|
カテゴリ:どくしょかんそうぶん
「実際」のには殆ど興味ないがボクシング「漫画」は結構好きで、マガジンの「はじめの一歩」はもちろん、少し下って「太郎」とかも読んでいた。一番古い記憶が六田登氏の「陽気なカモメ」だったか。
スリの天才の主人公がその「速さ」を武器にボクシング界を席巻していく、という。そのスピードが並でなく、一番印象深いエピが、トレーナが水を飲んでいたコップをスリ取り残った水を握りしめるるという、まあ漫画表現だけど。 で、この”スピード”に対抗して現れるライバルが叩き付けるのが正に”パワー”。触れただけでも一撃で相手を気絶させるほどの破壊力を持ってクライマックスで主人公の前に立ちはだかる。 このスピード/パワーの対決はボクシング系のメインテーマでもある。幕之内と宮田、吉野とガルシア、のみならず現実の戦いでも。機動力重視の初期のドイツ装甲師団は街道上の怪物に立ち往生、身軽さ身上の零戦もパワーと防御のF6Fに破れる。神代は機動力と一撃必殺の20mmを持つ零戦型に近いかな(謎。 話がズレた。戻った。 ホーリーランドの神代は暇つぶしとイジメからの自衛目的で戦闘スキルを習得していくのだけど彼はプロではなく「街」に向かう、因みにこの「街」はこの作品で重要なキーワードになっている、みたい。つまりストリートファイト。なので原型はボクシングから入った彼の戦闘スタイルは今は足技も取り入れたキックボクシングに近いものになっている。 戦闘系の話の面白さはその戦法、戦術の積み重ねに、少なくとも私の興味はほぼそこに集中している。シミュレーション系各書然り、ガンスミ、エデン、少し離れてラストイニングもそう。特にこの作品では作者が実際に血反吐を流しながら獲得したとしか思えない解説が生の形で挿入されていてそれだけでも面白い。 そういうギミックの面白さとは別に、この作品は何というか、清々しさと鬱積した情念というか何というか、まあ一度読んでみてもらいたいけど。肯定でもなく否定でもなく、受容、それが出来るのが強さである、とか。少し違うか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Dec 4, 2004 04:43:47 PM
コメント(0) | コメントを書く
[どくしょかんそうぶん] カテゴリの最新記事
|