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国鉄天北線は、宗谷本線の音威子府駅から浜頓別を経由し南稚内駅に至る148.9kmの路線で、JR移管後の1989(平成元)年に廃止されました。廃止後は、地元のバス会社である宗谷バスが、ほぼ線路跡に沿う形で、転換バスを運行してきました。 この内、猿払村と稚内市を走る区間について、それぞれの自治体の公共交通総合連携計画に基づき、大きく再編されることとなりました。 猿払村 稚内市
猿払村
従来、天北線代替バスが走っていた小石~曲渕(駅名は「曲淵」だった)間は、公共交通の通らない区間となってしまいました。 バス路線の統廃合、乗合タクシー等の運行は、平成23年10月1日から始まっています。 極限まで人口が減少し、それでもなお最低限の公共交通を確保しなければならない地域があること。中距離の移動手段としての鉄道転換バスが、乗客の大幅な減少により維持が困難になってきていること。これらを考えた結果として、このような大幅な路線再編が行われたものと考えます。実際、旧鉄道線路沿いの恵北、樺岡、曲渕及びその周辺地区(通称天北地区)よりも、宗谷岬に連なるR238沿線のほうが、人口は集中しています。また、観光需要を考慮しても、転換バスの宗谷岬経由への変更は、妥当なものといえるでしょう。 駅を中心に街が広がり、2次アクセスの公共交通が展開していく鉄道の場合と、人口集積地を拾いながら路線をつなぐバスの場合とでは、路線の組み立て方にどうしても差が出てきます。しかしバスの場合、人の近くまで来てくれるという一見便利に感じる考え方が、実は所用時間の大幅な増加による利便性の減少を招いている事例もあり、難しいところです。 天北線もバス転換当初は、快速バスなどの運行もありましたが、乗客の減少が激しく、現在はすべて普通便になっています。調査によるとバスの利用客は、最盛期の半分以下に減少しています。バスの本数も減少し、音威子府~浜頓別間はたった4往復にまで減ってしまいました。旧鉄道線路に沿ってバスが走らなくなるのは、往時をしのぶという意味では残念ではあります。しかし、地域の公共交通を確保することが最優先です。 今後、日本各地で、このような鉄道転換バスの再編が行われていくものと思われます。
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Last updated
2012/02/25 12:27:10 PM
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