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カテゴリ:市民・主権者としての行動
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「その1」から続きます。 広野駅周辺を回って線量を計測してから、原子力研究開発機構が用意してくれたバスとの待ち合わせ場所に向かいました(広野駅東側)。 参加は3回目ですし、待ち合わせ場所もこれまでと同じですから、慣れたものです。広野駅周辺は車も人も少ないので、直ぐに分かります。 機構の財務部の職員さんに挨拶して名前を名乗り、バスに乗り込みました。参加者が多かったせいか、座席が予め指定されていました。 今回のノベルティは、元素周期表模様の液晶拭きでした。前回まではマグボトルでした。どんなノベルティなのか、密かに楽しみにしていました(笑) ↓ 機構がチャーターしたバス ↓ 配布されたスケジュールの一部 ↓ ノベルティ。液晶拭きでした 参加者全員が到着したようで、バスは事前に決められていた通り、10時50分に広野駅前を出発しました。 楢葉遠隔技術開発センターには11時01分に到着しました。 (リンク) ●楢葉遠隔技術開発センター(NARREC/ナレック NARaha center for REmote Control technology development) 見学会参加者全員が研究管理棟1階の展示室に入り、11時5分から機構のナルシマ財務部長(漢字が分かりません。ごめんなさい)の挨拶が有り、11時8分から、大井センター長の挨拶と施設の概要説明でした。 11時20分から実際の見学で、コースは過去2回と同じでした。 先ず、研究管理棟2階のバーチャルリアリティ室です。点群データと設計図を基に作られた立体映像で、フクイチ2号原子炉の地下に「入り込み」、主としてデブリ(溶融燃料)取り出しに用いる貫通部や、デブリが落ちていると思われる原子炉下部の説明を受けました。 点群データや、バーチャルリアリティシステムについては過去記事で書いているので、省きます。 11時40分に研究管理棟を出て体育館のような試験棟に向かい、11時44分に試験棟での説明が始まりました。 ここでも、昨年同様、2号原子炉で使用予定のアーム型ロボットと、そのロボットを格納する遮蔽機能の有るエンクロージャーの説明を受けました。アーム型ロボットとエンクロージャーの実機を見られるのはここだけなので、貴重な機会です。 試験棟まで含めて同じ担当者が説明して下さったので、話が一貫していて、分かり易かったです。 試験棟では企業や大学が様々な実験や検証を行っており、開発段階の機器や設備も持ち込まれています。とても興味深いのですが、特許関係のこともあり、写真撮影は禁止でした。 試験棟壁際の歩廊を歩いて全体を見下ろすように移動したので、大勢の人が動いているのが分かりました。 アーム型ロボットとエンクロージャーに加えて、原子炉下部ペデスタルの実物大のモックアップも昨年と同様に設置されていました。実際の大きさを体感できるのも、NARRECならではです。 (参考リンク) ●福島第一原発「燃料デブリ」取り出しへの挑戦③(資源エネルギー庁) 試験棟の一角には、「ゼオライト回収モックアップ試験設備」と記載されたものもありました。フクイチのプロセス建屋地下の滞留水に沈んでいるゼオライト・活性炭土嚢回収の為のモックアップ設備なのでしょう。 原子力規制委員会の技術会合で「土嚢回収についてはモックアップで実行可能性や作業性を検証中」という旨の説明を聞いているので、その説明を思い出しました。見学会では土嚢回収についての説明は有りませんでしたが、安全且つ・着実に進めて欲しいです。プロセス建屋地下の土嚢を回収しないと、同建屋の滞留水除去が先に進みません。 12時2分に研究管理棟の展示室に戻り、12時24分まで、参加者との質疑応答でした。 メモと記憶に基づいての記載です。 質問:デブリ取り出し中にアーム型ロボットが故障したらどうするのか 回答:それを防ぐ為にモックアップで検証している 質問:使用開始後のメンテナンスはどうするのか。原子炉にアームが入っていけば、汚染されてしまう 回答:エンクロージャーは密閉構造で、遮蔽機能を有している。エンクロージャー内でロボットを人の手によらずに点検できるように、遠隔操作可能な器具等がついている 質問:原子炉下部は放射線量が高いと思う。ロボットの放射線への耐久性はどのくらいか 回答:ロボットは100万グレイまで耐えられる設計 質問:アームを伸ばし始めてからデブリを回収して戻ってくるまで所要時間は 回答:内部の条件にもよるが、約2時間半で戻ってくる筈 質問:アーム型ロボットの先端は回収用の治具の他に、何がついているのか 回答:カメラや線量計が付いていて、重量は10㎏程度 質問:モックアップ中のアーム型ロボットで、デブリの回収を行うのか 回答:本格取り出し用のロボットは2号機として設計中 質問(この質問は私です):建屋内の状況を採取した点群データを基に立体映像で再現し、作業性や作業時間を検証できるのは凄い。建屋内は、年数が経てば線量が変化するだろうし、撤去したり設置したりして、状況が変わるのではないか。点群データの再取得など、建屋内の情報は更新しているのか 回答:一度、データを採取した後は更新できていない。この点は課題と認識していて、東電とも確認の上、情報の更新に取り組みたいと考えている メモと記憶に基づくものですから、あくまで要旨ですが、質疑応答はこのようなものでした。 その後は昼食(お弁当とお茶のセットで1000円)で、13時3分にNARRECを出発して東京電力・廃炉資料館に向かいました。 分かり易く説明して下さったシバヌマさん、施設概要と質疑応答に当たって下さった大井センター長、最後まで玄関前で見送って下さった職員の皆さん、お世話になりました。有難うございました。 ↓ 機構が注文してくれたお弁当。美味しかったですが、3年連続で同じメニューが続いているような・・・。 ↓ 楢葉遠隔技術開発センターの正門前 (リンク) ●その3に続きます 春橋哲史(ツイッターアカウント:haruhasiSF) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2024.03.26 07:21:23
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