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カテゴリ:邦書
女性作家山崎ナオコーラのデビュー作。 「人のセックスを笑うな」「虫歯と優しさ」を収録。 粗筋: 「人のセックスを笑うな」 19歳のオレは、美術専門学校に通っていた。そこで、講師を務めているユリと出会う。 ユリは、オレより20歳年上の人妻だったが、ふとした事で肉体的関係を結んでしまう。 ユリの夫は、更に年上の50代の男性だった。彼は、ユリとオレの関係に気付くか、咎めるどころか公認する態度すら取る。 が、ユリは講師を辞職し、夫と共に海外へ旅立つ。 オレは、喪失感を味わう。 「虫歯と優しさ」 「私」には、伊東という恋人がいたが、関係は上手くいっていなかった。 歯医者に通いながら、「私」は伊東との関係が上手くいっていない理由を思い返す。 最大の理由は、「私」が男として生を受けながらも、今は女性の格好をしているからだ、という結論に至る。 「私」は、伊東から最後に優しい言葉を掛けられ、泣く。 解説: いずれもスカスカの、中身の無い短編。 女性作家特有の極端な自己満足が行間から滲み出ていて、読んでいるだけで腹が立ってくる。 ここまでイライラさせられる本も珍しい(本書より先に読んだ「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」もイライラさせられたが、本書を読んだ後はそれが寧ろ大傑作であるかの様に思えた)。 タイトルのみに、人の気を引くセンスが感じられる。 表題作の「人のセックスを笑うな」は、19歳の学生の視点で、年上女性との関係を描いているが……。 リアリティが無さ過ぎ。 19歳の若い男が、特に魅力的でも無い39歳の女性に恋心を抱き、肉体的関係を持つとは思えない。また、その若い男が、関係を持った年上の女性に捨てられてもただ泣くだけで済ませる、なんてのも有り得ない。 更に、妻が若い男と不倫関係に陥る事を、男が笑って許すとも思えない。 本作は、色ボケしたオバサンのファンタジー(妄想)を描いているといえる。 特に美人でもない、性格が良い訳でもない人妻の自分が、若い男と肉体的関係を持てて、年上の夫には笑って許してもらえ、若い男に飽きて捨ててもその男はメソメソ泣くだけで何も言ってこない、という奇想天外のファンタジー。 これが、男女が逆転した状態で書かれていたらどうなるか。39歳の妻帯者が19歳の女子大生と関係を持つが、年上の妻は笑って許し、やがて女子大生に飽きて捨てるのだがその女子大生は何も言ってこない……。こんなのを書いた所で、「妄想にも程がある」と一刀両断されるだろう。 何故女性作家だと許されるのかね。 仮に色ボケオバサンのファンタジーであっても、最後のオチで全てが引っ繰り返される、という展開にもなっていれば、まだ納得出来る。「実は色ボケオバサンのファンタジーなんかではないのです」と。が、それも無い。 ただの色ボケオバサンのファンタジーに終始。 どんでん返しも無く、オチも無く、新たな見識を得たという気分にもさせてもらえない。 読むだけ無駄な一遍。 「虫歯と優しさ」は、「私」が女性の格好をした男性である、というのが最大の「トリック」らしいが……。 その事実は「私」の口から早々と明らかにされてしまうので、意外性はその時点で消滅。 後は、「私」が歯医者に通っては伊東との関係について悩む場面が描かれるだけ。 どんでん返しもオチも無く、ただ終わる。 日記にちょっと手を加えて小説っぽくした感じ。 表題作と同様、スカスカの、自己満足の産物。 女性作家、てこんなのでもやっていけるんだ、と羨ましく思うだけの1冊だった。
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「女性作家特有の極端な自己満足が行間から滲み出ていて、読んでいるだけで腹が立ってくる。」
と言う自己満足に満ち満ちた文章をまさかおっさんが書いているわけではないですよね?だとしたらあなた様は一流の障害者ということになるのですが、いかがでしょうか? (2022.08.01 17:43:53) |