|
カテゴリ:カテゴリ未分類
そもそも、タクシーは、何故ゆえに、街に並んでいるかという疑問をお持ちの方は多いと思います。
一般の方からすると、 「タクシーは流すのが原則で、 駐車違反とわかっていて、 道路に停めておくこと自体が、おかしいのではないか?」 とおっしゃられる方も多いことと思います。 このことは、タクシー勤務の経験がある方なら、敢えて説明は不要でしょうが、 読者の方々はタクシー経験者だけではないので、少し、お話させて頂こうと思います。 先ず、タクシー運転手が、街角に並ぶという行為は、「よりマシ論」の積み重ねの結果であって、決して正しいと、主張している訳ではないということを、最初にお断りさせて下さい。 (前提) 1,並んでいるタクシーは、ランダムに、並んでいる訳ではなく、あれはあれで、整然と、順番通りに、並んでいるのです。 もし、タクシー運転手が、その順番を違えて、客を拾うような事があると、その運転手は、二度とその場所で、並ぶことは出来なくなるでしょう。 他の運転手から、ツマハジキにされるからです。 2,並ぶということは、先頭と、最後尾が決まっているということです。 一仕事を終えて、並び直す場合は、 当然、最後尾に並ばなければ、なりません。 それでは、先頭とは、一体、何処なのでしょうか? 簡単に言えば、客が出て来る所です。 例えば、病院の玄関、公共施設の玄関、駅の玄関、繁華街の交差点、等、 要するに、スポット的な、限られた場所なのです。 その先頭で客を拾うために、タクシー運転手は、 ルールを守って、 お利口さんに並んでいるのです。 ということは、もし、流すとなれば、そこを目掛けて、多くのタクシーか、殺到しながら、流すことになります。 そのポイントを過ぎれば、客が拾える確率は、ほとんどなくなるので、 また先ほどのポイントに戻る事になります。 しかも、一刻も早く! 一刻も早く戻るためには、そのポイントかある、一つのブロックを 左折・左折・左折・左折で、 左回りに回るのが、一番早いです。 (日本の道路は左側通行なので、右折は非常に、難しいのは、皆さんもご存知でしょう。) つまり、タクシーが、‘流す’という行為は、 限られた場所を、 グルグルと、ミズスマシのように! 回り続ける!! これを、一台のタクシーがするのではなく、 大量のタクシーが同じ行動をするのです。 同じポイントを目指して、大量のタクシーが、 グルグルと、グルグルと、 ミズスマシのように………。 空車のタクシーが、数珠(じゅず)繋(つな)ぎになって! ということは、その施設の周辺は、流すタクシーが原因で大渋滞になります。 そのことが、社会的に、よいことか、どうか? (事故の危険性が高まるのではないか?) という問題もあるのです。 3,次に、タクシーは、 流した方が売上が上がるか? 並んだ方が売上が上がるか? という疑問が、あります。 多くの市民の方は、流した方が、売上が上がるのではないか?と思われていることでしょう。 確かに、流した方が売上が上がるのは事実です。 しかし、それでも、ほとんどの運転手が、‘並ぶ’というやり方を選択しているということは、その方が‘いい’と感じている運転手がほとんであるということなのです。 想像してみて下さい。 Q1,もし、全員のタクシー運転手が、 流したとしたら・・・ 客が増えるでしょうか?? 答えはNO!です。 客の人数自体は変わりません。 Q2,もし、全員のタクシー運転手が、 並んだとしたら・・・ 客が減るでしょうか? 答えはNO!です。 客の人数自体は変わりません。 つまり、‘並ぶ’運転手と、‘流す’運転手と、 どちらかを比べたときに、 流す方が、少し、売上が上がる。 という程度のことなのです。 ここで敢えて‘少し’を強調させて頂いたのは、 どちらかというと、流す方が売上は上がるが、 極端に増えるわけではない! ということなのです。 事実、 並んだタクシーを横目に、 街を流してみると・・・ 流しても流しても、 なかなか客は拾えません。 