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2009年03月19日
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カテゴリ:仕事
美容院に行ったとき希望のスタイルを伝えるときって皆さんどうやって美容師に伝えてるんだろうか。

実に様々な伝え方がありその人の個性が出るんだが、自己主張度(こんな髪型にしたいと積極的に美容師に伝える度合い)で分けるとすると大まかに分けてこんな感じだと思う。

1.自己主張度0%:   『お任せします。』
2.自己主張度50%:  『長さはこのままで後はお任せ。』
3.自己主張度75%:  『大体こんな感じで横だけ短めに。』
4.自己主張度100%: 『この写真と同じ髪型で。』

他にも細かく分けられるんだが大体こんな感じ。

1の0%お客さんは何人か居るのだが、ホントに勇気ある人ばかり。今思い浮かぶ顔は男性3人に女性2人。お任せします=思いっきりやっちゃってください、とどうしても取ってしまうので、一応『マジにバッサリいくかも知れないけどマジにいいですか。』と最終確認を念入りにしてそれでもいいと言うとマジに思いっきりやっちゃっている。
男性の中の一人は随分長いお付き合いで、ものすごくおとなしい中国人の男の子。最初はなんとか話を咲かせようとアレコレ話かけたりしたんだが、必要以上に話さないし目を合わすのも苦痛な様子。元々美容院に来ている人は髪をいじってもらいに来るわけで喋りというのは二の次である。なので、3回目位からは話しかけるのを辞めて黙々と喋らずお仕事に専念することにした。毎回来るとハローと挨拶し答えは分かっているんだが『今日はどうする?』と聞いている。『お任せする。』と一言聞いた後は切り終えるまで全くの無言。業界雑誌なんかを見ていると過激なスタイルなんかをよく見かけるんだが、コレはこうなってるんだろうか、、と考えてみて次にこの子が来た時に思いっきりやっちゃったりしている。
『何もつけないとこんな感じだからこの辺にワックス付けてこうやってね。』
『。。。。。。。。。。。』
『どんな感じ?』
『。。。。。。。。。アイライクイット。』
毎回こんな感じなんだけど毎回帰ってきてくれるのできっと気に入ってくれているんだろう。

さてさて今日はヒマヒマデーで午後の予約にボカッと空き時間があり、何しようかな~と悩んでいたところ、韓国人兄妹がその時間に来てくれた。
この兄妹、2人揃って毎回ものすごーーーーーーく髪型で悩みぬくタイプである。毎回毎回韓国サイトからプリントアウトした写真を何枚も持って来るんだが、どれにしたいのか分からない。そして一旦選んだとしても『チョッと待って、こっちも捨てがたい、、。』ととにかく決まらない。
この2人の場合、上のどのカテゴリーにも入らず強いて言うなら『自己喪失度99%』である。そしてその自己喪失状態から希望しているものを探り当てるのも美容師の大切な仕事である。
最初の頃何回かカットの前のコンサルテーション(カウンセリング)でカット時間を軽く超える時間を割いて話をじっくり聞いたんだが、結果どれだけ話を聞いても自ずから答えが出ることは無いと判断した。
なので、その後は10枚くらい並んだスタイルの中から、この兄妹達が毎日スタイリングに掛ける時間や普段の服装などから考えて一気に枚数を減らしていく。で、コレはこうだからこうなるよ、あっちはああだからこうなるよ、と予測できる問題点を一気に喋りその時の向こうのリアクションを見て、んじゃー今日はコレにしようよと決定する。

ちなみに持ってきてくれる写真を見ると、韓流スタイルと言うのは独特な部分がありオモシロイ。日本の近隣国で見る限り、台湾、香港はほとんど日本の流行を追っていて、お客さんで帰国する人が居れば頼んで現地のヘアカタログを買ってきてもらうんだが、中には日本のヘアカタログをそっくり載せている雑誌も多く お客さんも日本の雑誌持参したりファッションもヘアスタイルも日本とほぼ同じである。ところが韓国、中国本土になると独特な流行を持っているようで、中国本土の場合は例えば上海なんかはわりと日本寄りなんだけど他の地域の人達が選ぶスタイルというのは、やっぱり独自のものである。韓国もまた同じで、男の子のヘアスタイルにしても削いだりすいたりするのが基本な日本のものとは違ってこってり重さを残したものも多くあって見ているだけで楽しい。

今日はこの妹の方はそろえる程度で前フリのコンサルテーションも5分ほどで済んだのだが、兄の手にはまたしても大量のプリントアウトが握り締められている。
どれ見せてみろと全部手にとってみると、珍しく日本のサイトからゲットしてきたものらしい。大体一番上のが一番気に入っているようだ、というパターンは読めてきたので、一番上のを見てみると、ガッツリ削いだソフトモヒ。更にこの子的には難易度のかなり高い、額の生え際思いっきり短く刈りこんだバージョンである。
コンサルテーション開始。
『お。珍しいの持ってきたね。韓流じゃないね今日は。』
『この前髪が凄く短いところが変わってるなと思って。』
『全体的に今までこんなに短くしたこと無いけど、今日持ってきてるのは短いのが多いね。』
『やってみようかなと思ったんだけど似合うかどうか分からないし、、。今までと同じような長さのはコレとコレとコレと、、、』
『ハイ。それ全部ボツ。横にどけて。』
『え?』
『今日は短くしよう。え~と短い中からモヒ系以外の全部ボツ。』
『でも、コレなんかは結構好きかもしれないって、、。』
『去年やったのと同じような感じだからボツ。横が広がりやすいって次の週に直しに来てた。』
『ハイ。。。』
『んで、前髪短くする勇気は?』
『ずっと考えてても分かんないんだ。カッコ悪かったらイヤだし でももし似合ったらかなり個性的でいいと思うし、、、。』
『ほぼ100%イカツクなるね。イカツクなりたい?』
『え、、、どうしようかな。。。。』
『ビビるのなら辞めた方がいい。自分のヘアスタイルにビビってるのは顔に出ちゃうし、そうだと似合うものも似合わない。今日は前髪刈り込むのはナシ。』
『。。。。。。。。。。。。』

