給餌の衝動
さぞ不安で長い一夜では、とご心配いただいていますが、さくらはまだこちらにいます。思えば、約1年前にてんかん類似発作を起こして以来、アブナイと感じて灯りを点けたまま過ごした夜が何度あったでしょう。ごろ寝マット生活にも、すっかり慣れてしまいました。3,4時間ごとに目を覚ますので、その都度顔下のシートやアンカを入れ替え、お水を飲むか試し、褥瘡防止で体の向きを変えて寝かせます。お水はシリンジで与えてみますが、やはりほとんどこぼしてしまいます。出る方は、、、ちっちは昨日の夕方に1度だけ、大量に出ました。これは前日(20日)の定期通院で皮下輸液を受けたからで、まだ腎機能は働いていることはわかるものの、給水自体をほぼしていない昨日以降からの分がどうなるか、これからです。そして今朝。どのみちお散歩には行かないし、さくらは朝も食べないだろうと、先にお洗濯の準備をしていると、「ア"ン!ア"ン!」と呼ぶ声が。もはやほとんど声を出さないので、急いで行くと、自力では起き上がれない為、足掻いてマットから落ちかけたりするとこうして私を呼びます。体を起こし、手を添えてさくらのお気に入りの行き止まりポイントへ。するとちゃんと自立し、しばらく前傾で立っていて、、、なぁんと、少しだけですがピップが出ました。ピーでもなく硬くもない、普通の丸い(オムツ内なので丸まる)ピップです。こうなると、もしかして食べるのでは?という期待が頭をもたげます。何だったら食べてくれるのか迷いつつ、私が準備している間は、さくらは横たわって待たせます。戻ってお座りさせると、自力ではその姿勢が保てないので、寄りかかってきます。この様子が、まるで寄り添ってくれているようで嬉しくもあります。まずはコットンに水を含ませ、口周辺を濡らしたり口先で絞ったり。全く反応しない口元に、次はシリンジでお水を入れてみます。ほんの少し嚥下の手応えがあり、お腹が鳴りました。この音が、私の気持ちを大きく揺さぶることになります。数週間前から何故かあまり口が開かなくなり、大好きなボーロも上手く咥えられなくなったので、小粒タイプや軟らかめな物を購入して試していました。お腹が鳴る、ということは、本当は食べたいのに顎が上手く動かなくなって食べられないだけでは?とどうしても思ってしまうのです。ブログにも何度も書いてきましたが、強制給餌はしない方針です。口元まで運んで、食べるそぶりがなければやめる。今迄それを通してきました。でももし食べたいのに食べられないのだったら、、、この考えは、さくらに食べてほしい、まだ生きてほしいという願望と直結し、私を強く揺さぶりました。1度だけ、1度だけシリンジで栄養ミルクをあげてみよう。禁断の行為だ、と思いつつも、試さずにいられませんでした。が、ミルクは口脇から溢れるようにこぼれます。これは、私のシリンジの使い方が悪いからかもしれない、お水が飲めないのもそのせいかも。病院へ行ってお手本を見せてもらい、それでだめなら諦めよう。誰かにきいてみようか。「あなたなら病院に連れて行ってみますか?」。散々迷って、でも、給餌の真似事を止めて口元をぬぐった時、さくらの表情を見て、やめました。食べたくない、がさくらの意思なのだろうと。食べたければ、口を開く素振りなり、舌をだして舐めようとするなりするでしょう。眠りたいのだ。きっと。正しいかはわかりません。さくらの気持ちと同じかはわかりません。ちゃんとわかってあげられなくて、ごめんね。このままでいいのか、本当にわからない。先程、またワンワン!と呼ぶので、そっと抱き上げると、少し苦し気に四肢を震わせ、嘔吐しかけましたが、何も出ません(胃は空っぽ)。手に触れるのは、あばらの感触ばかり。。。しばらくして降ろすと、またそのまま眠ってしまいました。さくら、これでいい?このままでいい?