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この広い空のどこかで今日もいい日旅立ち

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Jan 23, 2006
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カテゴリ:映画
ひとりで映画に行くときはたいがいシネ・コンでハシゴをして2本の新作を見る。
2本とも満足ということは稀だが、今回その稀な大満足でおおいにほくそ笑んだ。
1本目はシャーリーズ・セロンだからこそ見た。シャーリーズでなければパスしていただろう。またまたの汚れ役である。ちょっとしんどいかなあという題材で、危ぶんだが、あと味は極めてよろしく、「モンスター」(2003)のような滅々の想いはない。スタンドアップ(2005)である。
しかもまぎれもなくシャーリーズがいて、それは美しさの片鱗、強靭な意志の片鱗、美しき百面相のコラージュという一面よりもなによりも「モンスター」の、シャーリーズ何処に出てた?と思っても不思議でないくらいの大変身を通過した後なので、ここにはやはり美貌が見え隠れすることすらが嬉しくなる。
映画はまことにシリアス、これこそセクハラ、この現実をどうしてくれようというばかりの酸鼻を極めるセクハラがリアルに描写される。これはどこかに救いがあるのかと息をつめ、人間はここまで卑劣破廉恥を尽くすのかと惨憺たる想いに駆られるほど、それは実に怜悧な切込みで追うのである。恐るべき女性監督ならではと言いたいワザである。
四面楚歌は延々と続く。肉親ですらが敵の振舞い、敵の言辞を弄して、それ見たことかと、現実の厳しさを傍観するのみ、お前ら一片の愛情すらあるンかいな、といささかイライラもさせながら、耐えに耐え、引き絞るだけ引き絞ったカタルシスが遥かにようやく訪れ、待ち受けているとも知らず。
簡易トイレに入ったシャーリーズを外からゆすってトイレごと転倒させ糞まみれにしてしまうこれも徹底した汚れ役、もういかなるシャーリーズも見るぞと、改めてこの女優の気迫にも打たれ、この美しさはその覚悟の美しさであると惚れ直す。
注文は時に優雅典雅な颯爽たるシャーリーズもお願い!というところ。
さらなるお好み2本目は余韻も冷めやらぬ明日にも。
「デジタル・シネマ・ダイアリー」





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Last updated  Jan 23, 2006 07:33:35 AM
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