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カテゴリ:TVドラマ
年末年始は、スペシャルドラマや面白そうな映画がたくさん放映される。12月29日の夜も、テレビ朝日系で、ドラマスペシャルとして「吉原炎上」をやっていた。斉藤真一の「絵草子吉原炎上」、「明治吉原細見記」を原作にしたもので、かって名取裕子主演で映画化もされている。 吉原と言えば、江戸時代から、なんと昭和32年に売春防止法が施行されるまで続いていた、わが国でも有数の遊郭であるが、このドラマは、吉原で生きる女たちの悲しい話である。 このドラマの時代設定は明治40年。内田久野(観月ありさ)は、家族を借金から救うために、18歳で吉原の夕凪楼に売られてくる。すでに江戸時代は終わって、文明開化の世の中であるにも関わらず、このような人身売買のようなことが公然と行われていた。吉原の女たちは綺麗に着飾っていても、それは所詮地獄に咲いたあだ花なのである。常に病気や妊娠の恐怖に怯え、年季が明けないうちに死ねば、投げ込み寺に無縁仏として葬られる悲しい境遇だ。久野の周りでも、そんな女たちの悲しいエピソードが繰り広げられる。最後に、心も体も凍らせてきた久野にもやっと幸せが訪れたのは唯一の救いであった。 気になるのは、吉原の女たちの関係が、綺麗に描かれすぎていたのではないかということ。実際は、もっとどろどろしたものがあったのではないかと想像するのは考えすぎか。 ところで、このドラマにも藤田まことが夕凪楼の主人役で出ていた。京都殺人案内、はぐれ刑事純情派に続いて、テレビ朝日系のスペシャルドラマに連続3つも出演である。刑事をやったり郭の主人をやったり大活躍だが、74歳という年齢でこの活躍ぶりは見習いたいものである。 (原作) ・斉藤真一:「絵草子吉原炎上」、「明治吉原細見記」 (監督) ・猪原達三 (出演) ・観月ありさ(内田久野) ・星野真里(浅井雪乃) ・藤田まこと(赤倉鉄之助:夕凪楼主人)ほか ○応援クリックお願いします。 ○映画版「吉原炎上」DVD(主演:名取裕子) 風と雲の郷 別館「文理両道」(gooブログ)はこちら お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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