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2009年09月28日
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テーマ:お勧めの本(7221)
カテゴリ:カテゴリ未分類


「エリザベス」というタイトルの本、前から気になっていたのですが
かなり分厚く値段もそれなりにするので購入をためらっていたところ
図書館で見つけて借りてきました。

エリザベス女王と周辺人物の生涯についてはいろいろな映画や劇に
なっていますが、本当に最初から最後までドラマチックな人生です。
そのエリザベス女王について、この本は本当に細かく資料を調べて
詳しく書いてありました。前に同じ作者の「ヨーロッパの王妃」と
いう本を読んでいて、この本に出てくる主な登場人物の名前と家柄
肖像画などはだいたい知っていたのですが、それでも細かくて複雑
なのでところどころとばして読みました。

前半、エリザベスがまだ女王となる前の部分で気になったことは
映画「ブーリン家の姉妹」のヒロインでエリザベスの母になるアン
ブーリン、映画ではかなり勝気で野心満々の女性に見えたのですが、
この本ではアンのお父さんがマルガレーテの学校(マルガレーテは
神聖ローマ皇帝マクシミリアンの娘でフェリペ美公の妹、兄とファナ
の子であるカールなど4人を手元に引き取って育て、一流の学者を
集めた学校を作った)に感激して娘のアンをそこに預け、宮廷作法を
身につけさせてイギリスに帰国後は王妃に仕えて有力貴族の目にと
まってくれればと考えていたようで、アン自身も家族も最初から王妃
の座を狙っていたわけではないだなと感じました。

でもそのアンがキャサリン王妃に仕えるようになったころ、王妃と王
の間にはメアリー王女一人しか無事育たず、後継者の男の子を熱望す
る王ヘンリー8世は別の女性に目を向けます。その時目にとまったの
がアンで、彼女は姉メアリー(映画では妹になっていた)が王の愛人
になって子供まで生んだのに捨てられていたことや、宮廷作法を学ぶ
中で結婚まで男の人に簡単に身を任せてはいけないと教えられていた
ので、王の求愛に簡単によい返事はしません。

拒絶されてますます恋の炎が燃え上がったヘンリー8世、情熱的な
ラヴレターを何通も書いてそれが本の中で紹介されてましたが、その
後の結末を知っているだけに、これらの手紙が情熱的でやさしくある
ほど、なにこれ!とものすごく腹が立ちました。王の情熱的な求愛に
アンとその家族も野心が芽生えてしまったのでしょう。そしてヘンリー
8世は離婚を認めないカトリック教会とも決別してキャサリン王妃と
離婚し、アンと正式に結婚します。

ここまでしておきながら、生まれた子が女の子(後のエリザベス1世)
だったためにヘンリー8世のアンへの愛情は急激に冷め、別の女性に
目をつけます。そして前回離婚するのが大変だったので、アンが弟を
含む5人の男と姦通したという罪をでっちあげて・・・この時巻き添
えになった若者は本当に気の毒です。アンと弟は貴族だから首を切ら
れるだけで済んだけど、他の4人は殺され方も本当に残酷でショックを
受けました。王のそばで仕え将来を約束された優秀な若者達だったで
しょうに、全く罪はなくただ王の身勝手を通すためという理由でここ
まで酷い殺され方をするなんて・・・ここまで読んでからもう1回王
のアンへのラヴレターを読むと、とにかく腹がたってムカムカしました。

ヘンリー8世の離婚、結婚騒動でもう1人大きな被害を被った女性とい
えば、キャサリン王妃の娘、後にメアリー1世となるメアリー王女です。
彼女は最初父ヘンリー8世から目の中に入れても痛くないというほど
かわいがられていたのに、両親の離婚と不遇な生活の中での母の死、アン
からの冷たい仕打ちなどで心身症になるほど苦しみます。母キャサリン
から生まれた男の子が1人でも無事育っていれば、いくらヘンリー8世
が浮気っぽくても離婚などということは決してなく、メアリー王女は
幸せなままちょうどよい年齢でどこかの国の王に嫁いでいたでしょう。
彼女はいとこであるカール5世を慕っていろいろ相談し、その息子の
フェリペ2世と結婚しますが、女の盛りを過ぎた年齢で11歳も年下の
夫に絶望的な恋をし、おそらく夫の気持ちをひきつけ同じカトリックの
同志だとアピールするためにもプロテスタントの弾圧を強化して片っ端
から処刑し、後にブラッディメアリーとあだ名されるようになります。
フェリペ2世との間の子を熱望し、想像妊娠までしてしまう女の性の
悲しさ、運命がちょっと違えばまったく別の幸福な生涯がおくれたはず
なのにと思ってしまいます。

ヘンリー8世の6人の妻の中で、肖像画と違って美しくないのですぐ離縁
されたというアン・オブ・グレーブ、1番気の毒なタイプかと思えば、王
の機嫌を損ねず離縁に応じたので、その後も王の妹として宮廷に自由に出
入りし、2人の王女に次ぐ地位を与えられて6人の王妃の中で1番長生き
しました。王女メアリーはこのアンを慕って、自分が女王になった時には
父ヘンリー8世の正式な妻であったと認め、彼女が豊かに暮らせるように
配慮しています。メアリーにこんな一面があったというのは驚きましたが、
もともと彼女は自分も苦労しているだけに理不尽な立場に置かれた人には
同情しやさしくなれる、根っから残忍な悪女ではなく、いろいろな条件が
重なって結果多くの人間を殺すことになってしまったように思えました。

エリザベスが女王として即位する前、本の内容では全体の3分の1ほど
読み終えたところでも、かなりのドラマがありました。この本は主人公
の心情を深くさぐったり、ドラマチックに盛り上げることは少なく、学術
論文か歴史の教科書のような感じで事実や資料に基づいて淡々と書かれ
ているのですが、それでも内容の重さ、迫力に圧倒されました。







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Last updated  2009年09月28日 10時12分30秒
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