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カテゴリ:邦画
山田風太郎の小説の映画化。以前深作欣二監督が映画化している。 出演は窪塚洋介、佐藤浩市、麻生久美子。 粗筋 島原の乱で幕府軍に首をはねられた反乱軍総大将天草四郎。十数年後、彼は徳川幕府を倒す為、魔界から蘇った。天草は妖術を使い、過去の剣豪らを次々と蘇らせる。 天草の企みについて偶然に知った柳生十兵衛が、阻止のため江戸へ向かう……。 感想 CGをわんさと使った時代劇、というのが第一印象。日本映画が海外に進出するとしたらこの手しかないと思うので、この傾向が悪いとは思えない。 ただ、本作品は全体的には面白いんだが、何か物足りない、というのが率直な感想。 佐藤浩市が演じる柳生十兵衛が宮本武蔵や、自分の父親などの剣豪らと次々決闘していくのだが、どれも短過ぎてアッと言える間に終わっている。「殺陣」て感じがしない(たそがれ清兵衛とは大違い)。 本作品は窪塚洋介が演じる天草四郎が主人公であるかのような宣伝振りだが、実際には登場場面は少なく、柳生十兵衛が主人公。 なぜ天草四郎が強調されているのか分からない。 演じている俳優が「話題の人」だったからか。こういった宣伝の仕方だと「お目当ての俳優が全然活躍してない!」とけなされる恐れがあるから、やめた方がいいと思うが。どんな有名な俳優でも、脇役を演じていたらそのように宣伝した方が短期的にも長期的にも有利だろうし、そもそも主役に失礼ではないか。 本作品は、「歴史上で登場する様々な剣豪らが決闘し合ったら誰が勝つのか?」という歴史ファンの疑問に答えようとしたもので、天草四郎が江戸幕府を倒す企みは後で付け足したようなもの。だから突っ込むのは無意味なのかも知れないが、それでも「天草四郎、せっかく魔界から蘇ってきて、しかも死者を蘇らせる妖術まで見に付けているのに、もう少しまともな計画を立てられなかったのかよ?」と思ってしまう。 売り物である筈の決闘シーンもあっさりしていて、緊張感がないのが多い。槍の使い手との決闘は省いても良かったのでは。また、剣豪でもない家康が蘇ったのも分からない。 「予想できぬ意外な展開!」を演出したかったのか。それだったら家康にもう少し活躍してもらいたかったが。簡単に倒され過ぎ。 ラストも不満。ハリウッド映画みたいに強引に「めでたし、めでたし」に持っていくのもおかしいが、尻切れトンボに終わらせるのもどうかと思う。大風呂敷を広げた製作者が、広げ過ぎて適切な畳み方を捻り出せず、苦肉の策として途中で切ったように見えなくもない。続編を意識していたのだろうか。続編なんて作られないと思うが……。 役者らの演技は可もなく不可もなく、て感じ。 窪塚洋介出演作を見たのは「GO」に続いて二作目だが、なぜここまで騒がれるのかさっぱり分からない。他の俳優とどこか違うのか教えてもらいたい。 関連商品: 魔界転生 魔界転生 魔界転生 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.08.10 15:53:01
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