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2012年06月22日
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カテゴリ:映画
テレビで「ロード・オブ・ザ・リング」を見るとどうしてもボロミア、ショーン
ビーン出演の他の作品が見たくなる、ということで若き日のボロミアが
モデル役で出演しているデレク・ジャーマン監督の「カラヴァッジオ」の
DVDを見ました。

このDVDはもともと若き日のショーンが見られるという話を同じファン
の方のブログで知って何年か前に購入したものです。このDVDでカラ
ヴァッジオという画家を知りその絵に興味を持つようになったので、モデ
ルは若き日のボロミアと私の頭に刷り込まれてしまっていました。だから
数年前ボルゲーゼ美術館展で「洗礼者ヨハネ」の絵を見た時、この絵の
ヨハネはこんなに若い少年だったのかと驚きました。この絵は画集など
で何度も見ていたはずなのに私の頭の中では若き日のボロミア、映画で
の刷り込み効果はすごいです(笑)でもおかげでこの「洗礼者ヨハネ」は
イタリアに行ったらぜひもう1度見たい絵になりました。上野で長い時間
同じ絵ばかり見ていたけど、それでもやっぱりこの絵には特別な思い入れ
があり、できればボルゲーゼ美術館の建物の中、教皇と枢機卿になって
美術品を集めまくった叔父甥コンビの自慢のコレクションの中で見たい
です。

最近公開されたアンジェロ監督の「カラヴァッジョ」と違って、デレク・ジャー
マン監督の「カラヴァッジオ」は監督の大胆な解釈で脚本が書かれ、史実
とはかなり違っているようです。あの時代になかった物もたくさん登場する
煙草。眼鏡はどうだったのだろう、電卓、オートバイ、タイプライターは絶対
ないだろうと(笑)服装も現代風というか少し前の時代のようでした。物語も
年代順になってないのでわかりにくい、それでも1つ1つの場面の美しさ
や光と影のバランス、登場人物の存在感は圧倒的でした。

若き日のボロミアことショーンは彫刻のような顔立ちでキラキラ光る金髪、
もうこの姿が見られただけでDVD購入の元を取った(かなり高価だった)
と思えるくらい素晴らしいものでした。カラヴァッジオ、レナ役の人も雰囲気
が合っていました。どのシーンも絵を思わせるような雰囲気で、特にラヌッチ
オをモデルに「洗礼者ヨハネ」を描くところなど溜息がでるほどです。モデル
となったラヌッチオは聖人とは程遠い人間で酒場で賭けごとをやったりボクシ
ングを見せたりして稼ぐチンピラです。でもその肉体(薄暗い中一定の方向
から光があたって筋肉が浮かび上がる)と顔の美しさはこの世のものとは
思えないほど(笑)うーん、これなら画家が恋するわけです。

画家カラヴァッジオとモデルラヌッチオの関係だけでなく、ラヌッチオの愛人
レナも画家が気に入ってモデルにし、さらにシピオーネ(ボルゲーゼ)枢機卿
もレナに手を出すからいろいろな思いや嫉妬が入り混じってもうメチャクチャ
結果このもつれた関係の嫉妬で悲劇が起こります。カラヴァッジオは殺人を
犯した画家として有名ですが、その動機を「愛」と解釈した監督は大胆です
が、この映画はその解釈が納得できるストーリーになっています。史実と合
っているかどうかは別にして、映画の中で物語は完成して人物が生きている
(印象が強すぎて別のイメージで絵が刷り込まれてしまうくらい)フィクション
の世界で見事に完成した映画だと思いました。

その他、今回見てあらためて感動したのがエルサレムの存在、口がきけな
くて羊飼いになれないという貧しい家の少年をカラヴァッジオが助手にして
絵具の作り方と色を教えるのですが、最後までカラヴァッジオに付き添うこの
青年の姿も印象に残りました。口がきけないからこそカラヴァッジオの気持ち
を一番よくわかって同じように喜んだり悲しんだりしているのは彼だなと。エル
サレムという名前や彼も「洗礼者ヨハネ」のモデルをしていたということも象徴
的で、彼こそ荒野をさまようヨハネだと思いました。ボロミアモデルでインプット
されていた私の中のヨハネはすごく傲慢でプライドが高い人間でしたが、この
エルサレムモデルで上塗りすると、深い悲しみを知っているまったく別のタイプ
でイメージできます。

アンジェロ監督の映画では友人のマリオが髪に花を飾ったりしてモデルになっ
ていましたが、デレク・ジャーマン版では若き日のカラヴァッジオ自身がデル
モンテ枢機卿のそばでギリシャ風の衣装を身に付け髪に白い花をさしていま
した。少年カラヴァッジオに読み書きを教え、ブルーノのことを話す枢機卿、
聖職者が異端者の説を話題に出すなんてありえないと思いながらも、髪に
白い花を飾ることからして妖しい関係を匂わすし(笑)この倒錯した雰囲気の
中で異端者の説を教えるのは案外ぴったりなのかもしれないと思いました。
時代考証とか考えると合わない物がたくさん出てきますが、宗教改革、異端者
の処刑、戦争などなど混沌とした時代に生きた画家の迷いを描くためには
近い世界ができあがったようにも思えます。





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Last updated  2012年06月22日 12時00分28秒
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