2497132 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

楽天・日記 by はやし浩司

楽天・日記 by はやし浩司

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2007年08月26日
XML
カテゴリ:夫婦の問題
●男(女)が、離婚を決意するとき

++++++++++++++

熟年離婚がふえている。
私のまわりでも、騒がしくなってきた。

静かに離婚する人、
大騒ぎして離婚する人、
笑いながら離婚する人、
泣きながら離婚する人、

人それぞれだが、実のところ、
私たち夫婦も、あぶない。

人は、「仲がいいですね」と言うが、
本当のところは、自分でも、
よくわからない。

世の中には、「仮面夫婦」と呼ばれる
夫婦もいる。私たちも、それかも
しれない。

ただ離婚するには、「離婚限界」という
ものがある。

10数年以上、家庭内別居、しかも
ほとんどたがいに口をきかない状態で、
それでも離婚しないで、がんばっている(?)
人もいる。ほんのささいな、傍から見れば、
何でもない問題を理由として離婚する人もいる。

どの程度を「限界」とするかは、その人
個人によって、みな、ちがう。つまり「離婚限界」
というのは、みな、ちがう。

だからこの問題ほど、デリケートなものは、
ない。ないが、離婚するならするで、
未練(みれん)は、完全に燃焼させておく
こと。

それが残っていると、離婚はできない。

……そんな話を、A氏(61歳男性)が、
昨夜、電話でしてくれた。

A氏は、ちょうど1年前。60歳の定年退職を
迎える、2か月前に離婚した。

「一時は、自殺まで考えた」とか。しかし
「自殺するくらいなら、またひとりでやりなお
したほうがいい」と。

それでそのまま離婚した。

+++++++++++++++

 A氏が離婚を決意したのは、こんなことがきっかけだったという。

 その夜、A氏と、A氏の妻は、車で、郊外にある旅館をめざしていた。夜、8時ごろのことだったという。月に1、2度は、その旅館で、週末を過ごしていた。

 それまで車の中では、ほとんど会話がなかった。が、途中で、A氏が車をおりた。「お前は、ぼくとM荘(=行きつけの旅館名)へ行きたいのか」と聞いたとき、A氏の妻が、「どちらでも……」と答えたからだという。

 で、A氏は、そこから自宅をめざして歩き始めた。距離にして10キロ近くある。夏の暑い夜のこと。10キロの道のりはきつい。

 ときどきA氏は、振り返りながら、道を歩いた。しばらく、時間にすれば、3~4分ほど車は止まっていたが、最後に振り返ったときには、車は、そこから消えていた。

 A氏の妻は、そのまま旅館へ向かった。「歩いて帰りたければ、どうぞ」という、A氏の妻、独特の冷たさを、A氏は感じたという。その瞬間、A氏は、離婚を決意した。

 「妻は、私をその時点で捨てたのですね。ふだんはやさしい(?)女性なのですが、心のどこかに、いつもぞっとするような冷たさを秘めたような女性でした」と。「でもね、その瞬間、同時に、私の心の中から、妻への未練が消えました」とも。

 が、A氏は、それからすぐ離婚したわけではない。離婚するにも、それなりの準備というものが必要。子どもも、2人(上が30歳、下が25歳)いた。財産分けの課題もある。「2人の子どもたちは、妻側につくのがよくわかっていましたから、かえって気が楽でした」と、A氏は言う。

 が、『覆水、盆にかえらず』というが、一度こわれた男女の仲ほど、無惨なものはない。それからたがいに、たがいの顔を見るのもいや、においをかぐのもいや、洗濯物をいっしょに洗うのもいやという状態になった。一気に離婚へとつき進んでしまったという。期間にすれば、わずか1か月もなかったという。

 私が「それまでの思い出はどうなったのですか? 楽しい思いでもあったでしょ?」と聞くと、A氏は、笑いながら、吐き捨てるように、こう言った。「そんなもの、関係ありませんよ。離婚するときは、自分の過去そのものを、消したいという衝動のほうが、強くなりますから」と。

私「でも、その程度の夫婦げんかなら、だれだってするでしょう?」
A「しかしあの夜のできごとは、象徴的でしたね。妻は、私を捨てたわけですから」
私「捨てた?」
A「そう、それをはっきりと感じました。これから先、10年とか、20年とか、いっしょに生活する自信が、そのとき消えました」と。 

 A氏はそのあと、こんなことも話してくれた。

 「もともと私の妻は、私とは結婚したくなかったのですね。何かにつけて、私を否定しました。おかしなことですが、30数年もいっしょに過ごしたのですが、妻は私には、最後の最後まで、心を開いたことがありません。G教というという信仰団体に身を寄せたこともあります。だから妻の言葉の端々に、私に対する軽い敵意のようなものを、いつも感じていました。

 そんな妻ですから、毎日、私にすれば、腫れ物に触れるかのような接し方をしなければなりませんでした。一見すると、やさしくて親切な妻なのですが、私はいっしょにいても、全幅のやすらぎを感じたことはありませんでした。そういう夫婦生活に、そのころ、疲れを覚え始めていました」と。

 若いときは、健康だし、多少の誤差なら、それを修正するだけの気力もある。男と女を結びつける精力もある。が、50歳をすぎると、それが消える。とたん、それまで心の奥に隠してきたものが、どっと表に出てくる。

 そうそうA氏は、こうも言った。「ぼくが妻に、『お前は心の開けない女性だ』と言ったことがあります。しかし心を開けない女性というのは、(心が開けない)という言葉の意味、そのものが理解できないのですね。自分では、心を開いているつもりなのですから……。相手が心を開いているかどうかは、心が開いている人からでしか、わからないものでしょうか。妻の心は、いつもクローズしていました。結婚してからこのかた、一度たりとも、甘い声で、「あなたア~」と私に甘えてきたことはありません。私の妻は、そういう女性でした」と。

 私たち夫婦も、似たようなもの。しかしこういうことも一方で言われているので、注意したらよい。

 「離婚した夫婦には、できるだけ、近寄らない方がいい」と。

 離婚には、連鎖反応がある。近くに離婚した人がいると、その離婚した人に触発されて、自分も離婚に……というケースは、たいへん多い。心のどこかでくすぶっていたモヤモヤに、火がついてしまうためらしい。

 ただし一言。離婚することが、悪いということではない。離婚したからといって、人生に失敗したということでもない。離婚も、人生の中では、ひとつのドラマでしかない。誤解のないように!







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2007年08月26日 10時40分57秒
[夫婦の問題] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.