手のスペシャリストと国家間交流
現在、ビーハッピーの生徒さんの1人に、手のスペシャリストがいます。札幌医科大学、作業療法学科の坪田教授です。ハンドセラピー(手のリハビリ)の専門家です。先週、ハンドセラピーの世界的な学会がシドニーで行われ、研究発表した坪田教授。リハビリの分野で、日本の遅れを痛感したとおっしゃっていました。Dr.T "Patients in current Japan have to completely follow their therapists' advice." 「現在の日本の(リハビリの)患者さんは、セラピストの アドバイスに完全に従わなければならない状況です。」 "But in Australia therapists give patients several options, which can let them decide their own following treatment." 「しかしオーストラリアでは、セラピストは患者さんにいくつかの選択肢を 与えるので、患者さん自身が次の治療方法を決めることができるのです。」 僕は、日本の医療分野は世界トップクラスだという先入観があったので、この遅れている医療現場の話に驚きました。坪田教授曰く、日本の作業療法の現場は、患者さんのQOL(Quality of Life - 生活・人生の質)を回復するという名目のもと、セラピストの自己満足になる傾向があるといいます。このままでは、日本の作業療法の未来はないと。中国などのリハビリ後進国には、その国のリハビリ発展のために飛んで行き、オーストラリアなどのリハビリ先進国には、日本の発展のために学びに行くという坪田先生の姿勢、定年間近にもかかわらず、頭が下がります。スポーツ界でも日本人の選手に海外のコーチがついたり、海外の選手に日本人のコーチがつくなど、つい10年ほど前にはあまり見られなかった光景が、ここ数日テレビで頻繁に見られました。あらゆる分野で、国家間の交流を盛んにしていくと、必ずよりよい日本の形が見えてくるのではと、この国にも希望が見えている気がします。