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ナンナさんが庭先で、悲鳴を上げた。ヒカルゥ カムアンドスィーイット ヒア
今、忙しいといってぐずぐずしてから、ぼんやり行ってみた。彼女はやや青ざめて、指差すところを見ると、大理石の一階ベランダと地面の接触ラインに大きな穴が開いていた。昨日の豪雨で、地盤の一部が陥没したのだろうと、最初は思った。しかし、穴の周囲が滑らかで、何者かが何度も通過した痕跡があった。アリゲーターかな?蛇かな?というと、彼女は蛇にしては大きすぎるわよ アリゲーターよきっと と言って、シェボレー車に飛び乗って、ムラの労働者のクロンさんMr. Kronを呼びに言った。その間、ぼくは、予備のタイルがたくさんあるので、それで穴を塞いでそこに暫定的に植木鉢を置いて、重石として塞いでおいた。 そこへ、クロンさんがやってきて、穴を見て、さらにもう一つの穴も植物の陰に発見して、二つとも蛇であると断定した。ナンナさんは、蛇だとするとアナコンダのような大きいものねえと 呟くように言った。先日まさかと思ったけど、大きなコブラの抜け殻を同じ場所に見つけたので、新たに見つけられた二つの穴は、蛇のものであると言われて、これを否定することはできなかった。 クロンさんが、いったんもどって、セメントを持ってきて、二つの穴を完全に塞いでしまった。これで一安心。それにしても、よくよく生き物が出る家である。生き物だけでなく幽霊も出る。ナンナさんはどれも怖がるくせに、わたしたちの家は居心地がいいからよ、と強がりをいつもいう。 クロンさんは、言葉が不明瞭である。ナンナさんは障害者だという。でも、携帯をもっているので、聞くのは不自由しないようである。これからもずっとお世話になると思う。クロンさんがぼくの家のヤードで働いていると、いつも道路の枯れ葉を掃除してくれている労働者が道端にしゃがみこんで、クロンさんの仕事を遠目で見ている。この人の名前は知らない。一度、お年玉を上げたことがある。おそらくこの労働者もどこかに障害を持っているに違いない。クロンさんと一緒に帰っていった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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