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テーマ:株式投資日記(19317)
カテゴリ:コーポレートガバナンス
オートバックスセブン情報その4 しつこくやります。
オートバックスセブンの転換社債差止め請求 その1 11/10 オートバックスセブンの転換社債型新株予約権差止め請求について その2 11/13 オートバックスセブン転換社債型新株予約権付社債 その3 11/14 約1ヶ月ぶりの登場です。 12月12日付のロイターによると、 オートバックスセブンは12日、自己株取得を中止すると発表した。東証と大証から転換社債型新株予約権付社債(CB)の発行に関する非適切な開示について改善報告書の提出を求められたため、現在の状況下で自己株購入は適切でないと判断したという。発行済株式総数の6.88%に相当する263万株、取得総額100億円を上限に11月16日から2008年3月31日までの期間で自己株を取得する予定だった。同期間に取得した自己株はゼロ。 とのことである。 さて、一連の転換社債発行経緯に係る「改善報告書」 ですが、これです。 これを読めば、企画か財務担当役員と思わしき人物に権力が集中し、ガバナンスチェックが作用しなかったことが原因と記されています。 この人たちが経営陣です。2代目社長とはいえ、オーナー家の会社でサラリーマン役員が暴走するのでしょうか? IHI のようなサラリーマン企業と同等に解釈することは、ちょっと不自然ですが・・・。 また、社外取締役・監査役会が形骸化していることも露呈してしまいました。社外取締役は、株主から派遣された経営陣の目付け役的存在であることを、市場からは期待されてます。 5月の種類株式発行に係る定款変更、転換社債発行、改善報告書(1回目は東証、大証から 「やり直し」 を受けています(カッコ悪)。 この間、この人たちは何を意見具申したのでしょうか? そして今回の自社株買いの中止発表。 自社株買いは本来、株価がアンダーバリューされているため、「自社の株はもっとポテンシャルがあるんですよ」 と経営陣がメッセージを送るために行うのが正論です。改善報告書の提出時期だから買うのを控えるのならわかりますが、今年度一杯は中止というのは「総合的判断」といっても良くわかりませんね。これだけ株主に迷惑かけたのだし、下記決算もいまひとつだったのなら、実施すべきだと思うのですが。やっぱり説明不足なきがする。 一方、さかのぼること11月22日には 英投資顧問シルチェスター・インターナショナル・インベスターズ(ロンドン)が、オートバックスセブン(9832.OS: 株価, ニュース, レポート)の株式を買い増したことが分かった。22日提出の大量保有報告書によると、11月19日時点の保有比率は5.22%になった。11月15、16日に5万株ずつ、同19日には12万5000株を市場内で追加取得した。 東京地裁は11月12日に、シルチェスターが申し立てていたオートバックスの増資差止め請求を却下する決定を下していた。その後シルチェスターは、希薄化などを嫌気し値を下げたオートバックスを追加取得したとみられる。 なんとシルチェスターは敗訴後即、オートバックス株を買戻し、買い支えてくれていたのに、自社株買いをやめたため、また株価を下げてしまったことになります。 また、12月12日に発表した中間決算は増収減益でした(個人的にはこれも株価下げ要因だと思うが)。 株価推移2ヶ月 07年9月中間期 06年9月中間期 08年3月期予想 売上高 (百万円) 99,068 97,359 208,500 (+1.8%) (+1.5%) (+2.6%) 営業利益 (百万円) 4,794 6,894 8,600 (-30.5%) (-1.9%) (-37.5%) 経常利益 (百万円) 6,067 8,861 11,100 (-31.5%) (+9.5%) (-35.3%) 当期利益 (百万円) 3,318 5,586 6,400
ガバナンスが弱く、株価が相対的に低い企業はアクティビストや敵対的買収にもっとも狙われやすいのですが、シルチェスターという 「味方」 のおかげか、そういうことにはなっていないですね。シルチェスターはあくまで 「長期安定株主」 ですよ(9年以上保有しているらしいですから)。 こういう社内のゴタゴタ・チェックの甘いガバナンスが原因で株主にご迷惑をかける会社が、M&Aで成功するとは思えません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007/12/15 02:39:27 AM
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