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カテゴリ:福島第一原発
※2023/3/12追記
本件パブコメの募集期間:2021年1月18日~2月16日(原子力規制委員会) 提出意見:37件 (リンク)結果公表・資料/2021年3月10日 原子力規制委員会の第2回事故調査報告書が確定 原子力規制委員会では「東京電力福島第一原子力発電所事故の調査・分析に係る中間取りまとめ(案)」(※)へのパブリックコメントを受け付けていました。 ※春橋注:原子力規制委員会がまとめるフクイチ事故の調査分析報告書としては2回目のもの その結果が、3月10日に開催された第63回原子力規制委員会で規制庁から報告され、「寄せられた意見への回答」と「今後も事故進展・分析の調査を継続する」ことが、5人の規制委員全員一致で了承されました。 ●(リンク/資料一覧と動画)第63回原子力規制委員会 私が提出した意見と、その意見への規制委員会の考え方 私は、2月26日早朝に意見を提出しました。 提出した意見と、その意見への回答(原子力規制委員会の考え方)が、規制委員会の資料に掲載されていたので、まとめて紹介します(下記リンク文書の通しページで40ページ、「整理番号19」に掲載)。 ●(出典) ====私が提出した意見、ここから==== 高線量環境下で調査に当たり、貴重なデータや映像を残して下さった規制庁職員の皆様に、感謝と敬意を申し上げます。 東京電力・福島第一原子力発電所事故の原因と進展の分析に関しては、多くの論点・多くの未解明事象が有り、この国の主権者として、様々な角度からの検証を望んでいます。 水素爆発が起こるプロセスの経緯や、放射性物質の挙動・放出経路など、現地・現場での調査が必要な事項に関しては、線量の許す範囲で、無理せずにお願い致します。 必ずしも、現地・現場での検証が不要、或いは無くても調査・検証できるものに関しては、過去の経緯も含めて、幅広に深堀りした調査をして下さい。 特に、以下の点についての調査を望みます。 ●所謂「セシウムボール」の生成プロセス・生成量・放出量の推定。 ●立地時点に立ち戻った調査。30m以上あった地盤を掘り下げて建設したことの是非と、掘り下げが認められた経緯と理由。 ●1号機の、所謂「イソコン」の操作訓練・作動訓練が行われていなかった理由と、規制当局がそれを認めていた理由 ●防潮堤の建設・建屋の水密化が行われなかった経緯と理由。規制当局がそれを認めていた理由。 ●津波襲来以前の、地震による被害を可能な限り切り分けること。 ●同一サイトに複数号機の設置が認められていた設置基準の妥当性。 ●福島第一が倒れれば、福島第二が倒れ、福島第二が倒れれば、東海第二が倒れるなど、「連鎖撤退」「連鎖破綻」の可能性が有ったことを踏まえて、立地基準に、原子力施設同士の十分な離隔距離が盛り込まれていなかった経緯と理由。 ●航空機を異なる高度に同時に展開させて空気を採取する(チェルノブイリ原発事故の際には実施された)など、リアルタイムの航空機モニタリングの体制が整備されていなかった理由。 ●電力事業者・規制当局によるサイト監視の在り方の検討。政府の最高意思決定者が、建屋の水素爆発を、民間のテレビ局の映像を通じて確認したことは、事業者・規制当局の監視体制が貧弱だったことを表してはいないか。 上記のもの以外でも、調査すべきもの・調査可能なものは調査すべきであり、上記以外の論点・事象を調査不要と主張しているのでは有りません。 尚、これらの意見は私個人のものであり、他の如何なる組織・個人とも関係のないことをお断りしておきます。 (提出時に表示された番号:1980202190××××××××) ====意見、ここまで==== 原子力規制委員会が行う東京電力福島第一原子力発電所事故の調査・分析については、現場の環境、人的資源、廃炉作業の進捗、新たな情報・知見の収集可能性など、様々な状況や制約を踏まえて、その対象や内容を選定しています。 なお、御指摘の調査項目に関連して、原子力規制委員会は、1号機の非常用復水器(IC)に関する調査を2021年度以降に実施します。 ====回答、ここまで==== 「3号機核爆発説」への規制委員会の考え方 市民運動界隈で一部の人が主張していたのが、「3号建屋の爆発は核爆発だ」というものです。私自身は荒唐無稽なものだと思っており、当ブログでは一切取り上げできませんでした。 今回のパブコメでは、「3号建屋核爆発説」も意見として寄せられており、それに対する規制委員会の考え方もまとめられていました。以下、事故分析検討会の考え方(意見への回答)のみ、紹介します。 (出典は上のリンクと同じ、通し6ページ、整理番号3) ====3号建屋核爆発説への、規制庁・規制委員会の回答==== (前略)3 号機使用済燃料プールからの燃料取り出しが完了(2021年2月28日)しており、その際の調査により、一部燃料集合体の上部に変形及び損傷は見られましたが、その原因は水素爆発時に使用済燃料プールに落下した燃料取扱クレーン等による影響であることが確認されています。よって、(中略)使用済燃料プール内での事象について、科学的見地から核分裂連鎖反応の継続及び核的に爆発する両条件が満たされる可能性はありません 地震による原子炉建屋内の主要設備の損傷が事故原因だった可能性についての調査・分析が含まれていません。(国会事故調(2012 年 9 月に報告書を取りまとめ)でこの可能性が指摘されているかと思います)追加調査・分析が必要です。
●東京電力福島第一原子力発電所事故の調査・分析に係る中間取りまとめ~2019年9月から2021年3月までの検討~ 私は、規制委員会の生中継を観ながら資料を確認していて、寄せられた意見がたったの37件であることに、目が点になりました。願望も込めて勝手な想像ですが、せめて3桁には届くだろうと思っていたのですが、そこに近づくこともありませんでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.03.12 19:28:36
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