|
カテゴリ:カテゴリ未分類
28日のトヨタでの講演会の第二部は、プロジェクトXでも紹介された国選定保存技術保持者・玉鋼製造の木原明さんだったので、聞かせてもらった。いかにもたたきあげの職人という風貌の木原さんの話はトヨタの技術者の心を打ったようだ。
タイトル:「たたら製鉄 技と精神(こころ)---誠実は美鋼を生む」。 ------------------------------------------------------------------------- 日本刀は1000以上にわたって姿を変えることはない。また法隆寺た東大寺の釘もいまだに建物を支え続けている。これは、「玉鋼」(たまはがね)という不純物の少ない鉄をつくり出す「たたら製鉄」という日本古来の鉄ずくりの技術によるものだ。この製法は6世紀後半に奥出雲に出現し幕末まで1300年にわたって続いてきた。炉の中で木炭を焼き、砂鉄を加え銑鉄をつくる技術で、大地、自然、五感、技、精神がその基本である。この製法は、1901年の官営八幡製鉄所で洋鉄がつくられるようになり、和鋼和鉄の特徴を生かそうとした雲伯合資会社(のちに日立金属安来工場)が技術を伝承してきた。 「たたら」は一に土、二に火、三に村下(職人)といわれている。その製法のカンドコロは現代技術ではできない。日本鉄鋼協会、通産省、日立金属が調査したが解明できなかった。 この製法は、3日3晩の作業に耐える体力、感性、技能が必要だ。 師匠の安部由蔵村下の言葉。 1・自分の仕事を好きになれ 2・親方に可愛がられる人になっれ 3・親方に信頼され目を付けられる人になれ 座右の銘は「誠実は美鋼を生む」である。 技術も大切であるが内面はそれに優る。従業員一人一人もものづくりにかける「真心」がより良い鋼をつくりだす。 トヨタの技術者には、鉄を愛して、魂の入った車づくりをして欲しい。 ----------------------------------------------------------------- 3日3晩の作業を行う木原さんは、8時間労働などでは本当に愛情のこもった技術はできるか?という疑問も発してトヨタ技術者の苦笑を誘った。愛情、真心、誠実、こういった心が素晴らしいものを生み出すという固い信念にこころを打たれた。 日本の魂の健在を示す話だった。車づくりの技術者たちは、この職人たちの後継者でもある。 懇親会で木原さんとご挨拶をしたが、そのとき「たたら」(「もののけ姫」でも出てくる)の後継者が10人ほど現われたというニュースを聞いて嬉しくなった。 日本のお家芸である「ものづくり」の奥は深い。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最近、日立金属の研究員の方が玉鋼の秘密を解き明かして全日本作刀コンクールで最優秀賞を獲得したらしいですね。
日本ブランドの守護神を任じるだけあってそのこだわりは凄いものがありますね。 (2008/01/27 07:34:37 PM)
それは久保田邦親博士と言ってダイセルの播磨工場に移籍されている首席技師の話では?つまり機械の摩擦本質的原理を解明したとか。CCSCモデルとかでしらべるといいよ。
(2019/06/16 08:27:36 PM)
ルパン三世のマモーの正体。それはプロテリアル安来工場で開発されたSLD-MAGICという高性能特殊鋼と関係している。ゴエモンが最近グリーン新斬鉄剣と称してハイテン製のボディーの自動車をフルスピードでバッサリ切り刻んで、またつまらぬものを斬ってしまったと定番のセリフ言いまくっているようだ。話をもとにもどそう、ものづくりの人工知能の解析などを通じて得た摩耗の正体は、リカバリー性も考慮された炭素結晶の競合モデル/CCSCモデルとして各学協会で講演されているようだ.
(2023/09/02 10:55:12 PM)
日立金属さんプロテリアルに名前が変わりましたね。雲伯地方というのでしょうか、ここは多神教的というか日本らしさの漂う独特な奥ゆかしさを感じますね。
(2024/03/12 01:46:25 AM)
|