なんくるない
闘病中は、よしもとばななや梨木香歩の小説ばかりをむさぼるように読んでましたが、すこし落ちついた今でも、心を柔らかくおだやかにするために欠かせない物語たちです。よしもとばなな『なんくるない』は沖縄が舞台の4編。珊瑚礁の海のきらめきや、うつろいやすい天候、原色の花々など、生の開放的なムードにあふれた小説で、東京生活でひたすら狭く狭く縮こまっていた背すじがのび、華やかに解き放たれるおもいがありました。「体と考えとやってることがいちいちばらばらになると、きっと簡単に病気になっちゃうんだ。」という「なんくるない」のトラの台詞には身につまされるものがあります。体と考えとやってることを同じ方向にするのが、いまの自身に与えられた課題なのかもしれません…。表紙の絵がらも大好き!