そうしているうちに、 並んだタクシーに客が乗り込んでいくのだが、 流している自分のタクシーには、 なかなか、乗ってくれない。 そうこうしているうちに、 さっき、最後尾に並んだはずのタクシーが、 先頭になっている。 流している自分のタクシーと、 さっき最後尾で、今先頭まで進んだタクシーと、 どちらが、 客を拾うのが早いか?? どちらにしても、 その程度の違いであって、 極端に売上が上がるというものでもないのです。 そして、もう一つの問題は、 「流す」という行為は、 実は、極めて危険が伴う、リスクが大きい行為なのです。 そもそもタクシーが流すのは、何のためでしょうか? 客を拾うためです。 ということは、客が拾えない所を、いくら流しても、くたびれ損になります。 それでは、どこで客を拾うか? それは、駅前周辺であったり、ホテルや病院であったり、公共施設であったり、夜の繁華街であったり・・・ 要するに、今、タクシーが並んでいる周辺ということになります。 そしてそこを、グルグルと、グルグルと、ミズスマシのように、……。 元々、客が拾える場所と言うのは、人通りが多い地域です。 人通りが多い地域を、無事故で、流し続けるのは、 かなりの精神的な負担がかかります。 そして、タクシー運転手は高齢の方も多い。 腰痛は、運転手の職業病といわれていて、腰痛を抱えた高齢の運転手が、 勤務時間中、最初から最後まで、流し続けるのは、拷問に等しい。 そういう労働者の労働衛生上からも、流し続けることは決して好ましいことではない。 このような、よりマシ論の積み重ねで、結果的に、街角に並んでいるのです。 (もちろん、勤務時間中、殆ど、流し続けている運転手も中には居ますが、ごく少数派です) ですから、タクシーは、一般車両とは、違う社会的役割を持ったクルマなので、そこを評価して、一般車両とは違うルールを作ってほしい、というのが、hashiretaxiの主張なのです。 (街の声) 「いいぞ!!やれやれ!!」 「議員に立候補したら、応援してやるぞ!!」 (エピソード) あるホテルの玄関。 ここを先頭に、客待ちのタクシーが、ズラリ。 もちろん駐車違反! 何年も、ずっと同じ光景。 最近の取り締まり強化の流れの中で、 警察の取り締まりもしばしば。 しかし、先の繁華街の取り締まりの如く、 パトカーが、いなくなれば、元の木阿弥。 ホテル側も、社会的責任を感じてか、玄関から、少し離れた場所に、わざわざタクシーの待機場所を新設。 しかし、客の流れとは反対の場所に設置したものだから、 客は一向にタクシー乗り場に向かわない。 玄関を出てすぐに、(違法駐車の)タクシーが居るわけだから、 客は、目の前のそのタクシーに乗り込む。 一方、新設されたタクシー待機所には、 まじめな運転手が、待機する。 しかし、いつまで経っても、 客は、わざわざ遠回りしてまで、 待機所には乗りに来ない。 終いには、 その待機所には、 どのタクシーも並ばなくなった。 そして、結局、 今まで通り、 ホテルの玄関に、 違法駐車のタクシーがズラリ。 こういう事例は、 実は、ホテルなどの玄関口だけでなく、 いろんなところであるのです。 (エピソード) あるタクシー会社が、 道路の違法駐車対策として、 街の中の駐車場などを、 賃借して、「○○タクシー待機所」などと、 看板を掲げて、 タクシーの待機所を設置することもある。 しかし、その場所で、 わざわざ客が乗り込みに来なかったり、 来ても、近距離客ばかりだったりすると、 結局、運転手は、歩合給なので、 遠距離客を見込める場所、 つまり、今まで通りの場所に並ぶようになり、 タクシー会社も、 誰も待機しない待機所に、 賃料を支払うのもばからしくなり、 結局、待機所は廃止!! こういう、苦い経験の積み重ねで、 結局、今まで通りの、 やり方が、継承されていくことになるのです。 悲しいですが、 これが、現実です。 クリック募金を広めましょう。 【PR】岩田サオリ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|