さっさとハサミを取り出して、いきなりザクっとカット開始。今までショートでも全体の長さを残してたんだが、今日持ってきた写真はほとんど地肌みえるくらいのベリーショート。よっぽどイメージチェンジしたいんだろう。過去のやりとりから判断して、やっぱり、、、と始まる前に選択肢を絶つ。顔立ちや服装からすると似合うはず。ただビビってると本当に似合わなくなるので他の部分を切ってるうちに最大の難関の前髪部分は散々悩んでもらう事にした。本当にいつも一番上の写真の一番不安に思ってると指摘する部分が一番やりたいようなのだ。

鏡の中でバサバサ落ちてく髪を見ながら時々手を出してきて前髪を押さえてみて生え際激ショートだとどうなるのか自分で想像しているようだ。最初にハッキリ反対しちゃうと彼の頭の中では、でも、、でも、、と反論が始まる。会話の中でも本当に『But』の登場回数がかなり多い。最初に全否定しちゃってその後のButの登場回数が一定を超えちゃった場合はゴーサインなので、マトモに相槌打ちながら延々と話を聞いているよりは答えが見つけやすい。

髪の毛これだけ短いし立ちやすいように根元もすいたからワックスはどんなタイプでもいけるから大丈夫とか、襟足は長いと次来るまでにとんでもないことになりそうだから、写真より短めにするとか、極力前髪に触れずに進んでいく権造。
オッケー、But前髪は、、、。アイシー、Butもしそれで前髪短くしたら、、、。
いーち、にーぃ、さーん、しーぃ、、、とButを頭の中で数えつつ大体仕上がった。前は刈り込んでいないソフトモヒ完成。完成までの間のBut数12。
いつもの基準と言うのはBut数7。今日は彼にとって難易度高いのでカットを始める前にBut数10に設定してみた。そして結果はそれを超えるBut数12。
思いっきりゴーサインである。
更にこれだけ短くしちゃったら、すでに生え際2センチ弱なんて大勢に影響はナシ状態。
よっしゃ、ゴーにしよう。

鏡を見ながらまだ前髪について悩んでる本人に告ぐ。
『前はやっぱり刈り込んだほうが絶対にカッコいいね。』
『えっ!ホント?』
『切ることに決定する。髪の毛顔にかかるからクローズユアアーイズ。』
『えっ!!』
そして速攻で切っちゃった。

その後スカルプマッサージをしてからシャンプー。
帰ってきた兄貴をみた妹はホニャララホニャララ~~!!と笑いながら兄貴に韓国語で何か言ってる。背中バンバン叩いてたりするので、自分に都合よく『ちょっと~~。兄ちゃん、結構イケてるじゃ~~~ん!!』と勝手に訳させてもらい、その後ワックスの付け方なんかを説明しておしまい。
ワ~~~オ、ワ~~~オと鏡を見ては興奮してるので気に入ってくれたようだ。

この彼の場合、初めてやってきた時のコンサルテーションであまりにも話を聞きすぎて、更にその話の内容を出来るだけ叶えようと思ってしまって、初回のカットはぶっちゃけ失敗であった。それなりに形にはなっていたものの、本人とちぐはぐなイメージがあり何だかどうも、、と思ったりした。
なのでその後は本人の好みよりも本人の話し方の癖を研究するようにした。
講習会なんかでよく言われるのが、『美容に関するサービスの仕上がりというのは7割方がコミュニケーションに左右される。』というものである。
カラーリングなんかでも顕著である。茶色一つ取ってみても何十種類もの茶色がある。『チョコレートブラウンにしたい。』なんて言われてハイハイとそのまま聞いてしまうと大変なことになる。大抵の場合は人によって色に対するイメージとその呼び方ってのは恐ろしく異なるものなので、写真なんかを見せて『この写真のどの辺がチョコレートブラウンっぽい感じだと思う?』とかお互いのイメージを一緒にしておかないと、自分じゃ完璧!と思っても全然お客さんからしてみれば気に入らない色になる事もある。

駆け出しの頃はコミュニケーションのとり方が分からずによく失敗したものだ。
コンサルテーションを専門に学ぶ講習会なんかもあるので、よくおかまっちに放り込まれた。
上に書いた兄妹の場合は特殊な例だけど、普段はとにかく聞く聞く聞く。そして相手の言葉を自分の言葉に通訳するようなものである。
そしてすっかり長い付き合いとなった常連さんに対してもそうだ。
向こうからいちいち聞かなくってもいい、と言われた場合は別として、何年も何年も同じ髪型してる人にもなるべく毎回、今日はどうする?何か変えてみる?と聞くことにしている。

ウチの女王なんかはすっかり命令タイプ。
皇后さまなんかは相手の話を聞く前にまずパッと見から判断した自分の考えを言うタイプ。
スタイリストによってコミュニケーションのとり方も様々でこれも見てて面白い。

って事で。
美容院に行ったときにはこっちの考えなどお構いナシにどんどん伝えて欲しい。
その中から一個ずつ拾って形にしていくのもこっちのお仕事な訳で。





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最終更新日  2009年03月19日 14時43分04秒
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