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仕事中に友人から携帯にメールが入り、「今夜市陸で、アルビのサテとU-20日本代表の練習試合がある」と知らせてもらったので、仕事を終えて速攻で市陸へ。
到着したのは18時半過ぎで、ピッチではすでにアルビとU-20日本代表のメンバーがアップをしていた。

一緒だったのは、ホークスファン兼アビスパサポの新潟在住筑後人KくんとMちゃん、そしてアビスパゴール裏「ウルトラ・オブリ」のメンバー数名。彼らの目的は、U-20のアビスパ福岡の2人、中村北斗と柳楽（なぎら）智和の応援。
「福岡から世界へ」
という急ごしらえの、日の丸入りのダンマクまで作ってきていたのがさすがだった。本人たちに見せるのはもちろん、U-20日本代表の大熊監督へのアピールのため、だとか。さすがウルトラ・オブリ。やることが違う。

ワタクシはといえば、本日の目的は、
・U-20日本代表FW・前田俊介 vs アルビレックス新潟DF・藤井大輔の一騎討ち
・U-20日本代表“飛び級”MF・山本真希（清水エスパルスユース）
であった。
こういう練習試合は、試合の勝ち負けなどは二の次か三の次でよろしい。結果よりも個々の選手の力を見せていただくに限る。

アルビのメンバーは、桑原とミヤ（キャプテンマークをつけていた）、青野が出ていたのが目についたが、諏訪を除く高卒ルーキー4人やユース、JSCの選手も加わって、フレッシュな顔ぶれ。ひとり小さい選手がいたのだけれど、どうもあれは噂のアトムくんであったようだ。
一方のU-20日本代表は、昨日のチリ戦スタメンメンバーはほとんどいなかったようで、スタンドに詰めかけていた人たちのお目当てであっただろう、平山や増嶋、カレン・ロバート、本田もいなかったし、森本の姿もなかった。
アビスパ組の中村北斗も昨日スタメンフル出場だったせいか姿はなく、柳楽はスタメンで出て来たし、前田も存在感たっぷりであった。そして杉山浩太や山本真希の姿も。

先に試合結果を書いておくと、2-2のドロー。後半になるとアルビはユースやJSCの選手を続々と出場させたので、そりゃもお、若くてフレッシュでピチピチで、U-20日本代表相手に引けを取らないところを見せてくれたのは大収穫だったと思う。その中で、ベテラン桑原がフル出場したのは、感慨もひとしお、といったところであった。

でも、それよりもなによりも、観ていてワクワクしてしまったのは、本日の目的の一つであった「前田 vs 藤井」の対決シーン。
この二人は去年まで広島ユースのチームメートだったし、去年7月の国際ユースサッカーIN新潟では、ともにU-18日本代表メンバーとして出場していた間柄。今度は敵として相見えたわけだ。
きっと、お互いに強烈に意識しているんだろうなあ、と思っていたのだけれど、幾度となく訪れた1対1のシーンでは、意地と意地がぶつかり合っているのがビンビンに伝わってきて、思わず目が釘付けになってしまった。
前田のスピードや、動き出しの速さ、駆け引きの巧さはさすがで、今日のメンバーの中では別格だった。一方の藤井も、先日のナビスコ浦和戦で初メンバー入りしたことが大きな自信になっているのがプレーに現れていて、最終ラインの堂々たる統率っぷりといい、アルビの中でも存在感が際立っていた。
才能のある若い選手の火花が散るような対決は本当に面白くて、見飽きることがなかった。
いいなあ、この二人。将来は、A代表でもチームメートになるよ、きっと。

そして、もうひとつの目的であった山本真希。
今日はスタメンではなく、後半開始でも出て来なかったので、今日も観られないのかと諦めかけていた矢先、途中交代で出てきたのだった。やっほー。
そして、出てきてすぐにシュートを放つあたり、いかにも山本真希らしい。何しろ、国際ユースサッカーIN新潟の決勝でも、後半に途中交替していきなり決勝ゴールを決めた、底知れぬ勝負強さの持ち主なのである。今日の試合でも、出場時間はわずかながら、キレのある動き、ポジショニングの良さ、足元の巧さを随所に見せてくれた。将来、どこまで凄い選手になっていくんだろうか。17歳恐るべし、である。

その他の選手では、アルビでは中村幸聖の動きがよく、ナビスコで出番があるかもな、という感じだったし、桑原がケガから復帰後初のフル出場したのも嬉しかった。ミヤの積極果敢なプレーも好印象だったし、左SBに入った田中もオーバーラップのタイミングがよかった。そして、名前は分からないのだけれど、右SBに入った選手（たぶんユースかJSC）の動きの良さが目についた。後半に途中出場して来た、どうやらアトムくんらしい小さな選手は、スピードとキレのあるアタックが慎吾みたいだな、という感じであった。
みんな、順調に伸びて欲しい。

試合後、選手たちが引き上げる時、Kくんたちが掲げたダンマクに柳楽が気がつき、何度も挨拶をしてくれた。今日のキミも動きは悪くなかったよ。ワールドユースのメンバーに残れるよう、とにかく頑張れ。


その後、Kくんたちと別れ、私は一足先に帰った。
帰宅してテレビをつけると、テレビ画面の向こうの甲子園では、オリックスの加藤大輔投手とタイガースの浜中の、見応えのある一騎討ちが繰り広げられていて、思わず見入ってしまった。

前田vs藤井、そして甲子園。一騎討ちの醍醐味を堪能して、得した気分の夜だった。