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 月光院璋子の日記  beside you

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Ms gekkouinn

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Oct 5, 2007
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カテゴリ:眼差し
「窓辺の花瓶」.jpg

生存率----
何ていやな言葉だろうといつも思うわたくし。

がん保険が大流行の今日、
日本人の死因として≪がん≫が注目されるようになって久しいけれど、
だからといって、「がん生存率」という言葉が、こうも出回るようになったことに違和感を抱いてしまうわたくし。患者さんとそのご家族にとっては、知りたいことがそういうことならば、違和感を抱くのはやめないといけないのかもしれないけれど。

いやな言葉ですが、「がん患者の生存率」というからには、当然、病院施設における患者さんなのだろうと思いました。なぜなら、その患者さんを初診から亡くなるまで追跡できなければ、こうした調査はできないからです。
病院で癌の治療を受けて亡くなった患者さんが対象の調査----

そして、投薬にせよ手術にせよ、来院した当初に癌だと判明してから、施術を経て亡くなられるまでの患者の経過を知ることができる(できた)施設となれば、病院ゆえ、患者さんとしては、どこの病院にかかれば助かる可能性が高いか----といった情報を知りたくなる。
けれど、口コミや紹介で選んだ病院であっても、そこで亡くなった患者さんが調査の対象となっているのだということを思うと、引っかかるものを感じてしまいます。

そういう患者さんが対象になっているからこそ、
病院施設別生存率という調査も可能だったということで、
病院別生存率という言葉を聞いて、「施設毎に患者背景、病期の進行度等が異なりますのでくれぐれも生存率を安易に比較することがないようにお願いいたします。」という言葉がどれほど正しく伝わるものなのか疑問に感じられたわたくし。

kiyosi1.jpg

この「病院別生存率」という調査の情報開示の目的は、

 施設ごとの治療成績の開示を求める患者の要望に応えるとともに、
 各施設にある「差」の要因分析を促し、
 全国で同じ水準の治療を受けられるようにするため

とのことながら、
そういう風に情報が使われるのだろうかと。

患者さんたちの知りたいという要望に応じて
初公開されたとのことでしたが、
この配信されたニュース記事を目にしたときは、正直驚きました。

   ***   **   ***

国公立のがん専門病院などでつくる「全国がん(成人病)センター協議会」(全がん協、30病院)は4日、一部の加盟施設の胃がん、肺がん、乳がん、大腸がんの「5年生存率」を公表した。がん治療の中核施設でつくる全がん協が、施設名を明らかにして生存率を公表するのは初めて。施設ごとの治療成績の開示を求める患者の要望に応えるとともに、各施設に「差」の要因分析を促し、全国で同じ水準の治療を受けられるようにする目的がある。

   ***   **   ***

どんな調査なのか、その調査記録を読んでみました。
かなり厳密に行われた調査のようで、
患者さんの「癌」が、どの時期にあるかという病期、その病気判明率がほぼ100%で、
癌の「手術率」も80%~90%以上で相当に高く、だからこそ、そうした患者さんの「追跡率」というのも相当に高率なものとなっているのだと再確認。
生存率の調査は、癌別に記録されています。

いまや女性の4人に一人とまで言われるようになった乳がんの場合、
初診で判明した病期が1~3期までの「生存率」は、相当高い。
初期のうちに発見された乳がん患者は、
今は亡くなることはないとまで言われるようになっていますけれど、
それを裏付ける調査結果でした。けれど、
残念なことに4期以降は相当に低い----
そうした患者さんにも手術が行われているのだとしたら、
いくら患者が希望したとしても納得のいかないものを感じたわたくし。
少しでも「生存の可能性」があるなら、それに賭けたい----という患者側の思いは了解しますが、死亡率がほぼ100%の高さに跳ね上がる病期が4以降の患者さんに対して、医師の側はどういった説明を行っているのか、気になってしまったわたくし。
そこでは、告知を含めて主導権はどちらが握るのか。

無論、患者だと皆言うでしょうけれど---、わたくしの体験では、そうしたときに主導権を行使できるような精神的にも情報量的にも医師と渡り合って共同作業で癌と戦える4期以降の癌患者の方は決して多くはいらっしゃらない----
精神的にも経済的にも大変な負荷を強いる入院癌患者に対して、
癌の痛みと生存率を保障しない手術の痛みの両方に耐えさせるような施術や治療というのは、いかがなものかと個人的に思わざるを得ないわたくし。

肺がんや胃がんでは、
病期1期以外の患者さんは軒並み生存率が低いことに驚かされました。
2期の患者さんがオペをしても、いくら手術そのものが成功しても、
数年先には二人に一人は亡くなっている。
術後3年過ぎると、病期が2期、3期の患者さんの「生存率」に大差がなく、
4期以上の患者さんでは、数パーセントまで落ち込んでいました。

これは、大腸がんでも肺がんで同様で、
癌は早期発見なら助かるというけれど、
癌の初期に治療や施術が開始された患者さんは、
ほとんど盲腸の手術をした患者さんと変わらない「生存率」ではないかと。
調査結果を眺めながら、全体として
癌はそういう病気なのだという印象を強く持ちました。わたくし----。


だから、病院別生存率よりも、

kiyosi3.jpg

どうやったら早期に癌を発見できるのか、発見してもらえるのか。
そして、早期に発見された病期の浅い癌の場合、
どういった治療や施術なら「生存率」を100%に近づけられるのか、
少なくとも癌が死因とならないで済むのか。
手術そのものは成功したけれども、1-2年の内に亡くなる患者さんたちの存在、
病期が1期で浅いにも関わらず亡くなった患者さんの存在、
どうして亡くなられたのか---

そういった情報や研究調査の方が、
はるかに患者さんやその予備軍であるわたくしたちには
有効な情報なのではないかと思われたわたくし----


日本では今なお「民間治療」として医師たちに軽視されている治療法ですが、欧米の病院施設では鍼灸治療や指圧治療、漢方治療や食事療法、ヨガ治療、水治療やビタミン療法などが、がん治療やがん患者のために「病院での治療」として正式に認可され積極的に用いられつつあると聞きます。「病巣の切除手術」や「放射線治療」、そして投薬といった化学治療以外に検討していただきたい治療が、少なくとも併用を検討してもらいたい治療があるのではないかと。

また、末期のがん患者の方や高齢のがん患者の方たちのための「ターミナルケア」も、
日本では一部の病院でしか行われていない現状を思うと、

小鳥と胡蝶 1961 メゾチント.jpg

こうした「病院別生存率」の調査よりも、
全国で同じ水準の治療を受けられるようにすることを目的だといって、
こうした調査結果を報道を通して一般公開することよりも、
他にやってもらいたいこと、早急に検討してもらいたいことが、
癌以外の病気を煩っている多くの患者にとって数多くあるように思うのですけれど。

病気や病状もさまざまなれど、
多くの患者にとって本当に望ましい治療というものを、
ゆっくり考えてみたいと思ったとき、
そういった情報こそ知りたいと思うわたくし----

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今日の画像は、わたくしの好きな長谷川潔の作品から
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Last updated  Oct 6, 2007 08:45:37 AM
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