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カテゴリ:京都
繊維製品の製造メーカーというのは因果な商売で、年間の半分は 問屋から納期で追いまくられて、残りの半分は工場から仕事の投入 で追いまくられる、だから、知り合いから納期の無いいつでもいい よという仕事をもらえるとありがたいことである、工場の閑散期に その仕事をすれば良いわけで、ところが京都での、「せいてせかん 仕事やけど」、と言いながら持ってこられた仕事、実はこれほど怖 い仕事はないのである、というのはこういう仕事を請負うと、翌日 には決まったように、「昨日持って行った仕事は、いつごろできま っしゃろか」、「せいてせかん仕事と、・・・・」、もうこういっ ても手遅れなのである、逆に、「急ぎの仕事やけど」、と仕事を持 ってこられると、木で鼻をくくったように、「こっちが逆に仕事を すけて欲しいくらいや」、とこうなるわけで、京都で言う、「せい てせかん仕事」、というのは大急ぎの仕事と考えていいのである。 京都のこのような他府県の人に誤解を生んだり、馴染み憎い、理 解しにくい言い回しのようなものがある、他府県から転勤してきた 銀行の銀行の外交さんとしばしばもめるのが、「考えとく」、「考 えときます」、こう言う方は100%に限りなく近い否定の言葉で あるが、受け取るほうは、「イエスかノーか考慮する」、という解 釈をして、後日、「先日の件、いかがですか」、かと聞かれると、 「はぁ~」、という事になり、聞いた方も、「はぁ~」、という事 になり、暫くの間は、京都に不信感を抱くようになり、その後に、 懇意になった先で、「あほうやなぁ、京都で考えときます言うのは、 否定を柔らこういう言葉なんや」、とこうして今日と独特の言い回 しを覚えていくのである。 ある工場のオヤジさん、このオヤジさんの小さい工場として独特 の生産方法が物凄くユニークで、工場外に数10軒の内職を抱えて、 狭い工場内にミシンを7、8台、パジャマを日産400枚ほど生産、 工場内でパジャマの最終工程で400枚完成させる、外の内職で工 場内で日産400枚の完成が可能になる工程まで部分縫いを進める、 夕方の5時に400枚の完成品を入り口の1畳くらいの場所に積み 上げておく、これをメーカに午後5時半くらいまでの引き取りに来 させる、そして空になった1畳部分に、工場の外回りの人が午後7 時頃に翌日工場内で完成させる仕掛品を回収してきてそこに積み上 げる、最初この狭い工場でパジャマを日産400枚が生産できると は思わなかったのだが、暫くの付き合いでこの工場のオヤジさん独 特生産方法がそれを可能にしている事を実感した、狭い工場でこう いうオリジナルな独特の生産方法を考え付くだけあって、実に偏屈 で、スポットで仕事を頼みに行くと、納期、数量、デザイン、加工 賃の打ち合わせ、そこでこの仕事を請けたくないと思うと、実に白 々しく、「へえ~、おおきに」、を連発しだす、何を聞いても、何 を言っても、「へえ~、おおきに」、の連発で、タバコをプカプカ、 渋い、苦い濃い目のお茶を、次から次へとお代わり、この工場のオ ヤジさんの、「へえ~、おおきに」、この商売の打ち切りの合図の ようである。 おしゃべり好きだが、議論好きでは無い、自論を押し付けれるの も、自論を押し付けるのも好きではない、議論が白熱してくると、 「おお~、こわぁ~、怖いことぉ~」、平安京遷都以来1、200 年余、各時代ごとに様々な権力者が入洛、一つ間違えば皆殺し、し かし、そうい目に合わずに京都人は生き延びてきた、時の権力者に 対する術というものを身につけていた、それらが今でも残っている 京都独特の言い回しとして残っている、ある人の本によると、戦国 の世を統一した、3人の武将、啼かないホトトギスを、殺してしま おうと織田信長、啼かしてみせようと豊臣秀吉、啼くまで待とうと 徳川家康、3人の武将は征夷大将軍として入洛、自らは日本の国の 最高権力者という自覚で入洛、ところが迎える京都人は、平安京の 遷都以来京都の御所に住まわれる桓武天皇以来の歴代天皇が日本の 最高権力者、最高権力者の征夷大将軍の3人の武将でさえも、日本 の国のナンバー2、迎えはするが決して歓迎はしないという京都人 の態度、3人の偉大な武将はそれを敏感に感じて、京都人をホトト ギスにたとえた、3者3様の京都人への対応の気持ちを詠んだので はないかと書いてあった、3人の偉大な武将の京都人に対する考え 方、言いえて妙である、こうして京都独特の言い回し、京都生まれ で、京都育ちであるオレ、京都のど真ん中で産まれて育った生粋の 京都人から言わすと、「お前は産まれは洛中だが、殆どが洛外で生 活、京都人で無いといわれる事がある」、そういわれると思い当た るフシがある、時折、「京都人のいない、京都が好きだぁ~」、と 叫ぶ事がある。 ■「今日の言葉」■ 「 周りの働きに気付いたとき 自分の働きは一層生きてくる 」 (自然社・平成22年・新生活標語より) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Mar 13, 2010 08:25:17 PM
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