遺伝子組換え植物はどこで栽培されているか 日本も無関係ではいられないこの現実
遺伝子組換え穀物を原料として使った食品に、その使用を示す表記が義務付けられています。該当する農産物には、ダイズ、トウモロコシ、ジャガイモ、ナタネ、綿実、アルファルファ、テンサイなど7品目があり、5%以上の遺伝子組換え品を含む原料を使った食品や加工品には表示義務があります。ただし、植物油のように食品中にDNAが含まれてこないものについてはこの対象外となっています。食品として利用する場合には農林水産省への届出義務がありますが、飼料用や工業用についてはその義務がなく、日本への遺伝子組換え作物の輸入実態はわかっていません。 最近では遺伝子の解読技術が進み、その判定にPCR法(Polymerase Chain Reaction 法、DNA増幅法)が用いられています。魚沼産の米が、日本国内にそんなに大量にあるはずがないと検査したときに用いられたことでも良く知られるようになった方法です。この方法を家畜の飼料に適用すると、かなりの割合で遺伝子組換え作物が確認されるかもしれません。 下に遺伝子組換えの状況を示します。2004年時点で、ダイズでは世界の全作付面積の60%、米国では85%、アルゼンチンでは実に99%が遺伝子組換え品種となっています。大豆の場合、そのほとんどは除草剤耐性品種であり、除草剤グリフォサート(商品名:ラウンドアップ)の撒布により、雑草だけを効率的に除去することを目的にしています。 米以外のほとんどの主要穀物を輸入に頼っている日本は、この遺伝子組換え作物を避けて通れない現実にあります。キーワード:遺伝子組換え作物 表示義務 PCR グリフォサート 穀物輸入http://www.s.affrc.go.jp/docs/anzenka/qanda.htm (農林水産省)1 遺伝子組換え農作物の商業的に栽培されるようになったのは1996年(米国170万ha)からで、その後急速に栽培面積が増加し、2005年では21カ国で1996年時点の約53倍の9,000万haの栽培が行われています。2 我が国の輸入状況については、遺伝子組換え農作物を食品として利用する場合は、食品衛生法に基づき、大豆、とうもろこし、菜種、綿実及びばれいしょについて、その数量を「遺伝子組換え」「遺伝子組換え不分別」「非遺伝子組換え」の区分毎に厚生労働大臣に届出ることとなっておりますが、飼料用や工業用に利用されるもの等、食品以外の用途に利用されるものは、届出の対象となっていないことから、組換え農作物の輸入量を把握することはできません。3 なお、現在、貿易相手国の組換え農作物の作付が増加している傾向を踏まえれば、我が国に相当量輸入されていると考えられます。http://www.s.affrc.go.jp/docs/anzenka/colum9.htm (農林水産省)