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楽天・日記 by はやし浩司

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2008年11月09日
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カテゴリ:生きザマの問題
●眠られぬ夜

++++++++++++++++

今夜、夕食後、コタツの中で、うたた寝をしてしまった。
それがまずかった。
いつものように床に入ったが、そこで目が覚めてしまった。
「眠ろう」「眠ろう」とがんばればがんばるほど、頭が冴えてしまった。

2度、トイレに行った。
が、それでも眠られなかった。

しかたないので、起きた。
起きて書斎に戻った。
時計を見ると、午後11時。
「まだ11時だったのかあ」と思って、パソコンに電源を入れる。

++++++++++++++++

●眠られないとき

私のばあい、こうして眠り損(そこ)ねたようなときには、
睡眠導入剤をのむことにしている。
ただし量は、1回分の4~8分の1。
こまかく割って、そのときの状況を確かめながら、のむ。
1錠ものんだら、気がへんになってしまう。
さきほど、8分の1程度を、舌の上で溶かしながら、のんだ。
そのせいか、連続してあくびが出る。

このところ睡眠調整が、ますますむずかしくなってきたように思う。
眠りたいときには寝られず、寝られないときに眠くなったりする。
今が、そうだ。

ア~と思って書庫を見ると、ソルジェニーツィンの書いた、『がん病棟』
という本が、目に留まった。
1967年の作品だが、当のソ連では、発禁処分になった本である。
ソルジェニーツィンはこの本を通して、つまり(がん病棟)を通して、
自由のない社会主義制度を痛烈に批判した。
が、私の印象に残ったのは、そういった政治的意図というよりは、がん
病棟で見せる、さまざまな患者たちの人間模様のほうだった。

絶望する人、居直る人、生き様を追求する人、死を受け入れることができず、
苦しむ人など、など。
私はその本を読みながら、「私ならどうするだろう」と考えたのを覚えている。
「死を宣告されたら、私ならどうするか」と。

で、いろいろなプロセスを経るだろうが、死というのは、最終的には受け入れる
しかない。
生きるのも運命なら、死に至る過程も、これまた運命。
問題は、どうすれば早く、それを受け入れることができるようになるかということ。
その過程で、人は、もがき、苦しむ。

そこで私はこう考えた。
「健康なうちから、もがき、苦しむことこそ、大切」と。
わかりやすく言えば、いつも(死)と同居した生活にこころがける。
「明日、死の宣告をされてもいいように、今日を懸命に生きる」
「来月、死の宣告をされてもいいように、今月を懸命に生きる」
「来年、死の宣告をされてもいいように、今年を懸命に生きる」と。

「後悔」という恐ろしい言葉がある。
後悔が集合されたものが、絶望と考えてよい。
その後悔を、健康に生きているうちから、日々に叩きつぶしていく。
が、それでも、死の恐怖から解放されるということはないだろう。

そこで重要なことは、これはあくまでも現在の私の意見だが、
「無」をこころがけて生きるということ。
「私」から私を、どんどんと取り去っていく。
「私」が残っているかぎり、死の恐怖から解放されることはない。
しかもそれは、死の宣告を受けてから始めたのでは、遅い。
あたふたとしているうちに、あっという間に、時間だけ過ぎてしまう。
そのため健康なうちから、それも若ければ若いほど、よい。

つまりそれが賢明な生き方ということになる。

……と書いても、今の私には、まったく自信がない。
私のような人間ほど、死を宣告されたら、うろたえ、あわてふためくにちがいない。
中身がないというか、(足)そのものが、(地)についていない。
日々の生活そのものが、世俗に押し流されているだけ。
「私」というものが、どこにあるかさえ、よくわかっていない。
それに未だに、毒々しいマネー(金)の世界にどっぷりとつかっている。

ソルジェニーツィンの『がん病棟』の中には、乳房を切り取られる若い女性の
話も出てくる。
年齢を計算してみると、その女性というのは、私と同じ年代の人だったということになる。
今でも生きていれば、60歳前後になっているはず。
「今ごろは、どうしているんだろう」
「まだ生きているだろうか」
「今でも健康で生きていてほしい」と。

小説の中の女性とはいえ、今、私は、ふとそんなことを考えた。





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最終更新日  2008年11月10日 00時43分53秒
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