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カテゴリ:眼差し
若桑(わかくわ)みどり氏が、今週急性心不全で亡くなられました。 美術史家としてとても影響を受けた先生でした。 まだまだお若いと思っていましたが、 71歳になられていらしたんですね---- 若桑氏は、ご専門は西洋美術史。 西洋美術や、特にルネサンス美術などに興味をお持ちの方にとっては、 氏の図像解釈のご研究や著作を知らない方はいらっしゃらないと思います。 わたくしが学生時代、氏が出版された「薔薇のイコノロジー」という本から受けた影響は、 小さなものではなかったことを、訃報に接し、思い返しています。 後年、美術作品に登場する女性像の分析などで、 いわば芸術を切り口としたジェンダー(社会的性差)の研究にも力を入れていらしたので、 フェミニズムや女性学などに関心をお持ちの方たちにとっても、 馴染みの深い方だったろうと。 そのジェンダー関連の研究所を開設されてからは、 そうした方面でのお仕事が多くなられていらしたのではないでしょうか。 そうした関係から、 先の東京都知事選に出馬した当県の前知事を支援されたサヨク系、朝日新聞系と称される一連のグループの方たちのお一人として、若桑氏も参加しておられましたけれど、若桑氏の世代のことを思うとき、そうした社会活動への参画は美術史家でいらしても無理のない流れかなと了解しつつ、氏とは政治信条が異なっても、絵画のイコノロジー(図像解釈学)を日本にご紹介された功績への評価は変わらず、その説には異論反論をお持ちの研究者もおられるでしょうが、わたくしにとっては今後のお仕事(ご著作)が期待されていたお一人でした。 氏のご功績は、以下にご紹介したご著作の通りです。 美術史研究家というよりも、著述家という印象が大きくなられた---という思いはあれど、 わたくしにとっては、最初から最後までイタリアルネッサンス・バロック絵画や美術に魅せられた一女性、西洋美術史家の若桑みどり氏でした。 ご冥福をこころからお祈りしたいと思います。 以下、若桑みどり氏の著作の中から---- 一般に読みやすいシリーズ化されたものなど、 ご紹介しますね。 ★「薔薇のイコロジー」 ↓ ★「イメージを読む」 ↓ ★「マニエリスム芸術論」 ↓ ★「絵画を読む イコノロジー入門」NHKブックス ↓ ★「光彩の絵画」 ↓ ★「サイン・シンボル事典」 ↓ ★「象徴としての女性像」 ↓ ★「イメージを読む」 ↓ ★「もう一つの絵画論」 ↓ ★「アヴァンギャルド芸術論」 ↓ ★「カラヴァッジョ」 ↓ 最後の「カラヴァッジョ」は、 本の映像がないだけじゃなく、 品切れのようですので----、 興味をもたれた方は、 ネット古書店をお探しいただければ幸いです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Oct 6, 2007 11:08:28 AM
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