テーマ:株式市場全般について(21)
カテゴリ:法律や規則について
東京証券取引所での取引時間、つまり株の売買を行う時間帯は、午前の取引が9時から11時30分まで、そして午後の取引が12時30分から15時までとなっています。もちろん土日祝日はお休みです。 ![]() 一般的な企業は午前9時から午後5時までの勤務となっていると思いますので、この東証の取引時間が午後3時で取引が終了するのは、いかにも短いという気がします。 単純に考えれば午後5時まで延長すれば良さそうな気もしますが、株価というのは厄介な面もあって、各企業が所有している株の時価を算定するのに、終値(おわりね)というものを使います。 それが、今の状態であれば、取引が終了する午後3時で決定するというわけで、各企業あるいは証券会社や銀行などは、午後3時の株価からいろいろな計算書や資料を作成するということのようです。 これが午後5時まで延長されるということになると各企業や証券会社・銀行などは、午後5時にならないと作業を始められないため、必然的に残業になってしまうということになります。 また、企業が増資をする際に、いくらの価格で株式を募集するかということも、終値をもって算定するので、午後5時にならないと募集する株式の価格が決まりません。 そして、株式を募集するためには、有価証券届出書という書類を金融庁に午後5時15分までに提出しなければならないのですが、午後5時の終値から募集株式の価格を算定して、有価証券届出書を提出するのは、物理的に無理ですね。 そもそも取引時間の延長を目論む背景には、取引所が株取引の増大を期待していて、そのためには日中の時間帯に取引できない会社員などを取り込みたいと考えているようです。 ネット証券などは夜9時~11時ごろの時間帯を考えているようですが、一般の証券会社は反対しているそうです。一般の証券会社はその時間帯は営業していませんから、当然と言えば当然ですね。 このように東証で取引時間の延長が論議されているようですが、いろいろな問題があるので一筋縄ではいかないと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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