべきだ。政治評論をしたければわれわれのように個人のblogですればよい。



（２）首相の靖国参拝について「国内外の強い批判にもかかわらず、実行し、継続した」というのは内政干渉を正当化する点で問題がある。

３．傍論の制限を
とりあえず判決文では主文と関係のない傍論を制限するように法改正をすべきではないかと思う。

関連blog:

靖国参拝違憲判決を批判するのは簡単だが、裁判官は命がけなのです。

靖国参拝に違憲判決など下されていない