カテゴリ:ラグビー本・資料他
「シリーズ・書籍紹介」は、今回でひとまず最終回です。
![]() ~ウェールズの名SO:バリージョン物語~ バリージョン著:『真紅のジャージ』 世界一有名なラグビー本といえば、これですねー。。 そんな事もあり、私が購入したラグビー系古本では一番高かったのですが、内容の充実さを考えると致し方ありません・・。 内容は、自身の幼少時代から引退までを、ウェールズの民族性や気候風土と共に描いたものです。 また、各試合の感想や基本技術の解説のほか、子供をラグビー選手に育てたい親へのアドバイスなどなど・・。 これを読んで初めて知ったのが・・。 稀代の名コーチ「カーウィン・ジェームス」は、バリー家のご近所さん。。 カーウィンジェームスが現役の代表選手だった頃の自主トレに、小学生のバリーがパスやキックの練習を手伝いながら、スキルを磨いていったとか・・。 カーウィン直伝のダミーやステップ、また当時の名選手の技の数々を、子供ながら叩き込まれていったようです。。 きっと、カーウィン自身も、当時チビッ子相手に教えていた事が、後に名コーチとなる礎となったのではないかなぁと・・。 中でも興味深かったのは、「カーウィンの観戦術」です。 観戦中は、10分おきに学びたい一人の選手だけを追い続ける。 次の観戦時には、10分経過後からの10分間を観る。。 次の観戦は、その後の10分間と、時間をずらして観る。。。 これを、何ゲームも見続けると良いらしいです・・。 私も以前は、大田尾やジャガー松本だけを見てた時があったのですが、10分おきに見るとは意外でした。 ところで、「野球が上手くなる生観戦術」は、自分と同じポジションで守備の上手い選手を9回まで見続ける・・。 3試合も見れば、嫌でも上手くなります。。 是非、お試し下さい・・。 また、名キッカーたる「バリーのキック術」としては、必ずボールの空気の入りをチェックし、ボールの硬さによってボールの蹴る場所を変えるそうです。。 空気が入りすぎたり、少なすぎたり(あと雨の時もだったかな??)した時は、ボールの縫い目(紐のとこ)を蹴ると、キックが安定するそうです。。 そういえば日本でも、試合球は縫い目の無いボールになったのかな?? それと、パスに関しては、味方選手全員の長所短所を頭に入れておき、その選手にとって一番取りやすいパスを出すことだそうです・・。 そういえば、「早大・大田尾組」春の関東学院戦で、これが出来なかったために、創部史上最大失点となる負けをした気がする・・。 まぁ、これが出来れば、相手チームの穴も直ぐに見破れるのでしょうね。。 ところで、「天才とは、努力し続けた人」と言いますが、この本を読むと本当だなぁと。。 名SHのガレス・エドワーズや堀越さんもそうですが、もともと才能はあったのでしょうけども、それをはるかに超えた練習の量と質を感じました・・。 あっ、それと、詳しくは良く分からないのですが、この自伝を発刊したことが、当時は相当な議論になったとか・・。 著作権料を頂くという事は、「ラグビー選手のアマ規定に反する行為だ」とか、内容に協会批判とも取れるところもあり・・。 当時の遠征は、3ヵ月以上もかけて各地を転戦。。 しかも、遠征中の本業は、休職扱いで収入なし・・。 協会から出される手当ては、今の金額にして1日約千円程度。。 その3ヵ月間の総収入は、10万円程度しかないのですから、妻子の有る選手は家賃・光熱費・食費などの支払いが出来ず困窮し、参加拒否も多かったそうです・・。 もともと教師だったバリーも、長期の休みが取れず、退職して遠征に参加。。 帰国後、再就職先が見つからず、生活保護のような形で、しばらく食いつないでいたとか・・。 また、サッカー界のスーパースター「ジョージ・ベスト」家に来訪した際の体験と自身の苦労話として、家の周りに観光に来たファンが居ついたり、通りかかった車がクラクションを鳴らしたり、これが朝から晩まで繰り返されて、休みも休めず・・。 たまに外食すると、ひっきりなしにサインや握手や記念撮影攻めに遭い・・。 各種セレモニーへの参加やスピーチも数知れず・・。 グラウンド以外での選手の苦労を考えると、有る程度のプロ化は、やむをえなかったような気がします。。 そんなこんなで、バリーの動画を一つだけ見つけました・・。 きっと、1969年の試合映像です。。 映りは良くないのですが・・。 こちらから、どうぞ。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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