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2013年10月23日
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カテゴリ:芸術


ターナー展、2回目見に行きました。例によってこの記事もまた
個人的な感想ばかりなので、学術的な批評や内容は期待しないで
ください。

前回は1人で行って講演も聴いてきたのですが、今回は芸術鑑賞は
好きだけどターナーについてはよく知らない、私のプログを見て興味
を持ったからという友人と一緒なので責任重大(笑)かなり緊張しま
した。ツアーの添乗員気分、いやそれよりも息子の個展を見に行く母
の気持でした。自分自身も実の息子も芸術とはまったく縁がなく、また
自分の祖先をどう辿ってもターナーとは絶対結びつかないのですが・・
彼の実の母親は息子の成功を知ることもなく精神病院で亡くなっています。

お昼すぎに待ち合わせしたのでまず軽く昼食を食べ、さっそく持っていた
小さな本でターナーの肖像画を紹介、「わーかっこいい、かなりイケメン
だったのね」の言葉に心の中でやったー!と叫び、「でもあの自画像はアカ
デミーを意識してかなり美化したみたい、実物はこんな感じかも」本の中の
他の人が描いた絵を見せる、いやはやホント息子を紹介する母の気分です。
まずはとっておきの1枚という写真を見せ、その後にそれほどでもないと別
のも見せる、やっぱり最初に見せたのが印象に残るのです。

初期の作品は最初にしっかり年齢を計算しておいて、「この絵はこんな若い時
描いたのよー」とか「この絵は同じ年のお友達と共同作業で描いた模写なの」
なんて感じで息子自慢です。一緒に行った方はかなり美術に詳しいので、画材
に特に注目し、「水彩画なのに油絵のように描いていて、逆に大きな油絵が水彩
画のように描かれている!」と感動してました。

今回も強く印象に残ったのは前回と同じ「レグルス」、それから「ヴァティカン
から望むローマ・・・」です。ラファエロの顔がある漫画の登場人物にそっくり
だと盛り上がってしまいました(笑)この絵は最初からアカデミーに出すことを
意識して描かれたのでしょう。とにかく大きく豪華で美しい、これぞアカデミー
という見本のような絵です。青空の美しさにイタリアに行ったことのあるその友人
に聞いたところ、確かにローマの空は晴れていればあのような色だそうです。そし
て、すぐそばにあり絵にもその形がわかるようはっきり描かれているサン・タン
ジェロ城、ここは私の好きな歴史上の人物複数が幽閉され、拷問されたりその後
処刑されたりしたといういわくつきの場所です。こんなにも美しい空の下、絶頂期
のラファエロが見た光景(実際にそこでラファエロが絵を描いたわけではないが)
のすぐそばで拷問に苦しんだ人がいた、「レグルス」と同じように美しい光のすぐ
そばにあった深い影、痛みがキリキリと感じられ息苦しくなりました。絵を見て
その描かれた場所のエピソードをよく知っているからという理由もあるのですけど
こんなにも感情が揺さぶられるというのはターナーが初めてですし、おそらくこの
先もまずないと思います。

ターナーの絵はとにかく技術があるので美術の教科書に出てくるような絵が多いの
ですが、個人展でアカデミーに出展したものや売れた絵以外のスケッチや下絵など
もたくさん展示してあって興味深かったです。海戦や難破船など海に関する下絵が
多く、この絵は王室から注文されたけど結局気に入られなかったとか、下絵を見せた
段階で注文主から断られた、なんていう説明が書いてありました。ターナーは若くし
てロイヤルアカデミーの正会員になり、絵は高く売れて画家としては大成功したけど
それでも自分が本当に描きたいと思う絵(嵐の海や戦争の悲惨さ、難破船など)と
王室や注文者が欲しがる絵(勝利をたたえる、静かな海と美しい船)が大きな隔たり
があって、葛藤を続けていたのかなとも思いました。

私はもちろん技巧をこらした美しい絵に感動するのですが、ターナー展では色の始まり
習作のような作品を見るのもとても楽しみです。これらの絵を見ると私にも描けそう、
という気がしてくる(笑)そして描きたいなあという気持ちになるのです。子供の頃
水彩絵の具で適当に色を混ぜ、紙に描くのが楽しくてたまらなかったことを思い出し
ました。絵で大成功をおさめた彼が、自宅で1人売るということなどまったく考えず
に雨や光、雲を表現しようと無心に筆を動かしていた、絵を描くこと、表現すること
の根源的な喜びを教えられ、涙が出そうになりました。やっぱりターナーは私にとって
特別な画家です。







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Last updated  2013年10月23日 11時47分58秒
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