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カテゴリ:眼差し
そして、もう一つの死にも、 心が暗くなりました。 ミャンマーで、 治安当局とデモ隊の衝突に巻き込まれて死亡したカメラマンの長井健司さんの死。 「大変残念です」と取材に応じられたニュースプロダクション「APF通信社」(東京都港区)の山路徹社長(46才)のお話では、 「誰も行かないところに誰かが行かなければならない」 そう言って、これまでにもパレスチナやイラクなどの紛争地域に、 果敢に飛び込んで行ったベテランの報道カメラマンだったそうです。 ミャンマー入りも、民主化の経緯がどうなるかを取材するため。 長井さんのお人柄を知る人たちは、 「過激な紛争地を行き来するジャーナリストでありながら、物静かな人だった」と語られ、 長井さんの言葉も紹介されていました。 「私は取材をしながら、いつも『何ができるのか、どうすれば(紛争地の)問題が解決するのか』と考えています」と。 17歳の力士の死と50才のべテラン報道カメラマンの死。 一人は少年であり、一人は大の大人の男性ながら、 わたくしの中では、無念な、痛ましい死だと思われて胸が詰まりました。 志や使命感、夢や希望を抱きながら自分と戦い懸命に仕事する人間が、 集団の暴力によって命を失ったということ。 暴力---- は、振るわれる側に立ったときに、 初めてその恐ろしさと無慈悲さが分かります。そういうものだから、 暴力を振るうアクション映画は、暴力を振るわれる側に立たない限りにおいて楽しめる。 大義名分に関係なく、暴力は発動されたら最後、一定時間、あるところまで行き着かない限り止まらないものだからこそ、抑えが効かないと大変なことになる。 毎日のように事件があり人が亡くなっている世の中だけれど、 知らなければ、なかったことと同じだという個人の現実の一方で、 こうした暴力によって人の命が奪われるということに、 その無念さに、胸が震えるわたくし---- ご冥福をお祈りすることが難しいくらいに、 心が痛みます。ご遺族の方たちの衝撃と悔やみ切れないお気持ち---- その痛みを思うと、言葉もありません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Sep 28, 2007 02:57:15 AM
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