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カテゴリ:邦画
社会現象にもなったテレビアニメシリーズ「ヱヴァンゲリヲン」の新劇場版第一作。 全四作制作されるという。 粗筋 世界を襲った「セカンド・インパクト」により、人類は半分が死に至った。 それから15年後。 14歳の碇シンジは、特務機関NERV(ネルフ)の最高司令官で父親でもある碇ゲンドウから、謎の巨大生物「使徒」と戦うロボット兵器エヴァンゲリオンのパイロットに任命される。 使徒との戦いが困難を極める中、地球存続の為の任務を背負う彼らは、ある国家規模の作戦を実行に移すことに……。 感想 アニメ全体が、本シリーズをきっかけに「ヱヴァンゲリヲン以前」「ヱヴァンゲリヲン以後」に分けられるほどの社会現象になった。 自分もテレビアニメ版を、放送からかなり経ってからビデオレンタルして観てみたが……。 最初はそれなりに面白いと感じたものの、ストーリーが展開するにつれ中ダレし、退屈になった。 といっても、一旦観始めたので断念する訳にもいかず、惰性で観るように(当時はアニメも本も途中で投げ出さす最後まで一応観たり読んだりしていた。今だったら躊躇することなく放り出していただろう)。 そうこうしている内に製作者側も広げ過ぎた風呂敷を畳めなくなった上に予算が尽きたのか、手抜き的なストーリー展開と映像が続き、訳の分からないラストに至った。「ああ、典型的な日本のフィクションだな」と呆れたのを覚えている。 本作はテレビアニメの第1話から第6話を踏襲。 劇場版に当たって、キャラや設定に小変更が加えられたらしい(自分には分からない)。 セル画も一から書き直したそうで、元のテレビアニメのものは一切使われていないとか(テレビアニメ制作当時は採用できなかったCGのシーンも導入)。 といっても、基本的な設定は変わっていない(変えようがない)ので、当時から抱いていた設定上の疑問はそのまんま。 当時抱いていた疑問も、今になって観直せば少しは理解できるのではないか、もしくは納得できるのではないか、と自分に期待していたのだが、やはり疑問は疑問のままだった。 むしろ疑問は増幅している感じ。 なぜ14歳の少年少女が戦闘ロボットのパイロットにならなければならない理由が分からないし(そのパイロットが作戦時以外はごく普通に民間人と同じ学校に通っているのもよく分からない)、なぜメインのキャラが物凄く陰気臭いのかも不明だし(ウダウダ悩んでばかりいて、観ているだけで不愉快。ハリウッド映画でありがちな底なしに陽気なキャラとまではいかなくても、あれこれ悩まないキャラにできなかったのかね)、なぜ「使途」という敵にはヱヴァンゲリヲンしか効果がないのかも分からない(ヱヴァンゲリヲンがそんなに強いとも思えない)、なぜ「使途」がネルフ本部のある都市の攻撃に固執するのかも不明(他に攻撃目標がないのか)。 こういった細かいことを気にしていたからこの手のアニメを当時も今も楽しめなかったのか。 シリーズ開始当時は斬新な映像、斬新なキャラクターデザイン、斬新なメカデザイン、斬新なキャラクター設定で、何もかもが衝撃的だったのだろう。 が、本シリーズの影響を受けたアニメやドラマや映画がガンガン制作・公開されてしまった現在では、新しい部分は何もない。 むしろ古臭ささえ漂う。 本作は、元のテレビアニメシリーズを熱狂的に受け入れていた者向け。 元のテレビアニメシリーズを知らない者、あるいは自分のようにテレビアニメシリーズの面白さを理解できなかった者からすると、懐古主義の産物でしかない。 懐古主義といっても、たった10数年前なんだが。 時代の移り変わりは厳しい。 関連商品: お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.06.21 15:16:45
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